本記事は新卒2年目のインフラ(クラウド)エンジニアが考えたことを思うままに書きだしたものになります。そういったいわゆるポエム記事であることを理解したうえでお読みいただけると幸いです。
はじめに
4月から本格的にアウトプット活動に力を入れてきて3か月ほど経ちました。これまでの活動や、これからの活動のことを考えた際に、少し思ったことがあったのでつらつらと書いていきたいと思います。
これまでの活動について
インプット活動
技術的なキャッチアップを目的として、勉強会やカンファレンスへの参加や、SNS・Qiitaなどでの情報収集などを実施しています。これらの情報やそれに対する気づきなどは随時部内にも共有をしています。
アウトプット活動
AWSや生成AI関連を中心に自分の興味関心のあることに対して手を動かしてアプリなどを作り、それに関するQiita記事やLT登壇などを行っています。Qiita記事は毎週月曜日投稿+α、LT登壇は月1回できるように取り組んでいます。
情報収集の際の気づき
InteropやAWS Summitなどに参加した際、あることを思いました。
「技術的にはもっと先のフェーズまで実現できるのに、現状でもソリューションとして成り立つのか」
例えば、AIOpsの領域では、技術的には障害が発生した際に(Human in the loopのような形で)AIエージェントが障害対応などができるようなレベルに来ていると感じています。しかし、展示ブースで実際にお話を聞くと、現状では障害時の状況調査を行ったり、この後どのような対応をすべきか提案してくれたりできるレベルという印象を受けました。
「技術的に可能」と「実務的に可能」のギャップ
この気づきから、技術には大きく2つの軸があることを改めて実感しました。
「技術的に可能」ということ
- 最新の技術やサービスで実現できる理論上の可能性
- プロトタイプレベルでの動作確認
- デモンストレーション環境での成功事例
「実務的に可能」ということ
- 既存システムとの兼ね合い
- コストと効果のバランス
- 組織の体制や文化に適合するか
- 段階的な導入・移行計画の実現可能性
- 運用・保守の継続性
具体例:生成AI導入の場合
例えば、Claude(Claude Code)などの生成AIを業務に活用する場合を考えてみます。
技術的に可能なこと
- APIを使えば簡単に高度な文章生成が可能
- コード生成、翻訳、要約など様々なタスクを自動化
- 最新モデルを使えば人間並みの出力品質
実務的に考慮すべき点
- セキュリティポリシーに適合するか(機密情報の扱い)
- 既存ワークフローへの組み込み方法
- 出力内容の品質管理・責任の所在
- コストパフォーマンス
- 従業員の理解と受け入れ
実際問題、昨年、私も担当業務である保守業務の効率を向上させるためにいろいろ取り組んでみたものの、技術的に出来るのはわかったがそれをどう運用保守していくかを詰めることができず、実務利用できなかった経験があります。(そのときの検証は以下Qiita記事で整理しています)
ギャップに意識を持つ
このような経験から、技術的な可能性と実務的な実現可能性のギャップを意識することは重要では?と思い始めています。
エンジニアとして価値を提供するためには、以下の両軸を意識し、橋渡しする役割が求められるのではと感じています。
技術的な理解を深める
- 新しい技術の可能性を理解し、将来の選択肢を増やす
- プロトタイプレベルでの検証により、技術的な実現可能性を判断
- 業界のトレンドを把握し、他社との差別化要因を見つける
実務的な視点を持つ
- 限られたリソース(時間・人員・予算)の中で最大の効果を得る
- 既存システムとの整合性を保ちながら段階的に改善する
- 組織の文化や体制に適合した現実的な解決策を提供
このバランスを取ることが、技術者としての成長に繋がると感じています。
これからの活動について
いろいろ書きましたが、いったん現状としては今までと何かを変えることはないと思います。自分の興味関心に基づいた技術的な探求と学習は引き続き大切にしていきたいと思います。ただ、前述したようなギャップへの意識(アンテナ)を持つようにしたいと思います。
将来的には以下のようなことを意識したアウトプットができるようになりたいなと思います。
- 勉強会やカンファレンスでは、技術的な内容だけでなく導入事例や課題についても積極的に情報収集する
- 技術記事を書く際に、実用性や導入時の考慮点も含めて整理する
- 「作って終わり」ではなく「運用まで見据えた」検証を心がける
おわりに
これまでのインプットやアウトプットについて振り返りました。新卒2年目という立場で、まだまだ技術的な深さも実務経験も不足していると思います。(特に実務経験が不足していると思います)そのため、このような視点を持ちながら、引き続き技術的な学習と実務経験の両方を積み重ねていき、「地に足の着いたアウトプット」ができるようになれればと思います。
ありがとうございました。