誰に向けた記事?
・画像生成AI入門用のPCを自作したい人
・自作PCって何があれば動くのか知りたい人
・今どきの自作PCを組み上げる際の予算感が知りたい人
本記事ではPC組み立て方法に関しては取り上げません。
今は少し調べたら色々出てくる時代ですので、WEBサイト、youtube、SNSなどで探してみてください。
(そもそも手探り感を楽しめる人でないと自作PCは向いてないです。。)
はじめに
画像生成AI、いわゆるStable DiffusionやNovelAIを利用することで誰でも簡単に高品質なイラストが生成できます。
漫画やアニメが好きで、自分で色々描いてみたいけどそんな技術もないし・・・という私にとっては願ってもない技術。
幸いにも家に1台しかない共用パソコンにNVIDIAのグラフィックボードを積んでいたので何とか触ることができました。
が、家族共用なので自分のお絵描きフォルダを見られるのもちょっとな~と思い、思い切ってPCを1から自作してみることにしました。
ちなみに自作は新社会人の初任給で組んで以来11年ぶりです。
目指すスペックのパソコン
・Stable Diffusionがそれなりに快適に動くこと
・人気FPSゲームのApex Legendsが快適に動くこと
必要なパーツ達
PCハード関係は規格がきちっと決まっているので以下の流れで順番に選ぶのが吉です。
CPU
まず初めにCPUを選んでください。
ここの選択によって後述するマザーボードのチョイスが変わってきます。
IntelとAMDのどちらかから選ぶことになると思いますが、今の価格の安定性を見る感じIntelでよろしいかと。
昔に比べAMDのCPUもIntelとさほど変わらない性能になってきているので、その時にコスパが良いものを選んでいいです。
生成AIはCPUよりもGPUの性能が大事ですので、特に負荷のかかる作業をしないのであればCPUはcore i5の13世代でOKです。
↑この裏のピンが折れたときの絶望たるや否や
マザーボード
母なる板、すなわちこいつが無ければPCは動かない。
CPUやメモリやストレージを繋げていい感じにパソコンとして動かしてくれる縁の下の力持ち。
規格が色々あるけど、初めては適度に大きく、機器の配置や配線の取り回しが容易なのでATXという規格を選んでおけば間違いないです。
IntelとAMDでソケットとチップセットの種類が違います。
前述のCPU(intel corei5 13世代)を選択した場合はLGA1700のソケット、頭文字BかHのチップセットを選べばOKです。
ソケット→CPUを設置するところ。CPUの世代で形が変わります。LGA1700はIntelの12世代、13世代に対応したソケットです。
チップセット→マザボに最初から搭載されてます。マザボに接続された各ハードウェアを良い感じに繋げてくれる偉い人。最近のものだと600番台が12世代、700番台が13世代に対応しています。
チップセットの世代について
互換性があるので600番台のチップセットでも13世代のCPUは利用できます。ただし各マザーボードメーカーで公開されているBIOSのアップデートが必要な場合があるので、心配なら世代を合わせたモデルを購入することをおすすめします。
メモリ
動画編集をしないのであれば16GBもあれば十分です。
ただし今はメモリが安いので、32GBを載せる選択をしても良いと思います。
ストレージ
M.2のSSDを選択してください。
こちらも今はかなり安く手に入りますので、1TBか2TBからチョイスするのが良いと思います。
一応マザーボードにM.2のインターフェースがあるかどうかの確認も忘れずに。
グラフィックボード(GPU)
今回のキモ、グラボです。
Stable Diffusionを動かすにはNVIDIA製のグラボが必須です。
その中から選択するのですが、ズバリ初心者はRTX3060の内蔵メモリ12GBを選択することをおすすめします。
上を目指せば4070や4090など色々あるのですが、グラボは値段がえげつないくらい高額です。
多分自作PCを組み上げる際の4割くらいはグラボの費用になると思います。
品名 | 価格 |
---|---|
RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC [PCIExp 12GB] | ¥43,414 |
RTX 4070-O12G DUAL[PCIExp 12GB] | ¥92,442 |
RTX 4090 Phantom NED4090019SB-1020P [PCIExp 24GB] | ¥239,800 |
そんな中RTX-3060はStable DiffusionのLoRA学習に必要な12GBの内蔵メモリを搭載しているコスパの良いグラボです。 今回の目指すところのStable Diffusionが"それなり"に快適に動くことにマッチした良いグラボと思います。 もう一つの「人気FPSゲームのApex Legendsが快適に動くこと」についても問題ありません。
黙ってRTX 3060買っちゃお!
注意①
RTX 3060は内蔵メモリ8GBのものと12GBのものが存在します。
値段が安いからと間違って8GBのものを購入しないように注意してください。
注意②
フリマサイトやオークションサイトで相場より安く出品されているグラボがあると思いますが買わないでください!
仮想通貨のマイニングで使用され、劣化したものである場合があります。(マイニングはグラボにかなり負荷をかける作業)
安いからといって上位モデルを購入してもすぐ壊れる可能性があるので、グラボは新品を買いましょう。
グラボの写真撮り忘れた・・・
電源ユニット
うん、650Wか750Wのもの選んどこ。
今回の構成だと750Wもあれば十分過ぎます。
電源端子の数とかも確認しておきましょう。
心配な方はドスパラに電源を選ぶ際に参考になる計算ツールがありますので、そこにあてはめてみましょう!
電源にまつわる細かいお話も書いてくれています。神か?
電源容量計算機(ドスパラ様公式)
https://www.dospara.co.jp/5info/cts_str_power_calculation_main.html
ケース
好きなの選んどこ。
最低限気にするのはマザーボードの規格が合致すること。
今回はATXなので、それに適合しているケースをチョイスしましょう。
最近はガラス張りにして中身を"魅せる"ケースが流行っています。
動作には問題ないので、使うにあたりテンション上がるかっこいいモノを選びましょう。
CPUクーラー
まずは空冷か水冷か選べ、話はそれからだ。
一昔前は自作と言えば水冷って感じだったけど、昨今CPUの省電力化や空冷クーラーの性能向上により
空冷を選んで全然問題ないと思われます。
CPU買ったときに付属しているIntelの純正クーラーは性能悪いので使わないようにしましょう。
ちなみにこれは水冷
ケースファン
自作しない人からしたらケース内の風の流れとか「どうでもよっ!」って思っちゃうかもしれないけど大事です。
CPUとかGPUって思っている以上に発熱します。ケース内に適切な空気循環がされていなければCPUが熱暴走して落ちますし、GPUの寿命を縮めます。
なので最低限フロントとリアにはファンを設置しましょう。
PCケースに最初から付属してあるものも結構あります。
参考までに、Stable Diffusionで画像生成している最中はGPUの温度が80℃近くまで上昇します。
OS
今だとWindows11のHOMEを選べば問題ないかと。
11年ぶりにWindows買ったら箱の中にインストール用のUSBしか入っていなかったでござる。
CPUグリス
CPUとCPUクーラーの間に塗るグリス。これがないと適切にCPUを冷やせません。
熱伝導率とかいろいろありますが、基本的に評価が高そうなモノでOK。1gのものだと失敗した時に
塗りなおせないので2gくらいのものを買いましょう。
マウス、キーボード、モニタ
好きなの買ってください。今あるものを流用してもOK。
モニタに関してはFPSゲームするのであれば最低でもリフレッシュレート144Hzのものを選びましょう。
お手頃構成例
安心と信頼のドスパラで全て揃えてみました。
部品 | 品名 | 価格 |
---|---|---|
マザーボード | ASRock B760 Pro RS/D4 (B760 1700 ATX) | 20,280 |
CPU | Intel Core i5 13400F BOX | 30,780 |
CPUグリス | OC Master SMZ-01R | 1,078 |
メモリ | D4D3200-8G2A (DDR4 PC4-25600 8GB 2枚組) | 4,280 |
ストレージ | Western Digital WD Black SN770 WDS100T3X0E (M.2 2280 1TB) | 9,980 |
GPU | MSI GeForce RTX 3060 VENTUS 2X XS 12G OC (GeForce RTX 3060 12GB) | 41,800 |
ケース | DEEPCOOL CC560 R-CC560-BKGAA4-G-1 (ATX ガラス ブラック) | 6,980 |
冷却装置 | DEEPCOOL AK400 R-AK400-BKNNMN-G-1 | 3,199 |
電源ユニット | PQ750M R-PQ750M-FA0B-JP [ブラック] | 11,980 |
OS | Microsoft Windows 11 HOME 日本語パッケージ版 (HAJ-00094) | 15,680 |
合計:146,037円なり
モニタ、キーボード、マウスといった周辺機器を含めなければ15万円以内でGPU搭載の生成AIもできるゲームもできるPCが組めます。
Amazonのセール等を利用すればもう少し安く作れます。
が、初めて組む人はドスパラで全部揃えた方が保証とかもしっかりしてるからおすすめです。
CPUとGPUは1年間の有償保証を付けるのをおすすめします。商品価格の5%上乗せだけで自身の過失による故障も新品交換してもらえます。
CPUとGPUは高価なので、自分の不注意で破損してしまった場合立ち直れません。
最悪途中でめんどくさくなったら、ドスパラにパーツ持ち込めば有償で組み立ててくれます。利用したことないけど多分プラス1,2万円くらい。
さいごに
コロナ禍で在宅時間が増えて、高性能なPCを購入したり組み立てる人が増えてきたといいます。
昔に比べて通販で全てのパーツが揃うし、組み立てに関する情報量が圧倒的に多いのでPCを組み上げて動かないといった失敗はかなり少なくなってきたと思います。
秋葉原の裏路地を彷徨ってパーツを探さなくてもよくなった・・・あれはあれで楽しかったけど
11年ぶりにPCを組みたいと思わせてくれたStable Diffusionをはじめとする生成AIを取り巻く環境は日々進化しています。
私自身は利用者としてプロンプトの出力結果に一喜一憂しているだけのミジンコなのですが、根本的な部分を開発している人たちには頭が下がります。
多分今が時代の転換期なんじゃないかなと勝手に思っています。
そんな中最先端の技術に触れられる機会ってかなり貴重な体験だと思いませんか。
面白そうとか、楽しそうって好奇心を30才過ぎて感じることができるとは思いませんでした。
プログラミングとか難しいことはできないけど、これからも新しい技術には首を突っ込んでいきたいですね!
ちなみに今回私が組んだPC。ギラギラしてます。
この構成だと20万円弱くらいです(小声)