この記事は何?
この記事は、Reginal Scrum Gathering Tokyo 2022(以下RSGT2022)に向けた アドヴェントカレンダー の1日目の記事として書かれたものです。
スピーカーによるセッションの予告、スポンサーによる宣伝、イベントの歩き方紹介などなど、#RSGT2022 に向けて高めてくれるような素敵な記事をお待ちしています!https://t.co/1qrPDLzAJg
— Scrum Tokyo (@ScrumTokyo) November 22, 2021
アジャイルウォーズ/スクラムマスターの帰還
記事タイトルはスター・ウォーズ/ジェダイの帰還(Star Wars: Episode VI Return of the Jedi)にかけています。
ジェダイ・マスターとスクラムマスターをかけて、アジャイルウォーズ/スクラムマスターの帰還です。
RSGT2022で発表するセッション
RSGT2022で発表するセッションはこちらです。
Day2の14:00-14:20、「2F Main Hall EAST奥」にて発表予定です。
これからの「スクラムマスターのキャリアプラン」の話をしよう。スクラムマスターの前に広がる世界
なぜスクラムマスターのキャリアプランの話をしようと思ったか
自分が迷ったから
なぜ、スクラムマスターのキャリアプランの話をしようと思ったのか。
これは、シンプルに自分がスクラムマスターのキャリアプランに迷ったからです。
自分は7年ほど前にスクラムに出会い、開発チームのメンバーとして開発を経験したのちに、スクラムマスターロールを2年ほど経験していました。
その後、とある事情で転職活動を行う必要があり、転職サイトで求人を見ることになるのですが、あることに気が付きました。
スクラムマスターの求人というのは、公開されている転職情報にはほとんどない…
フロントエンド開発者やバックエンド開発者、テックリード、チームリーダーといった求人はあるのですが、スクラムマスターでという求人はほとんど見かけません。
タイトルでスクラムマスターと書いてあっても、内容を読んでみるとチームリーダーとして開発タスクをしつつもチームの取りまとめをすることを期待するような内容のものもあります。
そういえば、エンジニアリングキャリアパスの本でも、開発者→テックリード→VPoE/CTOのようなキャリアパスは紹介されてましたが、そこにスクラムマスターというロールは登場してませんでした。
そもそも、スクラムマスターというロールはスクラムを用いている組織で必要になるのであって、開発組織で普遍的に必要となるロールではないんですよね…
スクラムマスターというロールや、チームが成熟していく過程にやりがいを感じ、その分野で歩んでいきたいと考えていた自分はどこへ向かえば良いのか…
このときの転職活動はかなり迷った覚えがあります。
そしてこのときの転職活動では、自分の中で以下のような整理がされていました。
・スクラムマスターとしての求人はほとんどない
・あっても開発者兼任を求められていることが多い
・スクラムマスターのネクストキャリアはアジャイルコーチなど狭き門である
そして、スクラムマスターとしての転職はかなり難易度が高いと判断し、エンジニアリングマネージャーとして転職することになります。
RSGT2021のOSTで迷っているという声を聞いたから
上記のような経験をしたのちに参加したRSGT2021のOSTにて、スクラムマスターのキャリアプランについてワイワイするというテーマを挙げたところ、かなりの参加者が来てくれました。
たしか、30人くらいは集まった覚えがあります。
テーマを挙げた自分自身も答えを持ち合わせているわけではなかったのですが、いろいろな人の経験・意見を総合すると答えが見えてくるんじゃないかなと期待していたところもあります。
しかし、実際にみんなで話を始めてみると、迷っている・ネクストキャリアが見えないという意見が大多数で、そこにスクラムマスターの先を見出したという意見はほぼほぼ無かったのでした。
しかしこれはこれで、新たな発見でした。
スクラムマスターのネクストキャリアは、一部の著名な方が歩んでいるアジャイルコーチ的なルート以外はまだ発見されていない・未到なんじゃないかということです。
新たなる希望(A New Hope)
スクラムフェス札幌のOSTで新たなる希望に巡り合った
スクラムマスターのネクストキャリアは未到領域であり、しかしそこを模索している・興味関心がある人はかなりいるということはRSGT2021のOSTでわかりました。
そのもやもやを再度確認すべく、スクラムフェス札幌2021のOSTにおいてもスクラムマスターのキャリアプランというお題を提示し、希望者でわいわい話し合いをしていました。
そしてここで、とあるお方から発された意見で衝撃を受けることになります。
「スクラムマスターのキャリアプランというのは、アジャイルコーチやEMといったロール名で示されるものなのでしょうか?」
言われてみればその通りなのですが、目から鱗でした。
自分はそれまで、スクラムマスターはその後アジャイルコーチになるのだろうか?開発者に戻るのだろうか?それともマネージャーになるのだろうか?といったロール名でばかり考えていたのですが、もしかしたらそういう問題ではないのかもしれない。
ロール名でネクストキャリアを模索するから迷子になるのであって、ロール名とは別に「自分自身が組織で・社会で、どのように働きたいのか・生きていきたいのかの生き様の問題」なのではないかという思いに至ったのです。
これは新たな発見でした。
そして、もしかしたら、スクラムマスターのキャリアプランを考える上での新たな希望かもしれない!そう思ったのです。
そしてRSGT2022へ
そして、RSGT2022です!
スクラムマスターのキャリアプランを考えるというプロポーザルが受け入れられて、お話しすることになりました。
実は、このプロポーザルを書いた時点ではまだスクラムマスターのキャリアプランはロール名でだけで考えていた時期で、アウトラインもロール名前提のものになっていました。
しかし、スクラムフェス札幌で新たな希望に巡り会ったからには、アウトラインも考え直さねばなりません。
しかしこれは、喜ばしいことです。
ロール名だけではスクラムマスターのネクストキャリアは腹落ちするものに巡り会えないことは何度かのOSTでの意見交換で既に明らかです。
ここはきっと、自分自身がどうありたいのか・生き様まで掘り込まないと進まない話なのだと思うのです。
私自身も気がついたら、スクラムマスターというロールではなく、エンジニアリングマネージャーというロール名になっていました。
しかし、スクラムの価値や行動指針を失っていませんし、組織へのスクラム価値の定着をスクラムマスターであったとき以上に意識しています。
RSGT2022のセッションでは、ロール名よりももう一歩踏み込み、働き方・生き様・自分はどうありたいのかという話まで展開できたらと考えています。
そして、自分自身もいちスクラムマスターとしてキャリアプランを考え、聞いてくれる皆様に問題提起・提案をできたらと思います。
スクラムマスターの帰還、是非セッションにて聞いていただき、一緒に考え、あなたの「どうありたいか」に問いかけさせていただければと思います。