はじめに
はじめまして!皆さまお疲れさまです。
CS(カスタマーサポート)歴10年超、アドベントカレンダー2年目のRyusei55と申します。本記事へのご訪問ありがとうございます!
本記事では、他社とのCS合同勉強会について、これまでの開催の経緯や今後目指していることについて、紹介させていただきます。
CSにご興味のある方、他社との合同の取り組みを検討されている方など、ぜひ最後までご覧ください。
CS合同勉強会とは
ゲーム業界3社のCS担当者にて、以下大きく2つのテーマについての合同勉強会(意見交換会)を3か月に一度程度、オンラインで開催しています。
①CS KPIの設定および活用
②CSスタンダードの検討
①CS KPIについて
CSの品質や状態を把握するためにはどのようなKPIを設定すればよいのか、またそのKPIをどのように活用すればよいのか、「応対品質」「安心安全」「付加価値向上」という3つの観点において、各社の状況や実際のデータも踏まえながら事例を共有し合い、ベストなKPIを策定を目指しています。
②CS対応のスタンダードについて
上記KPIが定量的な指標とすると、それ以外の定性的なテーマについて議論するのがこちらとなります。各社がCS業務の中で感じている課題や、昨今のお客さま層を踏まえて検討すべきことなど、それぞれの議題にそったCSとしてのあるべき姿=CSスタンダードを策定することを目指しています。
合同勉強会で具体的に取り組んでいること
①CS KPIの設定および活用
これまでCS対応における品質や状態を定量的に表すというのが各社共通の課題でした。その課題に対してCS独自のKPIを設定し、それらを活用してCSの状態把握や、品質向上に繋げようというのが本取り組みの目的です。
具体的には「応対品質」「安心安全」「付加価値向上」という3つの観点において計39項目のKPIを洗い出し、そこから重要度を話し合い"必須/推奨/任意"の3段階の優先度を設定しました。そして各社で必須項目を中心にそれぞれのKPI定量データを取得し、実際にCS業務に取り入れ、その結果を3社間で共有することで、より有効活用できる方法を模索しています。
<例>※こちらは応対品質という観点で取得すべきKPIと優先度と活用手段をまとめたものです
②CSスタンダードの検討
こちらのテーマでは通常のCS業務での課題や、昨今のトレンドを踏まえたホットな話題など定性的な議題について話し合っています。
具体的には、毎回各社持ちよりで興味のある議題を出し、その議題にそって現状/課題/対策などを話し合い、最終的には対応基準=CSスタンダードとして何がベストかの結論をまとめるようにしています。
過去に議論したテーマの一例をご紹介します。
不正返金におけるBAN基準について
不正返金を検知した際にどのような基準でBANをしているか、またどのようなことに気をつけなければならないかについて話し合いました。事前警告の要否や不正の見極めなどといった論点を踏まえ、最終的には「利用者保護」「環境保持」の2つの観点からCSスタンダード案を定めました。
カスタマーハラスメントについて
自社でカスハラをどう定義しているか、またカスハラに対しての対策や今後の課題などを話し合いました。カスハラとしての明確な基準の策定が難しいといった悩みや、今後お客さまに対してどう警告(啓発)していくかなど未来のCSのあるべき姿についても話し合うことができました。
※こちらについては議論が白熱したものあり、今後も議論を続けていくテーマとなっています!
合同勉強会をしてよかったこと
今回定量面、定性面に分けて取り組みを行ったことにより以下の効果があったと思います。
★ KPIの設定とともに、算出手順や活用手段を定めることで、品質改善が必要となった際や、新規でCS運営を構築する際にも参考になる基準を作ることができた
⇒活用事例として「ストアレビュースコア」をKPIの1つとして設定した事例を紹介します。
Dailyでスコア推移を確認しレビュー返信を行い、且つ、レビュー内容を元にしたプロダクトへの改善提案を行った結果、レビュースコアが平均0.4pt向上しました。
またスコアの取得方法や活用方法の実績ができたことで、新規タイトルリリースの際にも同じフローを導入することができました。
※リリース後、1週間と翌週での比較
★ CSとしてのより良い対応基準や対応方法の知見を取り入れ自社の業務に生かすことができた
⇒事例として不正返金におけるBAN基準を各社で情報共有しあい、改めてあるべき基準について検討しました。結果として、事前警告の要否や不正の見極め基準を定めるとともに、ストア側での返金基準を確認したほうがよいのではないかという見解となり、基準を確認すべく社内法務とも連携しプラットフォーム側との協議に入ることができました。
などなど、他社の状況や考え方を共有しあうことで、自分たちのCS対応が他社と比較するとどうなのかが見えてきたり、CSとしてのあるべき姿を定めることができたりと
井の中の蛙にならない!ということが意識できるようになったと思います。
本取り組みの今後の課題
大きく2つの課題があると考えています。
・CS KPIやCSスタンダードをより実業務に活用していくこと
・合同勉強会の取り組みをもっと広く多くのCS組織に広め発信していくこと
上記の課題に取り組んでいくことで、CS業界全体を盛り上げていきたい(付加価値を高めていきたい)と思うとともに、グリーCSとしても業界№1と言われるようなCSを目指していきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!!