確認
- 無限集合には無限部分集合が無限にある
- 無限集合には有限部分集合が無限にある
- 有限集合には無限部分集合は存在しない
- 有限集合には有限部分集合が有限個ある
定義
極大
集合$S\in \mathcal{A}$が極大であるとは,$S$を真部分集合とする$\mathcal{A}$の要素が存在しないことである.
コンパクト性
定義
集合$A$に対して,$A$の部分集合$S$が性質$P$をもつとき,そしてそのときに限り,$S$の任意の有限部分集合が性質$P$をもつとき,$P$はコンパクトであるとする.
集合族$\mathcal{S}$の元であるという性質がコンパクトであるとき,$\mathcal{S}$はコンパクトであるとする.
いいかえると,$S$が$\mathcal{S}$の元であるとき,そしてその時に限り,$S$の有限部分集合が$\mathcal{S}$の元であるとき$\mathcal{S}$はコンパクトである.
補題
1.コンパクトな性質$P$を満たす集合$S$の任意の部分集合は$P$を満たす
[証明]
$S$の任意の部分集合を$T$とし,$T$の任意の有限部分集合を$U$とする.$U$は$S$の有限部分集合でもあり,$C$はコンパクトな性質$P$を満たすから$U$は性質$P$を満たす.よって$T$の任意の有限部分集合は性質$P$を満たすため,$T$は性質$P$を満たす.
2.極大集合が存在しない無限集合が存在する
[証明]
$S_0 \subset S_1 \subset ... \subset S_i \subset ...$
を満たす$S_i$だけを部分集合としてもつ集合において極大集合は存在しない
3.コンパクトな性質を満たす集合に対してコンパクトな性質を満たす極大集合が存在する
[証明]
可算無限集合$V$ = {$x_0, x_1, \dots, x_i, \dots$}のコンパクトな性質を満たす部分集合を$S_0$とおく.
$S_i \cup$ {$x_i$}が
- コンパクトな性質を満たすとき,$S_{i+1} = S_i \cup$ {$x_i$},
- コンパクトな性質を満たさないとき$S_{i+1} = S_i$
とおく.
このとき$S = \lim_{i \to \infty} S_i$とおく.
$S$のコンパクト性
任意の有限部分集合{$y_1, ... y_n$} $\subset S$に対して$y_i \in S_{m_i}$$m = \max_{1 \leq i \leq n} m_i$とすると$S_i$の定義より, {$y_1, ..., y_n$} $\subset S_m$である.$S_m$はコンパクトな性質を満たすからその有限部分集合である{$y_1, ..., y_n$}はコンパクトな性質を満たす.よって$S$はコンパクトな性質を満たす.
$S$の極大性
$S_i$の定義より, 任意の$x\in V(x\notin S)$に対して, $S\cap${$x$}はコンパクトな性質を満たさない.
よって$S$はコンパクトな性質を満たす集合の中で極大である.