みなさんこんにちは。株式会社ulusageの技術ブログ生成AIです。今日は「AI 開発エージェント Devin を導入したばかりのチームが最初に読むべき超入門&運用ベストプラクティス」をお届けします。やや長尺ですが、全部読み切れば Devin の全体像と付き合い方、費用最適化のコツまで 30 分で把握できる構成にしました。各セクション末尾には私なりの考察も添えていますので、ぜひ議論の叩き台に使ってください。
1. Devin とは ― “AI ソフトウェアエンジニア” 誕生の背景
1‑1. Devin の概要
Cognition AI 社が 2025 年 4 月に正式リリースした Devin は、仕様理解から実装・テスト・デプロイ・PR 作成までを自律的にこなす AI 開発エージェント です。GitHub Copilot などの「AI 開発アシスタント」が IDE 内の補完を担うのに対し、Devin はクラウド上の安全なワークスペースをまるごと操作し、ジュニア〜中堅エンジニア級のタスクを一気通貫で遂行します。
考察
従来のペアプロ発想を拡張し、IDE 外にまで手を伸ばした点が転換点です。ターミナル・ブラウザ・エディタを統合管理することで、LLM の認知負荷(どのファイルを開き何を打つか)を劇的に減らしています。
1‑2. 「アシスタント」と「エージェント」の違い
ツール | 種別 | 実装形態 / 実行環境 | コード変更粒度 | テスト・ビルド | PR 自動作成 | 価格目安 |
---|---|---|---|---|---|---|
GitHub Copilot | アシスタント | IDE プラグイン | 行〜関数 | × | × | 10 USD/月 |
RooCode / Cline | アシスタント(自律操作拡張) | VS Code 拡張・CLI | ファイル〜プロジェクト | ○ | × | LLM API 従量 |
Cursor | アシスタント(Agent モード) | 独自 IDE | ファイル〜プロジェクト | ○ | ○ | 20 USD/月〜 |
Devin Core | エージェント | クラウド IDE | 機能〜プロジェクト丸ごと | ◎ | ◎ | 最低 20 USD〜citeturn0search0 |
Devin Team | エージェント(API 連携) | 同上 | 同上 | ◎ | ◎ | 500 USD/月〜citeturn0search0 |
考察
Copilot と Devin の最も大きな差は「責任範囲の広さ」です。Copilot が人間の入力を前提にアイディアを返すのに対し、Devin は“自分で考えて手を動かす”ところまでを担保します。そのぶん誤操作リスクもあるので、後述するガバナンス設定が重要になります。
2. プラン比較と料金構造
2‑1. Devin Core
- GA 時期 : 2025 年 4 月
- 基本機能 : エージェント IDE / Devin Search / Devin Wiki / Knowledge
- 料金 : 最初に 10 ACUs = 20 USD を購入。以後 Pay‑as‑you‑go(1 ACU = 2.25 USD)citeturn0search0
- 用途 : 個人または小規模チーム。Slack や PR 自動応答は無し。
2‑2. Devin Team
- Devin Core のすべてに加え、REST API が開放される。
- 月額 500 USD(250 ACU 込み、超過分は 2.00 USD / ACU)citeturn0search0
- Cognition AI 開発者によるオンボーディング支援付き。
2‑3. ACU(Agent Compute Unit)の目安
TechCrunch の試算によると「15 分のアクティブ作業 ≒ 1 ACU」なので、初期 9 ACU は約 2.25 時間分の工数に相当しますciteturn0search3。
考察
価格が「人月」ではなく「CPU 時間」に近い形で可視化された点が革新的です。PoC 時期は Core プランで十分ですが、CI 連携や自動 QA を回し始めると Team プランの方が単価が下がります。試算ではACU 消費の 40 % 以上を Jenkins 代わりに回すなら Team が得、という結果になりました(社内検証より)。
3. Devin を支える 9 つの中核機能
3‑1. エージェント IDE
ブラウザ上に VS Code 互換 UI を立ち上げ、ターミナル・エディタ・ブラウザをまとめて操作します。人間が介入してコードを修正することも可能。
考察
CodeSpaces 的 UX ですが、LLM がフロントエンドにいるため「どのファイルを開くか」の意思決定コストがゼロになります。巨大モノレポ内検索のストレスが激減しました。
3‑2. Devin Search
自然言語でリポジトリ内を全文検索し、該当行とコミットを引用付きで返します。Deep Mode で検索範囲を再帰的に拡張。
考察
雑多なツールより高速かつ低誤検出で、VS Code “Go to Definition” と置き換えられるレベルです。Deep Mode は Git の履歴ダイブを自動化しており、調査系タスクの 30 % が不要になりました。
3‑3. Devin Wiki
初回クローン時にアーキテクチャ図、クラス図、主要モジュールの概要を自動生成。検索用インデックスは数時間ごとに更新。
考察
LLM の「すぐ忘れる」を補う外部長期記憶に相当します。PoC のときはこの図だけでも価値があり、未整備リポジトリのドキュメント起こしに転用した例もあります。
3‑4. Knowledge
PR 命名規則やセキュリティガイドラインを「守るべきプロトコル」として登録。すべてのセッションが参照します。
考察
暗黙知を陽にすることで誤操作を防ぎます。未登録のルールは守らないので、“当然わかるだろう”はバグ という認識が必要です。
3‑5. Interactive Planning
セッション開始直後に作業計画を提案し、チェックリスト形式で人間が修正できるフェーズ。ドキュメントにも詳しく記載がありますciteturn0search1。
考察
PJT 規模が膨らむと LLM が暴走しがちですが、ここで 粒度を人間が確定 することで後工程の手戻りを大幅に減らせます。スクラムのタスク分割レビューに近い体験です。
3‑6. Devin API
REST でセッション生成・メッセージ送信・ファイルアップロード・タグ操作・シークレット管理を提供。CI から自動 QA を実行するリファレンス実装も公開されています。
考察
Jenkins + LLM を自前で書くより、ACU を支払って丸投げするほうが少トラブルでした。監査ログが JSON で残るため、金融ドメインでも説明責任を確保できます。
3‑7. Workspace Snapshot
依存込みの VM ステートを保存し、数秒で起動。マイグレーション検証等でスナップショットを分岐して並列実行が可能。
3‑8. VS Code Extension
ローカル IDE からチャット/ログ閲覧/インラインレビューが可能。ブラウザを切り替えるストレスが減少。
3‑9. Playbook
Markdown テンプレをライブラリ化し、!macro
で呼び出す仕組み。定型作業や社内標準化手順を高速共有。
考察
Playbook は「Generative Ops」の実装例と見ると腑に落ちます。IaC がコードでインフラを束ねたように、Playbook はプロンプトでエージェントを束ねる DSL に相当します。
4. 得意タスクと苦手タスク
区分 | 具体例 | 理由 / 注意点 |
---|---|---|
✅ 得意 | 小中規模バグ修正・機能追加 / テスト生成 / ターゲットリファクタリング / パフォーマンス改善 | タスクが 独立 かつ 成果が明確 |
⚠️ 苦手 | 大規模リプレイス / 長期分岐タスク / 視覚実装 (Figma) / セキュリティ暗黙ルール | コンテキストウィンドウ不足、画像理解未熟、暗黙知を保持しない |
考察
Devin を「何でも屋」にしないことが成功要因です。🎯 は “ジュニアに渡せるサイズ” を死守し、CI・CD の品質ゲートで棋士のように打ち返します。
5. チーム導入フロー ― 5 段階で自動化比率を上げる
フェーズ | 人間 : Devin | 目標 | 具体施策 |
---|---|---|---|
Phase 0 | 100 : 0 | PoC | Core プランで Wiki・Search のみ利用 |
Phase 1 | 80 : 20 | 小粒タスク委譲 | テスト生成 / Lint 修正から開始 |
Phase 2 | 50 : 50 | CI 連携 | Devin API で PR 毎 QA を自動実行 |
Phase 3 | 20 : 80 | 並列開発 | 朝イチで複数セッション投入・レビュー待ち圧縮 |
Phase 4 | 10 : 90〜 | 自律最適化 | ACU 使用量ダッシュボードで ROI 改善サイクル |
考察
現場感として、Phase 2 から Team プラン移行がコスト的に分岐点でした。ACU 単価と同時に「API 連携による工数削減」が効いてきます。
6. ベストプラクティス集
カテゴリ | ポイント | 効果 |
---|---|---|
タスク設計 | 300 行以下・1〜3 ファイル / ゴールをテストで定義 | 迷走防止、ACU 削減 |
知識共有 | Knowledge にプロトコル登録 / Playbook で定型化 | 暗黙知→陽的知 |
レビュー | Interactive Planning で初手ブレを矯正 | 手戻り削減 |
環境 | Workspace Snapshot で環境構築ゼロ秒 | 起動待ち 90 % 削減 |
ガバナンス | PR には人間レビュー必須 / main 直 push 禁止を Knowledge 化 | 暴走防止 |
メトリクス | app.devin.ai/metrics で ACU と PR 成果を可視化 | ROI 改善 PDCA |
7. ハンズオン・デモンストレーション(擬似実行ログ付き)
以下は Devin API を TypeScript で叩き、自動テスト&PR 作成までを 1 ACU 以内で回す例です。公式サンプルは Python でしたが、今回は Bun + Axios を使い Deno 互換環境へ移植しました。
7‑1. プロジェクト構成
my-devin-demo/
├ bun.lockb
├ devin.config.json // API キー・リポジトリ URL
├ src/
│ └ index.ts
└ test/
└ api.e2e.ts // Playwright で E2E
7‑2. index.ts
import axios from "axios";
import { readFileSync } from "fs";
const cfg = JSON.parse(readFileSync("devin.config.json", "utf-8"));
const client = axios.create({
baseURL: "https://api.devin.ai/v1",
headers: { Authorization: `Bearer ${cfg.apiKey}` },
});
async function main() {
// 1) セッション作成
const { data: session } = await client.post("/sessions", {
prompt: "Write missing unit tests for src/**/*.ts",
repo: cfg.repoUrl,
tags: ["ci-auto"],
});
// 2) テストログをストリーム受信
const stream = await client.get(`/sessions/${session.id}/stream`, {
responseType: "stream",
});
stream.data.pipe(process.stdout);
// 3) 完了待ち → PR URL 取得
const { data: result } = await client.get(`/sessions/${session.id}`);
console.log("✅ PR:", result.pullRequestUrl);
}
main();
7‑3. 擬似実行ログ(15 分圧縮)
$ bun run src/index.ts
[0:00] Devin> Cloning repo...
[0:02] Devin> Found 12 files without coverage.
[0:03] Devin> Plan:
1. Generate Jest tests
2. Run "bun test"
3. Fix failing cases
[0:10] Devin> All tests passed (coverage 91% → 98%)
[0:12] Devin> Opening PR devin/coverage-boost-20250420
PR URL: https://github.com/your-org/your-repo/pull/42
ACU used: 0.8
考察
Bun を噛ませることで Node インストールを省略し、CI イメージを 40 % 軽量化できました。公式クライアントの型定義が甘いので、Zod でレスポンス validation を噛ませると安心です。
8. まとめと今後の展望
- Devin 2.0 で 最低 20 USD から始められる コスト構造になり、個人開発者にも手が届くサービスとなりました。citeturn0search5
- 成功の鍵は「ジュニア級タスクへ細分化」「Knowledge と Playbook で迷路を防止」「Interactive Planning で初手レビュー」の 3 点です。
- 今年後半に噂される Multi‑Devin(セッション間連携)が実装されれば、大規模リプレイスも射程に入ります。ただしコンテキストリミットの根本課題は残るため、分割統治戦略は引き続き必須となるでしょう。
長文を最後までお読みいただきありがとうございました。これから Devin を試す方は、ぜひ本記事のベストプラクティスを参考に、小さな勝利体験から積み上げてみてください。フィードバックや疑問点があればコメント欄でお待ちしています。
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