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【Scala×Play Framework】Action Refinerを利用した認証機能

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はじめに

この記事では
Play Frameworkにおいて、Action Refiner を利用した認証機能の実装方法についてお伝えします。

大まかな手順

  1. Action Refinerを継承したアクションオブジェクトを作成する

  2. アクションオブジェクト内にrefineメソッドを定義する
    2-1. リクエストの属性に値を格納する

  3. Actionとアクションオブジェクトをチェーンで繋ぎ、コントローラーで使用する

Action Refiner とは

  • リクエストをすぐにインターセプトして結果(Result型の値)を返す
  • 新しいリクエスト(Request型の値)で処理を続行する

上記のどちらの処理を行うかを判別して、実行してくれます。

この特性を利用して、認証機能を実装することが出来ます。

定義元:https://github.com/playframework/playframework/blob/8f081f6cf77afcee9e2680572fee566ea529ea3b/core/play/src/main/scala/play/api/mvc/Action.scala#L514

実装手順

今回の実装例としては、
ユーザーのログイン認証機能について実装していきます。

1.Action Refinerを継承したアクションオブジェクトを作成する

extendsで継承することができます。

▼実装コード

object UserAction extends ActionRefiner[Request, Request] {}

2.アクションオブジェクト内にrefineメソッドを定義する

Action Refinerトレイトに定義されているrefineメソッドを利用します。

refineメソッドは抽象メソッドの為、自分で定義して利用することで、Action Refinerの恩恵を受けることができます。
※ 戻り値がFuture[Either[Result, P[A]]]になるように定義する。

定義元:https://github.com/playframework/playframework/blob/8f081f6cf77afcee9e2680572fee566ea529ea3b/core/play/src/main/scala/play/api/mvc/Action.scala#L522

▼実装コード

object UserAction extends ActionRefiner[Request, Request] {
  def refine[A](request: Request[A]): Future[Either[Result, P[A]]] = Future.successful {
    // ログインしている     => Right(newRequest)
    // ログインしていない  => Left(Results.Redirect("/login_form"))
    request.session.get("userId")
    .map(userId => {
      for {
        // userを取得する
        user <- UserRepository.findById(userId)
      } yield {
        // 取得したuserをリクエストの属性に格納する(後述で説明します)
        val newRequest: Request[A] = request.addAttr(UserAttr.User, user)
        Right(newRequest)
      }
    })
    .getOrElse(Future.successful(Left(Results.Redirect("/login_form"))))
  }
}

2-1.リクエストの属性に値を格納する

参考:https://www.playframework.com/documentation/2.8.x/Highlights26#Request-attributes

リクエストには値を書き込むことができます。
以下の手順で実装します。

2-1-1.属性KEYを定義・作成する

// リクエストの属性を格納する場所(キー)を作る
object UserAttrs {
  val User: TypedKey[User] = TypedKey.apply[User]("user")
}

TypedKey.apply[格納する型] => TypedKeyを作成する事ができる。

TypedKeyの名前は引数に渡した文字列となる。(上のコードで言うと"user"

定義元:https://github.com/playframework/playframework/blob/20bb90532fe30cf933daa544dd61e301e7dacbe2/core/play/src/main/scala/play/api/libs/typedmap/TypedKey.scala#L63

2-1-2.リクエストに属性KEYと値のセットを書き込む(リクエストに属性を付与する)

// リクエストのTypedMapに属性KEYと値のセットを格納する
// 取得したuserをリクエストの属性に格納する
val newRequest: Request[A] = request.addAttr(UserAttr.User, user)

定義元:https://www.playframework.com/documentation/2.8.4/api/scala/play/api/mvc/Request.html#addAttr[B](key:play.api.libs.typedmap.TypedKey[B],value:B):play.api.mvc.Request[A]

TypedMap => 「TypedKey」と「値」を格納する不変のマップ。

例)

// 型
TypedMap(TypedKey[String] -> String)

// キーのタイプ([]の部分)は、属性のタイプを示す
キーの型  TypedKey[String]
値の型     String

2-1-3.コントローラーでリクエストの属性値を取得する

// 属性値を取得する
newRequest.attrs(UserAttrs.User)

2-1-2. で書き込んだ値を取得する方法です。(後述のコントローラー側で使用します)

定義元:https://www.playframework.com/documentation/2.8.4/api/scala/play/api/mvc/Request.html#attrs:play.api.libs.typedmap.TypedMap

3.Actionとアクションオブジェクトをチェーンで繋ぎ、コントローラーで使用する

参考:https://www.playframework.com/documentation/ja/2.3.x/ScalaActionsComposition#%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B

andThen を使ってアクション関数をつなぎ、1つのアクションを作成することができます。

▼実装コード

def view = (Action andThen UserAction) { request =>
  val user: User = request.attrs(UserAttrs.User)
    Ok("User " + user.name)
  }

『注意するポイント』

先頭のみAction Builderで始まるアクションにしましょう。

※ 上記の実装コードで言うと、Actionを指します。

Action Builderには

  • 関数合成のためのcompose処理 (これは他の種別にもある)
  • 非同期処理に必要なコンテクスト管理
  • リクエストをパースする処理

などが含まれており、

チェーンする後続定義として、

  • 非同期処理に必要なコンテクスト管理
  • リクエストをパースする処理

の定義機能を含むのは冗長であるからです。

そのような理由から、
Action Builder定義は、基本的には最初の1個目であり、
andThenで後に使うようには設計されていません。

まとめ

Action Refinerの使い方について紹介しました。
このように、Action Refinerを使用することで、認証機能を実装することができます。

Action Refiner以外にも、

というトレイトもありますので、ぜひ調べて使用してみて下さい。

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