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日本人プログラマは海外人材に取って代わられるのか

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いまからエンジニアを目指そうという奮闘している人にも、
今の身分を捨てて転身しても大丈夫だろうか・・・と、
不安になる気持ちもあると思います。

なかでも表題は「競争が激しい」「インド人やベトナム人に日本人は淘汰される」
などと気を迷わせるトピックの一つだと思います。

社内でもオフショア開発をメンバーに起用したという話で盛り上がっていたので、
様々なエンジニアやビジネスマンの見解、私の所感を述べてみたいと思います。

いきなり結論から

現状は代替されることは考えにくいです。
あまり悲観的になる必要はないと思います。

ただし、努力を怠っていいと言っているわけではありません。
プログラミング能力で見れば海外人材は非常に高い水準にあります。
下記、そのように結論づけた理由(私の所感)を述べます。

コミュニケーションコスト

誰もがまず注目する点だと思います。日本語話せるのか?と。
実際モバイルアプリ開発の現場からは、「ほとんど遜色なく話せる」とのことです。
もちろん個々でばらつきはありますが、言語の壁はさほど障壁になりません。

さて、ではなぜコミュニケーションコストを取り上げたかというと、
商習慣や日本特有のビジネスユースなど、日本人にとっての暗黙の了解を
要件に落としていくことは非常にコストがかかるからです。
日本人同士でも認識の齟齬が出るので当然といえば当然です。

確かに発注側にオフショアをハンドルできる能力がついてればいいやん、と思われるかもしれませんが、
実際には日本人エンジニア相手でも非常に難しい行為です。

小規模のWebアプリ開発はオフショアになって行くと思いますけど
中規模以上のものは国産じゃないとキツイ

これも設計や要件定義で日本人エンジニアが必要な要因ですね。

選定責任

「日本人のほうが安全」「海外に出すのは嫌(特に役所系)」という感情もあります。
オフショアは安いですが、オフショアを選定した場合その人に全責任がかかります。
日本の受託開発会社なら責任を取らせやすいですし。
単純に金額が安いだけでは乗り換え辛いのだと思います。

インターフェースが不可欠

少々上記とかぶる点もありますが、つよつよエンジニアの見解から。

クライアント → 制作会社 → 開発会社 → 一部機能をオフショアに外注
これが限界だと思います。
間に日本人開発者が必要な時点でオフショアが取って代わることは不可能です

高度人材はどうなの?

少しオフショアとは話がそれますが、日本にやってくる高度人材はどうなのか?
これは意見が分かれるところだと思います。

  • 日本の現場は安いので来ない
  • アメリカや中国に流れる
  • 親日国(ベトナムなど)からたくさんの人材が流れ込んでくる
  • スキルの高い外国人が安く雇える

これも私の所感になって恐縮ですが、カンボジアで住んでいたときは、
日本に行きたがっている人(プログラマ)が多い印象でした。単価の面では日本はそこそこレベルであり、中国やアメリカとは程遠いのも事実です。
それでも日本を選ぶ理由は、社会主義色の残るベトナムやカンボジアはアメリカのVISA取得が困難であることや、嫌中が多いということ。現地のカンボジア人プログラマがそのように語ってくれましたし、概ねその理解で正しいのかなと思っています。何より、月所得2-3万円の世界ですから、日本でも万々歳だということです。

ちなみに安く雇えるかどうかですが、在留資格関連の規定で、同等の能力を満たすなら日本人と変わらない給料を支払う必要があります。
なので、純粋にリソース補填が目的であり、安い労働者を雇うといった発想は成り立たちません。
ただ、リソースが潤沢になったり、外国人材の求める単価が、総じて日本人プログラマの単価をアンカリングする可能性は十分にありえると思います。
大幅には下がらないが、じわじわ効いてくるといった予想です。

オフショアが活用される場面

比較的小規模プロジェクトであったり、受託会社監督のもとチームの人員となるような運用は考えられます。
このつなぎ役をブリッジSEと呼んだりします。インターフェースですから、的確な仕様や設計の伝達、言語の壁がある場合は英語などを活用してマネジメントしていくことが求められます。
個人的にはこの様なマネジメントができることは非常に付加価値が高いと思っています。

一部業務を切り出すことで顧客ニーズを満たす設計などに注力できたり、開発費用削減を実現するなど、あくまでサプリメント的運用になるとは思います。

付加価値

完全にオフショアに置き変わらないとはいえ、付加価値は常に意識する必要があります。
日本は文化的にも経済的にも優位性がありますが、あぐらをかいているとあっという間に置いてかれるでしょう。ビジネス視点からのコメントを引用(少し改変してます)します。

ベトナムで「できるオフショア」のエンジニアは、日本で言うと「旧帝大卒&国力増強に対するコミットが高い」というものだと聞いたことがあります。
一概に高学歴がすごいという話ではなくて、「理解力が比較的高い人」がいる可能性が高い。ということで脅威を感じています。
日本の優位性、ではなくて、個人は「徹底した理解(文化、ニーズ、情報、などを網羅的に)」と「考える力」が主眼であるべきと、自分は感じています。
日本の文化の優位性は期限があるものとしてそれに挑戦し続ける個であること、が前提です。
組織は上記のような個を「尊重」出来る、かつ、「プロである」という厳しさを両立した形なのかなと考えています。

#まとめ
情報が錯綜し競争が激化していると云われる現在においてエンジニアになることや、続けていくことに不安を覚えることは当然にあると思います。それはエンジニアに限らず外部に接していれば、少なからず起きる脅威です。
悲観的になる必要はなく、むしろうまく扱う側に回ることでチャンスにもなり得るはずです。

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