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対話型コンソールアプリ制作初級者に教えたい「CSI」

Last updated at Posted at 2016-08-05

はじめに

わたしはコンソールアプリ上級者ではありません
ただ色々制作していた中でたまたまCSIを知って感動したので書きました。

CSIとは

エスケープシーケンスの一種です。
エスケープと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、\nでしょう。
\nはUnix系において改行を意味する非常に簡単なエスケープですが、今回はもう少し込み入った特殊表現を行います。

ちなみに、CSIはControl Sequence Introducerの頭文字です。

なにができるか

代表的なものは
- カーソルの移動
- 画面の消去(カーソル以前の全消去、カーソル以後の全消去も可)
- 行の消去
- 文字の消去
- 矩形単位での文字消去
- 文字スタイル(太字、文字色、背景色など)の設定
- ウィンドウ情報(サイズなど)の制御
などなど…

こちらに制御の種類と方法が全て掲載されています。

動作について

Bashは簡単にエスケープさせてくれないようです参考)。
[追記:コメント情報]
Bashでもエスケープできるようです。echo -eのように-eオプションをつけると、エスケープが適用されます。
また、上記リンクは別の議論でした。訂正させていただきます。

CSIを使ってみる

さて、先の例では改行をするための\nを示しました。
CSIは複数の制御ができるので制御コードは一通りではありませんが、CSIであることを認識させるための接頭辞があります。
それが\e[または\033[ないしは\0x1b[です。

[追記]
bashがエスケープできないと思っていた件、\e[が対応していないだけでした。\033[なら可能です。

eは文字型、033は8進数、0x1bは16進数なので本質的には変わりませんが、eの方が楽でしょう。
CSIは狭義の1エスケープシーケンスの一種です。始めに\eを挿入することでエスケープシーケンスの始まりを伝え、さらに[でCSIであることを伝えます。

この後に何を書くかによってCSIの制御が変わってきます。

CSI制御一覧(一部)

制御文字(スペースは不要) 動作
n A n行(指定がなければ1行)カーソルを上げる
n B n行(指定がなければ1行)カーソルを下げる
n C n文字(指定がなければ1文字)カーソルを進める
n D n文字(指定がなければ1文字)カーソルを戻す
n E カーソルをn行(指定がなければ1行)下の先頭に合わせる
n F カーソルをn行(指定がなければ1行)上の先頭に合わせる
n G カーソルを現在の行のn文字目(指定がなければ1文字目)に合わせる
n; m H カーソルをn行目のm文字目(指定がなければ1行1文字:左上)に合わせる
n J 画面消去(詳細は後述)
n K 行消去(詳細は後述)
n S n行(指定がなければ1行)画面をスクロールして進める
n T n行(指定がなければ1行)画面をスクロールして戻す
n L カーソルのある行の前にn行(指定がなければ1行)挿入
n M カーソルのある行からn行(指定がなければ1行)削除
n P カーソルの位置からn文字(指定がなければ1文字)削除
n P カーソルの位置からn文字(指定がなければ1文字)を空白置換
n ` カーソルを現在の行のn文字目(指定がなければ1文字目)に移動
n a カーソルをn文字(指定がなければ1文字)進める
n d カーソルを現在の位置のn行(指定がなければ1行)上げる
n m SGR(Select Graphic Rendition)パラメータを指定する(詳細は後述)
s 現在のカーソル位置を記憶する
u 記憶したカーソル位置を呼び出す
> 3; a; b; c; d J (b, a)から(d, c)まで矩形消去
> 3; a; b; K 現在の行のa文字目からb文字目まで消去

画面消去(CSI n J)と行消去(CSI n K)の挙動

n 挙動
無指定 カーソルより後ろを画面(行)先頭まで消去
0 カーソルより後ろを画面(行)先頭まで消去
1 カーソルより手前を画面(行)末尾まで消去
2 画面(行)全体を消去

SGRパラメータ(代表的なもの)

n 意味
なし パラメータリセット
0 パラメータリセット
1 太字
2 薄字(広くはサポートされていない)
3 斜体(広くはサポートされていない、反転表示(n=7)になることも)
4 下線
5 点滅:150回/分以内
6 高速点滅:150回/分以上(広くはサポートされていない)
7 反転表示:前景と背景の色が入れ替わる
8 文字を隠す(広くはサポートされていない)
9 取り消し線(広くはサポートされていない)
10 デフォルトのフォント
11–19 (n-10)番目の代替フォントを使用
20 フラクトゥールフォント(ほとんどサポートされていない)
21 太字OFF(広くはサポートされていない), 二重下線(ほとんどサポートされていない)
22 色と強調(太字・薄字)を元に戻す
23 斜体とフラクトゥールを元に戻す
24 下線を取り消す
25 点滅を取り消す
28 文字の隠蔽を取り消す
29 取り消し線を消す
30–37 前景色(要は文字色)を(n-30)番に変更させる(色番号は後述)
38 前景色設定拡張。\e[38;5;nでカラーインデックスを指定できる(0...255)。\e[38;2;r;g;bでRGBを設定できる(各0...255)。
39 前景色をリセット
40–47 背景色を(n-40)番に変更させる(色番号は後述)
48 背景景色設定拡張。\e[48;5;nでカラーインデックスを指定できる(0...255)。\e[48;2;r;g;bでRGBを設定できる(各0...255)。
49 背景色をリセット

なんだこのサポートされてない嵐…

色番号

番号
0
1
2
3
4
5 マゼンタ
6 シアン
7

ざっと各色を表示するとこのような感じです。
スクリーンショット 2016-08-05 10.39.55.png

SGRの使い方

実際にSGR設定を行うときは

echo "\e[31mred\e[m"

とやれば赤文字でredと表示してくれます。

また、

echo "\e[31;43mred&yellow\e[m"

とやれば、赤文字黄背景でred&yellowと表示してくれます。
このようにオプションを;区切りで打っていけば複数のオプションを一度に設定できます。
CSI終了後に予想外の挙動をしないように、必ず最後に\e[mまたは\e[0mでオプションを切りましょう。


  1. 厳密には\nはエスケープシーケンスではありません。狭義にはESC(0x1B)から始まる制御バイト列のことを指すそうです。 

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