はじめに
JavaScriptの歴史をまとめてみました。
JavaScriptの歴史
1993年
- 世界初の本格的なWebブラウザー「Mosaic」が開発。
1994年
- Netscape Navigator(NN)1.0がリリースされ、Webブラウザ市場に大きな影響を与える。
1995年
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JavaScript(当初はLiveScript)誕生
NetscapeのMarc AndreessenがDOMとやり取りできる小さなスクリプト言語を求め、Brendan Eichが開発。NN 2.0にJavaScriptが初搭載。 -
Javaの発表
Sun Microsystemsが5月にJavaを発表。Javaの人気に便乗し、LiveScriptからJavaScriptに改名。 -
Internet Explorer(IE)1.0リリース
Windows 95の登場とともにMicrosoftがIEをリリース。
1996年
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JScript登場
MicrosoftがIE 3.0にJavaScript互換の「JScript」を搭載し、ブラウザ間での競争が本格化。 -
Flashの登場
後のFlashとなる技術が公開され、リッチコンテンツの可能性が広がる。
1997年
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ECMAScriptの登場
6月にECMA-262の初版が公開され、JavaScriptの標準化が進む。
1998年 - 1999年
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ECMAScript第2版と第3版の発行
JavaScriptの仕様が更新され、言語の機能が強化。
2000年
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FlashとActionScript
FlashがECMAScript準拠の「ActionScript」を採用し、JavaScriptに似た記述でFlash制御が可能になる。
2005年
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AjaxとGoogleマップの登場
GoogleがAjaxを活用した「Googleマップ」を発表し、非同期通信により動的なWebページが実現。 -
JavaScriptライブラリの登場
初の人気JavaScriptライブラリ「prototype.js」が発表され、開発効率が向上。
2006年
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jQueryリリース
John Resigが「jQuery」をリリースし、JavaScriptの操作が容易に。
2008年
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Google ChromeとV8エンジン
GoogleがChromeを公開。高速なJavaScriptエンジン「V8」を搭載し、パフォーマンスが向上。 -
HTML5の策定開始
W3CがHTML5の策定を開始し、Web StorageやWebSocket、Geolocation API、Canvasなどが導入。
2009年
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Node.js登場
サーバーサイドJavaScriptの実行環境「Node.js」が登場し、JavaScriptのサーバー利用が拡大。 -
AngularとCoffeeScript
GoogleがAngularJSを発表。Jeremy AshkenasがCoffeeScriptをリリース。
2010年
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Thought on Flash
AppleのSteve JobsがFlashを非難する「Thought on Flash」を発表し、Flashの衰退が加速。 -
OracleがSun Microsystemsを買収
JavaやMySQLを含む技術がOracleの管理下に。
2011年
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Reactの登場
Facebookのニュースフィード上でReactが使用され、コンポーネントベースの開発が普及。
2012年
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TypeScriptの公開
Microsoftが10月にTypeScriptを発表し、静的型付けのJavaScript拡張として人気を博す。
2013年
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Reactのオープンソース化
JSConf USでReactがオープンソース化され、JavaScriptフレームワークとして広く普及。
2014年
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Vue.jsの発表
Evan YouがVue.jsを発表し、使いやすさから急速に人気を集める。
2015年
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ES6(ECMAScript 2015)の登場
JavaScriptにクラスやアロー関数、let/constなどの機能が追加され、大幅に機能強化。
2016年
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Angular2の登場
GoogleがAngular 2を発表し、AngularJSからの大幅な設計変更を行う。コンポーネントベースのアプローチが採用され、JavaScriptフレームワークの進化が加速。
2017年
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React 16のリリース
React 16でFiberアーキテクチャを導入。より高度なレンダリング管理が可能になり、フロントエンド開発での地位をさらに確立。
2018年
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WebAssembly(Wasm)の登場
高速なバイナリ形式でアプリケーションをブラウザで実行することが可能になり、JavaScriptに加え多言語サポートが広がる。
2019年
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Denoの発表
Node.jsの創設者Ryan DahlがDenoを発表。Node.jsの改善を目指し、セキュリティと開発者体験の向上に重点を置いたJavaScript実行環境として注目される。 -
Vue 3の発表
Vue 3が発表され、Composition APIなどの機能が追加。より柔軟で再利用可能なコンポーネントの作成が可能に。
2020年
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ES2020リリース
Nullish Coalescing(??
)やOptional Chaining(?.
)などの便利な機能が追加され、開発者の利便性が向上。
2021年
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ES2021リリース
Logical Assignment Operators(&&=
,||=
,??=
)やWeakRefなどが追加され、メモリ管理やコーディング効率が向上。
2022年
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ES2022リリース
Arrayのat()
メソッドやTop-level awaitが追加され、非同期処理や配列操作がさらに便利に。
2023年
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ES2023リリース
JavaScriptの仕様がさらに進化し、開発者体験やコードの可読性が向上。 -
React 18のリリース
React 18で新しいレンダリング機能であるConcurrent Modeが追加され、パフォーマンスが大幅に改善。
2024年までの最新動向
- JavaScriptのエコシステムは拡大を続け、WebAssemblyの活用、フレームワークの発展(React 、Vue 、Angular)、TypeScriptの普及が進行中。標準更新も毎年行われ、JavaScriptはWeb開発だけでなく、あらゆる分野で活用される言語へと成長。