留意点
当方は、自身でも予約システムを開発・販売しています。本記事は、極力、客観的・公正に記載したつもりですが、自身の立場によるポジショントークも含まれている可能性がありますのでご留意ください。
背景
- ネットリテラシーが低いクライアント相手に、詐欺的なサービスを提供しているWeb制作・運用代行会社がある
- 異なる業者2つ。いずれも比較的規模は小さくかつ地方企業という共通点がある。
- そんな悪質な業者はいずれ淘汰されると思っていたが、淘汰されるどころか、リテラシー低い人が「時代に遅れている?」という焦りから、営業にすすめられるままに契約してしまい、さらに被害拡大する傾向にある。
- クライアントの利益を度外視した悪質な商法であるが、違法ではないので対処しようがない。
- 同じような被害にあうクライアントを少しでも減らしたい。契約前に契約条件をチェック・見直すことが有効
- 自社ホームページや関係先に同じ情報は掲載済。技術情報ではないですが、QiitaのSEO力・拡散力に期待して投稿
悪質事例教えてください。追記します。
事例・問題点
以下のような実例があります。
こういったサービスと契約してしまうお客様は「検索エンジン」「ドメイン」に関する一般的な常識を持ち合わせておらず、さらに「コンテンツ」「データ」の価値を理解していません。このため業者のすすめるがままに不利な契約をしてしまっています。
- ホームページをクライアント自身で更新できない。管理アカウントが提供されていない。
- ホームページをクライアント自身で更新できる場合でも、静的HTMLで制作されており、更新にHTML/CSSの知識が必要だったり、FTPでダウンロード・アップロードの手間が必要だったりするため実質不可能となっている
- 簡単なホームページ更新(料金変更、写真を1枚だけ差し替え、追加とか)でも、数千円の手数料を請求する
- ドメイン管理手数料と称して法外な料金を請求している
- 【重要】ドメイン移管に対応しない。もしくは法外な如何手続き手数料を請求している
- 【重要】解約時にそのホームページやシステムに蓄積された自社のコンテンツ・データを一切提供しない
チェックポイント概要
- ホームページの更新方法・・・自分たち(もしくは協力者)で簡単に更新できるか?
- ホームページの更新料金は?
- 法外なドメイン管理費(例えば年間1万円)を請求されていないか?
- 【重要】解約時に「ドメイン移管手続き」に対応しているか?無償か?
- 【重要】解約時に運用中に制作されたコンテンツ・データが提供されるか?
チェックポイント詳細
ホームページを自社で更新できるか?
- 自分たち(もしくは協力者)が更新できるようにログインアカウントが提供されているか?
- 更新する際にHTML/CSSの知識は必要か?
- ファイルをダウンロードして、編集して、アップロードするような無駄な作業は不要か?
【豆知識】
ホームページは検索エンジン(Google、Yahooなど)から「評価」されています。
更新が少ないホームページの評価は「低」となり検索されても上位表示されません。
検索エンジンはインターネット業界の王様です。検索エンジンから低評価のホームページは存在しないも同然です。
【対策】
- ログインアカウントを提供してもらってください。
- HTML/CSSの知識不要で更新できるようにしてもらってください。
ホームページの更新料金は?
自分たちで更新できない場合、例えば料金変更(金額をちょっと変えるだけ)や写真を1枚追加・変更したいという場合に対応してもらえるか?
###【豆知識】
上述した作業は2~3分で終わります。
こういう作業に対して2,000円などの請求をする業者があります。
ただし、これは怠惰なクライアントにも問題があり、一般的に「利用するかどうかは選択可能」なのでそれほど悪質とは言えません。
###【対策】
- 自分たちで更新できるようにしてもらいましょう。
- 更新手順も説明してもらいましょう
法外なドメイン管理費を請求されていないか?
なんと1万円を請求する業者もいます。
ドメイン管理作業はゼロです(レジストラというドメイン提供会社が行います) ので「やらずぼったくり」の典型と言えます。
そもそも、ドメインの契約を外部会社に委託するのは絶対にやめましょう!
【対策】
ドメインは重要な資産です。自社で契約しましょう。管理するための知識も作業も不要です。
解約時に「ドメイン移管手続き」に対応しているか?手続費用は無償か?
ドメインは、インターネット上の御社ホームページの「住所」に相当します。
ドメインも検索エンジンから評価されています。長年使っているドメインは評価が高くなります。
また、名刺や関連サイトからのリンクやお客様のブックマークには「ドメイン」が利用されています。
ドメイン移管に対応してくれない場合は、新しいホームページでは新しいドメインを取得する以外に方法がありません。
この場合、ホームページの評価はリセットされて、リンクは切れてしまいます。
また、私自身があるサイト移行の際に体験したのは、移管手続き費用として「15,000円」を請求されたことです。
移管手続きは極めて簡単で、手続きそのものは数分、移管先等の情報やりとりを含めて、15分かからないでしょう。
【豆知識&対策】
ドメインは自社で契約しましょう。管理するための知識も作業も一切不要です。
解約時に、運用中に制作されたコンテンツ・データを取得できるか?
コンテンツとは「写真」「記事」「PDFファイル」などです。
データとは「顧客データ」「予約データ」「口コミデータ」「ポイントデータ」などです。
コンテンツは原本(記事ならテキストファイル)、データは再利用可能な形式(ヘッダ付きCSVやJSON、XML)で入手できる必要があります。
これらはいずれも自社の貴重な資産ですが、提供しない業者がいます。
コンテンツが提供されない場合、サービスを乗り換えようとした時にゼロからコンテンツを用意する必要があり、制作コストが非常に高くなります。
データが提供されない場合はもっと悲惨です。
- お客様は、再度アカウントを作成してくれるでしょうか?
- 付与したポイントが移管できなかったら、お客様はどう感じるでしょうか?
- お得な情報をどうやって届ければよいでしょうか?
- 何年もかけて蓄積した「口コミ」が無くなって大丈夫ですか?口コミは初見のお客様にとって価格やサービス内容と同等かそれ以上に重要な情報です。その口コミがゼロになることは客観的な信用がゼロになることを意味します。
【対策】
- 契約時に確認しましょう。
- 提供を保証しない業者とは契約すべきではありません。