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MySQLの文字コード(characterset)と照合順序(collation)についてとその設定

Last updated at Posted at 2023-05-15

株式会社TECH LUCKという会社で代表兼エンジニアをしている齊藤です。

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前提

開発している際にMySQLの文字コード関連でエラーが出てきたので、いい機会だと思って調べたことをまとめました。

開発環境は以下の通りです。

  • macOS13.2.1(M1チップ)
  • MySQL:8.0.32

また記事の後半で、AWSのRDSも出てきます。

文字コードと照合順序について

MySQLは文字コードとソート順の2つの設定を持っています。ソート順の部分を照合順序と呼びます。

MySQL内で文字列を比較する際に、文字コードだけでなく照合順序が一致するかどうかも比較します。そのため、照合順序が合わないと比較できず、JOINしようとした際にエラーになってしまいます。

文字コード(characterset)は、MySQL内ではutf8mb4, utf8, cp932などで表されています。
文字コードは、MySQLクライアント(接続元)の設定、MySQLサーバー(接続先)設定の2種類があるので注意が必要です。

照合順序(collation)は、MySQL内でutf8mb4_general_ci, utf8mb4_binなどで表されています。
照合順序は、データベース、テーブル、カラムごとに設定することができるので注意が必要です。

文字コード(characterset)について

文字コードとは

文字コードとはある文字をどのようなバイト列で表現するかを決めたルールを文字コードと言います(これ以上深く掘るのと長くなるので割愛)。utf8utf8mb4などで表されるものです。

MySQLの文字コードの注意点

MySQLでのutf8は、みなさんが実際に思っているutf8とは別物なので注意が必要です。

MySQLの文字コードのutf8は1~3バイトまでの対応となっており、絵文字などが保存できません。
絵文字などを保存するには、MySQLの文字コードをutf8mb4にしなければなりません。

これからMySQLサーバーを新しく構築する際には、MySQLの文字コードはutf8mb4にしておくことが良いかと思います。

文字コードの設定項目

以下にMySQLで設定できる文字コードの一覧とその意味を記載しておきます。

設定項目 設定の影響範囲
character_set_client クライアント側(接続元)から受け取った命令文の文字コード
character_set_connection イントロデューサー(※)がない場合に、文字列や数値から文字列への変換に利用される文字コード
character_set_database デフォルトデータベース(※)で利用する文字コード。
character_set_filesystem ファイルシステムで使う文字コード。csvやtsvなどを読み込むときに、ファイル名の解釈(ファイル名を参照する文字列リテラル)に使う文字コード。
character_set_results SQLの実行結果(クエリ)をクライアント側(接続元)に返すときに利用する文字コード
character_set_server MySQLサーバーがデフォルトで利用する文字コード

※イントロデューサーとは

イントロデューサーとはSQLの文字列(正確には文字列リテラル)の前に記載する文字コードのことです。以下の例では、_latin1の部分がイントロデューサーにあたります。これによりSQLを解析する際に(SQLパーサー)に、後に続く文字列は_latin1文字コードと教えています。

SELECT _latin1'string';

※デフォルトデータベースとは

デフォルトデータベースとはuse文を使って選択したデータベースのことです。

use 'データベース名';

MySQL8.0でのおすすめの設定

色々調べた結果、以下のように設定しておくといいのではないかと思っています。

設定項目 設定
character_set_client utf8mb4
character_set_connection utf8mb4
character_set_database utf8mb4
character_set_filesystem binary(※) デフォルトのままがよい。
character_set_results utf8mb4
character_set_server utf8mb3(※) デフォルトのままがよい。

※character_set_filesystem

character_set_filesystemの設定を変更するとややこしいことになるとのこと。

※character_set_server

character_set_serverの変更を変更するとややこしいことになるとのこと。

character_setの設定を確認するクエリ

show variables like "chara%"

+--------------------------+---------------------------------------------------------+
| Variable_name            | Value                                                   |
+--------------------------+---------------------------------------------------------+
| character_set_client     | utf8mb4                                                 |
| character_set_connection | utf8mb4                                                 |
| character_set_database   | utf8mb4                                                 |
| character_set_filesystem | binary                                                  |
| character_set_results    | utf8mb4                                                 |
| character_set_server     | utf8mb4                                                 |
| character_set_system     | utf8mb3                                                |
| character_sets_dir       | /~~~/ |
+--------------------------+---------------------------------------------------------+

※character_set_system

character_set_systemはMySQLの内部実装の文字コードで、常にutf8にしておくのがよいとのこと。

照合順序(collation)について

照合順序(collation)とは、データベース内のデータの文字同士を比較するときのルールのこと。
この設定により、「大文字のA」と「小文字のa」、「全角のア」と「半角のア」を区別するかどうかなどの挙動が変わってきます。

照合順序は、データベース、テーブル、カラムごとに設定することができるので注意が必要です。

照合順序の設定項目

設定項目 設定の影響範囲
collation_connection character_set_connectionを用いて文字コードを設定する際の照合順序。
collation_database 特定のデータベースで利用されるデフォルトの照合順序。
collation_server MySQLサーバー全体で利用されるデフォルトの照合順序。

データベース全体の照合順序の(collation)の確認

show variables like "col%"

+----------------------+--------------------+
| Variable_name        | Value              |
+----------------------+--------------------+
| collation_connection | utf8mb4_0900_ai_ci |
| collation_database   | utf8mb4_0900_ai_ci |
| collation_server     | utf8mb4_0900_ai_ci |
+----------------------+--------------------+

特定のデータベース内にある全テーブルの照合順序(collation)の確認

SELECT TABLE_NAME,TABLE_COLLATION FROM INFORMATION_SCHEMA.TABLES WHERE TABLE_SCHEMA='データベース名';

+-------------------------------+--------------------+
| TABLE_NAME                    | TABLE_COLLATION    |
+-------------------------------+--------------------+
| articles                      | utf8mb4_general_ci |
| users                         | utf8mb4_general_ci |
~~~
~~~
~~~
+-------------------------------+--------------------+

MacのMySQLでの設定方法

MacのMySQLでは、my.cnfというファイルを作成してMySQLの設定を行うことができます。

以下のディレクトリの場所に、my.cnfを置くことで設定が反映されます。
/etc/my.cnf, /etc/mysql/my.cnf, /usr/local/etc/my.cnf, ~/.my.cnf

おすすめの設定は以下です。

my.cnf
[mysqld]
character-set-server=utf8mb4
collation-server=utf8mb4_general_ci

[client]
default-character-set=utf8mb4
設定項目 どのような設定か
[mysqld] character-set-server=utf8mb4 character_set_database, character_set_serverがutf8mb4として設定される
[mysqld] collation-server=utf8mb4_general_ci collation_database, collation_serverがutf8mb4_general_ciで設定される。
[client] default-character-set=utf8mb4 character_set_client, character_set_connection, character_set_resultsがutf8mb4として設定される  ※

※default-character-set=utf8mb4に関しては、設定をしていなくてもMySQLの接続の際に以下のように記述することで変更することができる。

mysql -u user -p --default-character-set=utf8

AWSのMySQLでの設定方法

AWSのMySQLでcharactersetとcollationを変更するには、パラメーターグループで以下の項目を設定します。

文字コード(character_set)のパラメータ 設定値
character_set_client utf8mb4 ※
character_set_connection utf8mb4 ※
character_set_database utf8mb4
character_set_filesystem binary
character_set_results utf8mb4 ※
character_set_server utf8mb4
照合順序(collation)のパラメータ 設定値
collation_connection utf8mb4_general_ci
collation_server utf8mb4_general_ci
default_collation_for_utf8mb4 utf8mb4_general_ci

注意点

character_set_clientcharacter_set_connectioncharacter_set_results は、パラメータグループで設定は無視されます。というのも、これらの設定値はクライアント(接続元)がMySQLサーバー(接続先)に接続するときに、クライアント(接続元)で設定された文字セットが反映されるためです。

参照元の記事

そのため、character_set_clientcharacter_set_connectioncharacter_set_resultsをutf8mb4を設定するには、クライアント側(接続元)のmy.cnfの[client]の項目で変更をするか、MySQLサーバー(接続先)に接続後に以下のクエリで変更することになります。

set character_set_client = utf8mb4;
set character_set_connection = utf8mb4;
set character_set_results = utf8mb4;

また、collation_databaseに関しては、変更不可の項目になっていました。おそらく、これは既存で作られたデータベースに関しては変更に関してはALTER TABLEのクエリで変更しなければならないと思います。

既存のデータベース、テーブル、カラムのcollationの変更方法

既存データベースのcharasetとcollationの変更

ALTER DATABASE データベース名 CHARACTER SET utf8mb4 collate utf8mb4_general_ci;

既存のデータベースの中にあるテーブルのcharacter_setとcollationの変更

SELECT CONCAT('ALTER TABLE ', table_name, ' CONVERT TO CHARACTER SET utf8mb4 COLLATE utf8mb4_general_ci;') AS alter_sql FROM information_schema.tables WHERE table_schema = 'データベース名';

上記のコマンドで出てきた結果がクエリになっており、出力された結果をコピーしてクエリを実行します。

ALTER TABLE テーブル名 CONVERT TO CHARACTER SET utf8mb4 COLLATE utf8mb4_general_ci;
ALTER TABLE テーブル名 CONVERT TO CHARACTER SET utf8mb4 COLLATE utf8mb4_general_ci;

設定がなされているかどうか確認するクエリは以下です。

SELECT TABLE_NAME,TABLE_COLLATION FROM INFORMATION_SCHEMA.TABLES WHERE TABLE_SCHEMA='データベース名';

参考記事

MySQLの文字コード(characterset)関連

MySQLの照合順序(Collation)関連

AWSのMySQLの設定関連

my.cnf関連

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