1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Data + AI Summit 2025:Databricksが発表したMosaic AI新機能のご紹介

Last updated at Posted at 2025-06-19

本記事はDatabricks社の公式発表「Mosaic AI Announcements at Data + AI Summit 2025」を元に作成しています。

はじめに

Data + AI Summit 2025でDatabricksが発表した最新のMosaic AI技術について、読みやすくまとめました。エンタープライズAI活用を大きく前進させる注目の新機能をご覧ください。

免責事項・著作権表示

  • 本記事は非公式の翻訳・要約であり、正確かつ最新の情報についてはDatabricks社の公式ドキュメントをご参照ください
  • Databricks、Mosaic AI、MLflow、Unity Catalogなどは、Databricks, Inc.の商標または登録商標です
  • 本記事は非営利目的の技術情報共有として作成されています

主要な新機能ハイライト

Agent Bricks(ベータ版)

簡単にAIエージェントを構築できる画期的な新機能

Agent Bricksは、データに基づいて自動的に最適化された高品質なエージェントを構築する新しい方法です。エージェントのタスクの概要を記述し、エンタープライズデータを接続するだけで、残りはAgent Bricksが処理します。

  • タスクを記述するだけで、高品質なエージェントを自動生成
  • エンタープライズデータに接続するだけでカスタマイズ可能
  • 以下のユースケースに最適化:
    • 構造化情報の抽出
    • ナレッジアシスタンスの構築
    • カスタムテキスト変換
    • マルチエージェントシステムの開発

詳細については以下記事をご覧ください


MLflow 3.0

GenAI時代に完全対応した進化版MLflow

MLflow 3.0は、Generative AI向けにゼロから再設計されたバージョンです。モニタリング、評価、ライフサイクル管理の最新機能が搭載され、Databricksの外部で動作するエージェントも含め、包括的な管理が可能になりました。

  • クロスプラットフォーム可観測性:
    • Databricks外で動作するエージェントもリアルタイム監視
    • AWS、GCP、オンプレミスなど環境を問わず対応
  • プロンプトレジストリ機能:
    • LLMプロンプトの登録・バージョニング・テスト・展開が可能
    • プロンプトエンジニアリングのライフサイクル管理を効率化


SQLにおけるAI Functions強化

大幅なパフォーマンス向上とマルチモーダル対応

AI Functions により、ユーザーはSQL内から生成AIのパワーに容易にアクセスできるようになります。今年は、AI Functions のパフォーマンスが劇的に向上し、マルチモーダル機能が拡張されました。

強化ポイント 詳細
パフォーマンス 競合製品より最大3倍高速、4倍コスト効率
マルチモーダル テキストだけでなく画像も処理可能に
新機能 ai_parse_documentで複雑文書から情報抽出

ストレージ最適化Vector Search(パブリックプレビュー)

RAGシステム構築の経済性を飛躍的に向上

Mosaic AI Vector Searchは、多くのRAGシステムや検索エンジンのバックボーンとなる重要なコンポーネントです。今回の刷新により、コンピューティングとストレージを分離する設計が採用され、大幅なコスト削減と高いスケーラビリティを実現しました。

  • コンピューティングとストレージを分離する新アーキテクチャ
  • コスト削減効果: 従来比で1/7のコストを実現
  • 数十億のベクトルにも対応する優れたスケーラビリティ

詳細については以下記事をご覧ください


サーバーレスGPUコンピューティング(ベータ版)

GPU管理の複雑さから解放されたAI開発環境

DatabricksのサーバーレスプラットフォームにGPUサポートが追加され、AIワークロードの実行がさらに容易になりました。インフラ管理の複雑さを排除し、必要な時に必要なだけGPUリソースを利用できる柔軟性を提供します。

  • Databricksプラットフォームに完全統合
  • 利用可能なGPU:
    • A10G: 現在ベータ版提供中
    • H100: 近日公開予定
  • Unity Catalogによる完全なガバナンス
  • サーバーレスノートブックとジョブをGPU上で実行可能

ハイスケールなモデルサービング

本番環境に対応する高性能インフラ

今日のエンタープライズAIアプリケーションは、より高いスループットと低いレイテンシーを必要としています。Databricksの強化されたモデルサービングインフラは、この需要に応えるため大幅に性能向上されました。

  • スループット: 毎秒250,000クエリ(QPS)をサポート
  • 独自推論エンジン:
    • Meta Llamaなどのオープンソースモデルを高速化
    • 一般的な設定のvLLM-v1より最大1.5倍高速
  • リアルタイムのオンラインML向けに最適化

MCPサポート

AnthropicのModel Context Protocolとの統合

AnthropicのModel Context Protocol(MCP)は、大規模言語モデルにツールとナレッジを提供するための標準プロトコルです。Databricksはこのプロトコルをプラットフォームに直接統合し、よりパワフルなAIエージェントの開発を容易にしました。

  • MCPサーバー:
    • Databricks Appsでホスト可能
    • 追加インフラ管理不要でMCP準拠サービスを展開
  • Playgroundサポート:
    • MCP対応モデルをその場でテスト
    • 様々なモデル構成や機能を簡単に試験
  • 主な接続先:
    • UC Functions
    • Genie
    • Vector Search

詳細についてはドキュメントをご覧ください


AI Gateway(一般提供開始)

AIサービス管理のための統一プラットフォーム

Mosaic AI Gatewayが正式に一般提供されました。
この機能により、組織内で利用するあらゆるAIサービスに対して統一されたアクセスポイントを提供し、AI活用のガバナンスと管理を効率的に実現します。

  • 主な機能:
    • ガバナンスの一元化:すべてのAIサービスに対するポリシーやアクセス管理を集中管理
    • 使用状況の可視化と制御:ログの記録と利用状況の追跡により、透明性を確保
    • プロバイダー間の自動フェイルオーバー:複数のAIプロバイダーをまたいでのサービス継続性を確保
    • PII保護と安全性のガードレール:個人情報や倫理的配慮に対応した制御機能を提供
  • メリット:
    • レート制限ポリシーの簡単な設定:サービスの乱用防止やリソース最適化が容易
    • 使用状況の透明なトラッキング:ガバナンスやコンプライアンスのための記録管理が強化
    • セキュリティガードレールの一元適用:安全基準を全サービスにわたって一貫して適用可能

まとめ

Databricksの今回の発表は、エンタープライズAIのアクセシビリティ、パフォーマンス、コスト効率を大きく向上させる重要なものです。Agent Bricksによるエージェント構築の簡易化、Vector Searchのコスト削減、そしてSQLでのAI機能強化は、ビジネスにすぐに貢献する実用的な価値をもたらします。

これらの最新技術はすでに一部で試用可能です。
詳細はDatabricks公式サイトをご確認いただくか弊社までお問い合わせください。


ナレッジコミュニケーションでは、Databricks Data + AI Summit 2025 開催にあわせてセッションレポートや、イベント情報を公開しております!
ぜひナレッジコミュニケーションDAIS2025 特設サイトからチェックしてみてください!

1
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?