2023/06/13、ITエンジニア採用“現状の壁”をどう突破するか?に参加しました。
株式会社grooves赤川 朗さん
自社サービスForkwellに蓄積されたデータをもとに、転職市場の現状と取るべき採用戦略のお話をされていました。
転職活動にかける時間
まず、「ITエンジニアは転職活動にどのくらい時間をかけているか?」について。これは人によってまちまちではありますが、年収が上がるほど転職活動期間は長期化する傾向はあるようです。
年収
最近の求人トレンドとして、募集年収は年々上がっています。下限の年収は過去10年で170万円上がっています(ジュニアレベルのエンジニアに要求されているレベルが特別上がってるわけではないのに関わらず)。
ただ、今は年収の上昇は一旦踊り場に来ているかもしれないとのことです。このお話は赤川さんが先日公開された本当にエンジニアバブルは崩壊したのか?に詳しく書かれているので、こちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。
職種の種類
募集する職種の種類は近年増えていて(EM。SRE、データエンジニアなどが登場)、分業化が進んでいる印象があります。
使っているプログラミング言語
使っているプログラミング言語は年々多様化しています。自社が選択した技術はこの先どうなりそうかを考える必要がありそうです。
リモートワーク
フルリモート率は50%超え。一部リモート対応まで含めると95%がリモートワークということで、リモートワークを許可するかどうかは採用戦略を考える上で重要な要素になりそうです。
プログラミング言語と年収に相関関係はあるか?
よく言われる都市伝説(?)として「このプログラミング言語を使えると年収が高い」といった話を聞くことがありますが、プログラミング言語と年収の関連についてのデータも見せていただきました。
プログラミング言語ごとの年収の差はデータを出すと一見相関関係があるように見えますが、その言語の市場価値と捉えないほうがいいとのことです。言語ごとに利用している人口は違うので、その差が影響を与えているのではないかとのことです。
自社で転職したほうが給料が上がる?
これまた都市伝説的な話ですが、転職回数と平均年収の関係をデータで見ると、20代、30代は転職回数が多いと年収が増える傾向があるものの、40代では大きな差は見られないそうです。
これは、同じ役割でも所属する業界によって給料の中央値が大きく異なることが原因ではないかと分析されていました。
採用戦略をどうするべきか
まず、採用した人にやってもらいたい役割に応じて給与レンジを決めるするのが重要。
メガベンチャーや外資出身の人であれば給与レンジは高い傾向にあるので、自社を最初から選択肢に入れてもらえない可能性があります。
自分たちが狙えるのはどの層の人たちか、よく見極めて戦略を練る必要がある、とのことでした。
Attack株式会社 村上 篤志さん
より採用時にどういうアプローチを取れば求職者の反応を得られやすいのか、というお話をされていました。
採用人数は以下3つの掛け算で決まります。
- 採用チャネル数(e.g. スカウトメディア、エージェント、リファラル、直接エントリー)
- チャネルごとの候補者数
- 選考通過率
「採用チャネル数」は基本的に複数のメディアを利用するのがよい。
特にダイレクトリクルーティングはコストメリットが高いので活用するべきとのことです。
ただしダイレクトリクルーティングは利用企業の業務負荷が高くなる傾向があるので、運用体制をしっかり整えることが重要とのことでした。
スカウトメールの返信率を上げるための分析ポイントは以下の3つ。
- 開封率(既読率)
- 閲覧率
- 応募率
エンジニアの転職理由は以下の通り。これを意識してスカウトメールの文面を考えるとよいとのことです。
- 給料
- 成長
- 人間関係
- 貢献
候補者の経歴やスカウト理由を書くなどして作り込まなくてもOK。エンジニアは対象のメールを受け取るので、簡潔に自社の魅力を伝える文面のほうが返信率が高いとも話されていました。
確かに最近はスカウトメールの類は目にする機会が増えてきたので、個人的にもそんなに時間をかけて読まなくなった気がします。