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3年間研究と長期インターンを並行してやってきたので振り返る

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これは「imtakalab Advent Calendar 2023」の日目の記事です。
https://adventar.org/calendars/9285

目的

1. 悩める大学院生に長期インターンをおすすめしたい

  • 大学院生は週2くらいの頻度で長期インターンをやるのがおすすめ
  • なぜなら実務経験が精神安定剤になるので、変に焦ったりせずに、純粋な興味だけを動機に研究ができるから

2. 自分がこれまでやってきたことの整理

  • 研究どんなことをしてきたのか?
  • 長期インターンどんなことしてきたのか?
  • ついでに就活の話も
  • 具体的な内容と担当した役割などを事実ベースで記録。

対象読者

  • 研究室のメンバー
  • 院進学を迷ってる人
  • 長期インターンを検討中の人

著者情報

  • 私立理系大学の修士2年生

学部4年時に考えてたこと

就職と研究のいいとこ取りをしたかった!

学部4年の時、就職するか大学院に進学するかで迷っていました。
就職すれば早く実務経験が積めるけど、院に進学すれば研究と勉強ができる。しかし社会に出たときに、本当に自分の学んだ分野が活かせるのかと不安に思う部分がありました。そこで、安心して研究活動に励むために、アルバイトの時間をインターンへあてることで大学院へ進んでも実務経験が積めると思い長期インターンを始めることに決めました。

やってきたことの概要

研究内容(大学) 業務内容(インターン)
学部4年 認知科学 フロントエンド開発・分析業務など
修士1年 ベイズ推定 & 認知科学 アクセス解析・メディアサイトの改修・保守
修士2年 機械学習 & 認知科学 レポーティング自動化サービスの開発

研究では主に認知科学を、インターン先ではWeb開発やWebサイトの行動分析などの業務をやっていました。

研究での活動

1. 因果帰納推論モデルの評価

分野
認知科学・因果推論

内容
WEB上で認知実験を実施、人の推論データから仮説の検証・モデルの分析

論文

2. 拡張型ベイズ推定手法の検討

分野
認知科学・因果推論・ベイズ推定・機械学習

内容
ベイズ推定に認知バイアスを組み込む
シミュレーションを通してモデルのふるまいを分析・考察

論文

まとめ

基本興味あることしかやらなかったので楽しい研究ライフが送れました。
(あまり興味ないけど就職に強そうだからという理由でテーマを選んでいたら楽しくなかったかも)
国内のみだけど2,3回 学会発表もでき満足!2023年は楽しい旅行ができた。

時期 参加学会 場所
修士1年 夏 JCSS2022 オンライン
修士1年 冬 JSAI2023 熊本
修士2年 夏 JCSS2023 函館

インターンでの業務

1. メディアサイトのグロース

内容
メディアサイトの保守運用
アクセス解析に基づいたSEO施策の提案や実施
サイト改修、機能追加など

役割
アクセスログの分析
クライアントへの提案資料の作成
SEO施策の実施
改修・機能追加時のコーディング

使用技術
GA4, BigQuery
PHP, JavaScript, HTML, CSS

2. Webサイトの分析・改善レポートツール開発

内容
Webサイト内のユーザー行動を分析し可視化する、レポーティング自動化サービスの提供

役割
BigQueryでアクセスログのデータエンジニアリング(クエリの作成)
サービスのシステム構成考えたり、競合サービスのリサーチ
新機能の提案や改修作業
資料作成

使用技術
GA4, BigQuery, Python, GCP

まとめ

給料+スキル(社会的なニーズがあり積み立て可能な経験)を獲得しながら働けることがインターンのメリットだと感じました。以前100円ショップでアルバイトをしていた時は、早く時間が過ぎることだけを考えていましたが、今は逆に時間が足りないなと感じます(笑)
また上記に挙げた以外にもさまざまな案件に関わらせてもらえたのがとてもいい経験になりました。長くやっているうちに、どんな技術がどのくらいのお金になるのかなどが肌感でわかってくるのも長期インターンのいいところだと思います。とにかく、大学にいるだけでは気付けないことが多いと感じました。

就活

活動期間:2月~6月(約半年間)
受けた会社:10社
受けた業界:Web・通信・SIer・コンサル
受けた職種:エンジニア・データサイエンス職

内訳
書類・テスト落ち:1社
面接落ち:7社
最終落ち:1社
内定:1社

感想
予想通り長期インターンの経験はかなりアピールに使えました。ただ、意外だったのはそれと同じくらい研究のエピソードもかなり大事でした。体感としては、序盤の人事やエンジニアにはインターンの話が刺さり、最終面接で出てくるような役員クラスには研究の話が刺さるなと思いました。
内定は1社だけでしたが、行きたかった自社開発系の会社から内定をいただくことができました。
↓具体的にはこの辺の企業群です

補足

僕の経験則では優良企業ほど研究の大切さを理解している人がエンジニア部隊をとりまとてめいるように感じました。大学院に進学しておきながら、長期インターンだけやって研究を全くやらなかったりするのはリスクがあると感じたのでバランスが重要だと思います。

なにがよかったのか?

1. 不安解消

基本的に研究内容を直接社会に役立てるのは難しいです。
自分の興味や好奇心だけを頼りにすると、どうしても社会で生きていくことに不安を感じてしまう。しかし、実務経験がある、だから社会に出ても困らない。
こう思えたことが大学院生が抱きがちな不安を取り除き、結果として研究活動に集中して取り組めたのではないかと思います。

2. 役割分担

結局このような役割分担がうまく機能したのだと感じています。(精神的にも時間的にも)

長期インターンの役割

  • 就活対策
  • 職業訓練
  • 生活費の確保

研究の役割

  • 好きな学問を深める
  • 論文の読み書きなどのアカデミックな経験を培う
  • お金以外の価値判断基準をもつ

大学は学術研究の機関としては素晴らしいが、職業訓練校としての力は持ち合わせていないことを自覚してうまくバランスをとりながら取り組むことが大事なのではないかと感じます。
長期インターンは実際にお金をもらいながら働くということなので、大学で研究に取り組みながら職業訓練がしたいなら最も適した環境だと思います。

さいごに

3年間研究と長期インターンを並行してやってきたことで、楽しい研究ライフが送れ、実務も経験でき、就活もうまくいき、自分としては満足度の高い大学院生活を送ることができたと感じています。大学院に進学したいけど研究と勉強だけやっているのでは将来が不安だという人の一つの選択肢になれば幸いです。

補足

長期インターンで研究時間が減ることは事実なので、研究で大きな成果を出したい人や、アカデミックの世界で生きていくと決めている人にとってはあまりいい選択ではないのかもしれません。(企業インターンではなく研究バイトとかのがいいと思う)
また週4or5出勤を求めてくる長期インターンも多いです、そういうところはお勧めできません。(だいたい休学して働くみたいだけど、普通に就職して正社員で働いた方がよほどいいと思う)
週2出勤でシフト自由など融通の効く良い会社もたくさんあるので探してみることをお勧めします↓

おすすめのインターン採用サイト

僕はこの2つを使ってインターン先を決めました。
特にゼロワンインターンは長期インターンに特化したサービスなのでおすすめです。

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