CursorでKotlin Multiplatformの開発効率が爆上がりした話 〜Project Rules導入編〜
こんにちは。
最近、Kotlin Multiplatform (KMP) のモバイルアプリケーションの開発を、JetBrains FleetからCursorに切り替えてみました。
結果として、開発効率が爆発的に向上する手応えを感じており、その中でも特に「Project Rules」の導入が鍵になったので、今回はその体験を共有します。
なぜProject Rulesが必要だったのか?
Fleetでの開発からCursorに切り替えた直後、真っ先に感じたのが「生成されるコードが既存の構成とズレている」という問題でした。
- ファイルの配置がバラバラ
- 命名規則が統一されていない
- 既存のコンポーネントが使われていない
このままでは開発効率が下がるどころか、レビュー・保守のコストが爆上がり……。
そこで辿り着いたのが、CursorのProject Rules機能です。
Cursorのルール機能3種類の比較
Cursorには以下の3つのルール設定方法があります:
種類 | 適用範囲 | 備考 |
---|---|---|
Rules for AI | グローバル | アプリ全体で共通のルールを設定 |
.cursorrules |
プロジェクト単位(旧方式) | JSON形式で記述 |
Project Rules | プロジェクト単位(推奨) | フォルダや拡張子ごとに詳細な設定が可能 ✅ |
特にこちらの記事がとてもわかりやすく基礎が整理されていましたので、詳細の説明は割愛させていただきます
私の課題は「Cursorアプリ全体でのルール」ではなく、「プロジェクト内でのルール違反」だったので、今回はProject Rulesを選びました。
Project Rulesの作成もCursorで
Project Rulesの作成って、正直ちょっとめんどくさそう……と思ってたのですが、ここもCursorにお任せ。
ある程度既存のコード構成があったため、主要ファイルを渡しつつ「このPJのルールを書いて」と依頼したところ、驚くほど整った形で返してくれました。
生成されたRuleの一部(抜粋)
- Architecture
- File Structure
- Naming Conventions
- Composable Rules
- State Management
- Resource Management
- Permission Handling
- Component Composition Rules
試行してみた
Project Rulesを設定した状態で、簡単なプロンプトを投げてみました:
この会員情報編集ページを新規で作成する。既存のatomなどを利用して実装して
結果①:構造理解がまだ甘い…
- atomファイルの読み込みに失敗
- 新規ファイルのディレクトリ配置がズレてる
結果②:既存パーツを活かせていない…
Atomic Designを採用しているのに、新規atomを無駄に作ってしまっているケースが多発。
👎 個人的スコア:50点くらい
正直、Copilot & 手入力の方が早いかも…というのが第一印象。
修正ポイントを追加
修正1:構造を言語化して渡す
CursorのChat欄では @
を使ってフォルダを指定できるので、以下のように全体構造を言語化して伝えました。
修正2:ルールに明記したこと
- 既存のatom/moleculeの再利用を優先
- 「まず既存に使えるものがあるか確認してね」とルールに追加
再試行 → 劇的改善
再度、同じプロンプトで実行してみると…
🎉 大成功!!
- 正しいファイル構成に生成
- 冗長なコードもなく、必要最低限でスッキリ
- UI設計に必要なボタンなども網羅
- 既存atomをちゃんと使ってくれてる!
これはもう、初期実装はCursorに任せてもいいかも…!
1PRあたり30分〜1時間は確実に短縮できるレベルです。
まとめ
今回の小さな改善だけでも、**「生成コードが既存ルールとズレる問題」**はほぼ解消されました。
- Project Rulesの設定は、たった10分程度でできる
- 体感で30分〜1時間の時短効果
- 今後の開発効率に大きな差がつく予感
今後の課題
もちろん、まだまだ改善余地はあります。
- Atomの再利用が徹底されない場合がある → もっと具体的なプロンプト?
- UIは画像指定とズレた形で生成される
- 人間側がプロンプトに何を指定すれば、ベストな形で生成されるのかのチューニングが必要(社内で共通した品質で利用できるよう、ある程度、テンプレートを用意したい)
おわりに
AIにコーディングを“完全に”任せるのはまだ早いかもしれませんが、
**「土台は任せて、手直しでクオリティを上げる」**という流れはもう始められるレベルまで用意できた感じがします。
同じような課題を持つ方の参考になれば幸いです!
CursorのProject Rules、マジでオススメです。
🙋♂️ コメント歓迎!
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もしくはこれから始めてみようという方、
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