Pentaho ファーストステップガイド インストール編
はじめに
本記事では、Pentahoソフトウェア Ver10.2のトライアル版(評価版)のサーバ・ワークステーション機能をMicrosoft Windowsにインストールする手順/設定手順について示します。
Pentaho(ペンタホ)とは、データ収集・抽出・加工・出力を実行する「データ統合基盤(ETL)」と、 データ可視化・データ分析を実行する「データ分析基盤(BI)」をオールインワンで提供し、アジャイルでのデータ利活用を可能にするプラットフォームです。1
注意事項
- インストール手順は、あくまでも動作させるための最低限の手順であり、これらの手順によって、Pentahoソフトウェアの動作を保証するものではありません。機能の必要性に応じて、設定や構成を変更する必要があります。
Pentaho評価版インストール手順
1. Pentaho評価版インストーラーの取得
以下のサイトの手順を参考にインストーラーを取得します。
https://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/platform/pentaho/trial/index.html
2. pentahoユーザの登録
Pentahoソフトウェアのインストールの実行ユーザ(ユーザ名例:pentaho)を登録します。
ユーザの追加は、スタートメニューの「すべて」-「Windows ツール」-「コンピューターの管理」で表示される「コンピューターの管理」画面の「ローカルユーザーとグループ」から実施できます。また、同ユーザに管理者権限を付与してください。
ユーザ名「pentaho」が追加された状態のプロパティ画面は次のようになります。
3. インストーラの配備
Pentahoソフトウェアのインストーラをダウンロードし、Pentahoソフトウェアを実行する環境に保存します。
4. インストーラの起動
Pentahoソフトウェアのインストーラをダブルクリックすると、Pentaho Business Analytics Installerが起動します。
[Next >]をクリックしてインストールを続行します。
次のようなユーザーアカウント制御のダイアログが表示されることがあります。[はい]をクリックしてインストールを続行してください。
次のようなAntivirusを無効化するダイアログが表示されることがあります。Antivirusを無効化してからインストールを続行してください。
5. 使用許諾の確認
使用許諾を確認してください。使用許諾に合意する場合は[Accept]を選択し、[Next >]をクリックしてインストールを続行してください。
6. インストールディレクトリの入力
インストールディレクトリを入力します。
次の例では「C:\pent\p102」と入力しています。パス長はこれより長くならないよう指定してください。入力後、[Next >]をクリックしインストールを続行します。
7. Repository用PostgreSQLの管理者パスワードの入力(サーバ用コンポーネントをインストールする場合のみ)
[Password:]と[Confirm Password:]にパスワードを入力し、[Next >]をクリックしインストールを続行します。
8. インストールオプションの選択
開発用コンポーネントとサーバ用コンポーネントとを同じ環境にインストールするか、別の環境にインストールするかを選択します。
商用版では開発用コンポーネントとサーバ用コンポーネントとでサポートするOSが異なります。したがって、開発用コンポーネントとサーバ用コンポーネントを同一マシンにインストールできません。Pentahoソフトウェアを評価する目的でのみインストールしてください。
画面ではインストールオプションとして次のどちらかを選択してください。
-
開発用とサーバ用の両方を一つの環境にインストールしたい場合
「Keep it simple, Give me everything.」を選択してください。 -
開発用とサーバ用をそれぞれ別の環境にインストールしたい場合
「Let me decide for myself.」を選択してください。
9. インストールするコンポーネントの選択(「8. インストールオプションの選択」で「Let me decide for myself.」を選択した場合)
開発用コンポーネントとサーバ用コンポーネントを別の環境にインストールする場合に、環境に応じて次のように選択してください。
10. サンプルコンテンツのインストール(「8. インストールオプションの選択」で「Let me decide for myself.」を選択しサーバ用コンポーネントをインストールする場合のみ)
サンプルコンテンツをインストールするかどうかを指定します。
このドキュメントではサンプルコンテンツを使用するため、サンプルコンテンツをインストールすることを示す[Sure, give me my sample content.]を選択し、[Next >]をクリックしてインストールを続行します。
11. 評価用ライセンスの有効化
評価用ライセンスの有効化の設定を行います。
Webアクセスにプロキシが必要な環境かどうかに応じて以下のようにします。
-
Webアクセスにプロキシを必要としない環境の場合
開発元から提供されたアクティベーションIDを入力し、 [Next >]をクリックしてインストールを続行します。(この場合、ライセンスはインストール処理中に自動で有効化されます) -
Webアクセスにプロキシを必要とする環境の場合
ここでは何も入力せずに [Next >]をクリックしてインストールを続行します。(この場合、ライセンスは「14. 評価用ライセンスの手動有効化(「11. 評価用ライセンスの有効化」で「Webアクセスにプロキシを必要とする環境の場合」を選択しプロキシ設定をする場合のみ)」にて手動で有効化します)
12. インストール実行
インストールの実行準備ができましたので、[Next >]をクリックして、インストールを実行します。
13. インストール完了
ここではインストール後に起動したいプログラムを選択しますが、インストール後にも日本語環境向けの設定が必要ですので、それぞれのチェックボックスをオフにします。
- [Pentaho User Console] :オフ(サーバ用コンポーネントをインストールした場合)
- [Pentaho Data Integration] :オフ(開発用コンポーネントをインストールした場合)
[Finish]をクリックし、インストールを完了します。
14. 評価用ライセンスの手動有効化(「11. 評価用ライセンスの有効化」で「Webアクセスにプロキシを必要とする環境の場合」を選択しプロキシ設定をする場合のみ)
評価用ライセンスを手動で有効化します。
開発用コンポーネントとサーバ用コンポーネントのそれぞれの設定手順がありますので、両方実施してください。
Step1: 開発用コンポーネントの評価用ライセンスの有効化
-
以下のバッチファイルに対して、赤字で示した設定を追記します。
ファイル:C:¥pent¥p102¥license-installer¥install-license.bat
箇所:69行目付近【認証なしプロキシの場合】
call "%_PENTAHO_JAVA%" %LICENSE_PARAMETER% -DCONSOLE_HOME=. -Dlog4j.configurationFil e=log4j2.xml -Dhttps.proxyHost=ホスト名/IPアドレス -Dhttps.proxyPort=ポート番号 -cp %CLASSP ATH% com.pentaho.dsc.elm.ELMUserInstaller %CMD_LINE_ARGS%【認証ありプロキシの場合】
call "%_PENTAHO_JAVA%" %LICENSE_PARAMETER% -DCONSOLE_HOME=. -Dlog4j.configurationFile=log4j2.xml -Dhttps.proxyHost=ホスト名/IPアドレス -Dhttps.proxyPort=ポート番号 -Dhttps.proxyUser=ユーザ名 -Dhttps.proxyPassword=パスワード -cp %CLASSPATH% com.pentaho.dsc.elm.ELMUserInstaller %CMD_LINE_ARGS%※上記のホスト名/IPアドレス、ポート番号、ユーザ名、パスワードは以下に置き換えます。
項目名 設定値 ホスト名/IPアドレス プロキシサーバのホスト名またはIPアドレス ポート番号 プロキシサーバのポート番号 ユーザ名 プロキシサーバの認証ユーザ名 パスワード プロキシサーバの認証パスワード -
ユーザー権限でコマンドプロンプトを起動します。
-
カレントディレクトリを変更してライセンスインストーラを実行します。 ※xxxxxxxxの部分は開発元から提供されたアクティベーションIDに置き換えます。
Step2: サーバ用コンポーネントの評価用ライセンスの有効化
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Windowsのスタートメニューの「すべて」-「Windowsツール」-「サービス」を選択し、「サービス」を開きます。
-
次の順でサービスを停止します。
- Apache Tomcat 9.0 pentahoserver
- Pentaho Solution Repository
-
以下のファイルを開きます。
C:\pent\p102\server\pentaho-server\tomcat\bin\pentahoserverw.exe
次のようなユーザーアカウント制御のダイアログが表示されることがあります。[はい]をクリックしてインストールを続行してください。
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出現したダイアログの「Java」タブを開き、「Java Options:」欄に以下の設定を追加して、[OK]をクリックします
-Dhttps.proxyHost=ホスト名/IPアドレス -Dhttps.proxyPort=ポート番号 -Dhttps.proxyUser=ユーザ名 -Dhttps.proxyPassword=パスワード
※上記のホスト名/IPアドレス、ポート番号、ユーザ名、パスワードは以下に置き換えます。
項目名 設定値 ホスト名/IPアドレス プロキシサーバのホスト名またはIPアドレス ポート番号 プロキシサーバのポート番号 ユーザ名 プロキシサーバの認証ユーザ名 パスワード プロキシサーバの認証パスワード -
Windowsのスタートメニューの「すべて」-「Windowsツール」-「サービス」を選択し、「サービス」を開きます。
-
次の順でサービスを停止します。
- Pentaho Solution Repository
- Apache Tomcat 9.0 pentahoserver
-
Pentaho User Consoleにadminユーザでログインします。
- Pentaho User ConsoleのURL
http://localhost:8080/pentaho - adminユーザのユーザ名
admin - adminユーザのパスワード
password
- Pentaho User ConsoleのURL
-
ホーム画面が表示されることを確認します。
※正しく表示されない場合は、1. 開発用コンポーネントの評価用ライセンスの有効化を正しく実施できているか、プロキシ設定が正しいかなどをご確認ください。
15. インストール後の設定 - Javaのパスの設定
システム環境変数PENTAHO_JAVA_HOMEにPentahoソフトウェア同梱のJavaのパスを設定します。
- コマンドプロンプトを「管理者として実行」で起動します。
- 以下のコマンドを実行します。(※インストールディレクトリが「C:\pent\p102」の場合)
SETX /M PENTAHO_JAVA_HOME C:\pent\p102\java'
この手順はWorkstation に既存のJavaが存在しない場合を前提とします。Workstationに既存のJavaがある場合は、上記の設定に加え、システム環境変数JAVA_HOMEとシステム環境変数PATHに設定済みの 既存のJavaのパスを、Pentahoソフトウェア同梱のJavaのパスに変更します。
16. インストール後の設定 - 開発用コンポーネントの設定
この節では、Windows環境にインストールしたPentahoソフトウェアの起動に必要な設定の手順について示します。
編集には、改行コードのLF(ラインフィード)が編集できるテキストエディタが必要です。ご準備をお願いします。
それぞれのバッチファイルに対して、赤字で示した設定を追記します。修正後のバッチファイルの内容は、PCを再起動しなくても有効となります。
-
Aggregation Designer
対象ファイル:C:\pent\p102\design-tools\aggregation-designer\startaggregationdesigner.bat49行目付近
"%_PENTAHO_JAVA%" -Dfile.encoding="UTF-8" %JAVA_ADD_OPENS% -jar "%~dp0lib\pentaho-application-launcher-10.2.0.0-222.jar"
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Data Integration(Spoon)
対象ファイル:C:\pent\p102\design-tools\data-integration\Spoon.bat158行目付近
if "%PENTAHO_DI_JAVA_OPTIONS%"=="" set PENTAHO_DI_JAVA_OPTIONS="-Xms1024m" "-Xmx2048m" "-Dfile.encoding=UTF-8"
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Metadata Editor
対象ファイル:C:\pent\p102\design-tools\metadata-editor\metadata-editor.bat100行目付近
if "%PENTAHO_JAVA_OPTIONS%"=="" set PENTAHO_JAVA_OPTIONS="-Xms1024m" "-Xmx2048m" "-Dfile.encoding=UTF-8"
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Report Designer
対象ファイル:C:\pent\p102\design-tools\report-designer\report-designer.bat64行目付近
set OPT="-Dswing.useSystemFontSettings=false" "-Xms1024M" "-Xmx2048M" "-Dfile.encoding=UTF-8"
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Schema Workbench
対象ファイル:C:\pent\p102\design-tools\schema-workbench\workbench.bat85行目付近
"%_PENTAHO_JAVA%" -Xms1024m -Xmx2048m %JAVA_ADD_OPENS% %JAVA_LOCALE_COMPAT% -Dfile.encoding=UTF-8 -cp "%CP%" -Dlog4j.configurationFile=file:///%ROOT%.schemaWorkbench\log4j2.xml mondrian.gui.Workbench
まとめ
今回はPentahoソフトウェア Ver10.2のトライアルbのインストール手順を紹介しました。
Pentahoの使い方についてはこちらの記事を参照してください。
ETLツール Pentahoを使ってみよう!【Pentaho ファーストステップガイド PDI使い方編】
他社商品名、商標等の引用に関する表示
HITACHIは,株式会社 日立製作所の商標または登録商標です。
Oracle®、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
Pentahoは、Hitachi Vantara LLCの商標または登録商標です。
その他記載の会社名,製品名などは,それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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データパイプラインの開発を支援する 日立のデータ統合・分析基盤 Pentaho https://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/platform/pentaho/about/index.html ↩