#esvectパッケージとは
矢線ベクトル表記(arrow notation)にしか使われない,ささやかだけれども嬉しいパッケージ。
Maintained by Eddie Saudrais.
CTAN: https://www.ctan.org/pkg/esvect ver.1.3 2013-11-09
#esvectパッケージのインストール
TeX Live には収録されているとのこと。
MiKTeX にも収録されているとのこと。
##自分でインストールする場合
- esvect.ins と esvect.dtx をダウンロード。
入手先:https://www.ctan.org/tex-archive/macros/latex/contrib/esvect
あるいは esvect.zip をダウンロードして展開。 - platex esvect.ins を実行。
- 生成された esvect.sty と uesvect.fd を,たとえば $texmf/share/texmf-local/tex/latex/ に置く。
- 生成された *.mf を,たとえば $texmf/share/texmf-local/fonts/source/public/esvect/ に置く。
#最低限必要なこと
sample.tex
\documentclass{jsarticle}
\usepackage{esvect} % パッケージをインクルード
\begin{document}
% TeX/LaTeX のコマンド
$\vec{a}$\ $\vec{\mathrm{AB}}$\
$\overrightarrow{\mathrm{AB}$\quad
% esvect のコマンド
$\vv{a}$\ $\vv{\mathrm{AB}}$
\end{document}
#矢線の頭
導入時にオプションをつけて,矢線の頭の形を決める。
デフォルトは d
。
##複数種を混在させるには
複数の種類の矢頭をひとつの文書に混在させるには?
そんなことが必要なのは,マニュアルを作るときくらいだろう。
だから,考えないことにしよう。
どうしてもやりたいときは,esvect.dtx をじかに読めばヒントが得られそう。
#下付き文字
コマンド \vv*{本体}{添字}
が用意されている。
sample.tex
\documentclass{jsarticle}
\usepackage{esvect}
\begin{document}
$\vv{a_x}$\quad $\vv{a}_x$\quad $\vv*{a}{x}$
\end{document}
#おまけ:この頁を作成中に生じた問題
standalone パッケージを利用してシンプルに出力例を作ろうとしたら…,
sample.tex
\documentclass{standalone}
\usepackage{esvect}
\begin{document}
$\vv{a}$
\end{document}
そこで,ダミーの柱を入れて全体が入るようにしました。
sample.tex
\documentclass{standalone}
\usepackage{esvect}
\begin{document}
\ $\vv{a}$\ \rule[-.5ex]{0pt}{3ex}
\end{document}
おしまい