はじめに
こんにちは。プロダクトマネージャーをしておりますタナカと申します。
社内コミュニケーションにチャットを使っているなど、テキストでのやりとりが多い皆さんは円滑にテキストコミュニケーションができていますでしょうか?
何度か「うまく伝わらなかった」という失敗経験があるのではないでしょうか。
(私は何度もあります)
- 認識合わせするまでにラリーを何往復もしてしまう
- 適切な指示をしたかったがうまく伝わらず少しずれた作業をさせてしまった
- 大した内容ではないと思っていたが質問がたくさんきてしまった
情報の受け手の情報量や境遇、経歴などを考慮できておらず、ハイコンテキストなコミュニケーションを取ってしまうことで上記のような事が起きてしまうかと思います。
世の中には情報伝達力を高める書籍などはたくさんあるため体系的に学び地肩を高めるにはそういったものを使うのが良いと思いますが、
今回はすぐに改善できるかつ最新の技術と仲良くなるために生成AIを使ってテキストコミュニケーションが改善できるかを 検証 遊んでみたいと思います。
- 筆者は生成AIに精通しているわけではないので、優れたプロンプトの紹介はできません
- 会社としての取り組みではなく、個人の興味を主とした記事になっています
- 具体的な業務情報の記載は控えているため、少しくだけた内容になっていることをご了承ください
- 生成AIを利用する際には各企業における生成AIのガイドラインを確認いただきその範囲内でご使用ください
実際に使ってみた
今回はChatGPT3.5を使って、生成AIにテキストコミュニケーションの内容をレビューしてもらうカタチで文章を改善できるかを試してみました。
1. ロジカルさをチェック
▼プロンプト
私は同じチームで働くエンジニアに対して、以下の作業依頼をしたいと思っております。
作業をおこなうべき背景を理解し、適切に作業が進められるような案内として
論理的な伝達になっているかレビューし、指摘をしてください。
「テキスト修正をしたいと思います。
管理画面の『管理者設定』という文言を『権限設定』というラベルに変更したいです。期日は来週の金曜日までです」
▼ChatGPTのフィードバック
あなたの案内は基本的な作業要求を伝える上で適切な内容ですが、
さらに論理的な伝達にするためにはいくつかのポイントを加えることができます。
背景の理解:
なぜ「管理者設定」の文言を「権限設定」に変更したいのか、その理由を明確にすると良いでしょう。
例えば、「ユーザーが『管理者設定』という表現を誤解しやすいというフィードバックがあり、
より明確な『権限設定』に変更することでユーザーの理解を深めたいと考えています」
といった背景を追加すると、作業の意図が理解しやすくなります。
影響と利益:
この変更がチームやユーザーにどのような影響を与え、
どんな利益をもたらすのかについても述べると良いでしょう。
例えば、「『権限設定』に変更することで、ユーザーがより正確に権限管理を行えるようになり、
操作の誤解を減らし、結果としてユーザーエクスペリエンスが向上すると期待しています」
というような具体的な利益を示すことができます。
期日の具体化:
「来週の金曜日まで」という期日は明確ですが、具体的な日付を追加することでさらに明確になります。
たとえば、「6月15日(金)までに完了する予定です」と明示することで、
エンジニアが作業の優先度やスケジュールを調整しやすくなります。
改善してみた例を示しますと、
「テキスト修正をしたいと思います。現在の管理画面の『管理者設定』という文言を、
ユーザーフィードバックに基づき『権限設定』というラベルに変更したいです。
ユーザーの操作をより明確にし、誤解を減らすための変更です。
この変更により、ユーザーエクスペリエンスが向上することを期待しています。
作業の期限は6月15日(金)までに完了する予定です。」
このように改善することで、作業の背景と目的、利益、
そして期日が明確に伝わり、エンジニアが作業を適切に進めるためのガイドとなります。
なぜやるのか、そしてその対応で享受するものは何かを示すことは作業の完遂を依頼する立場としてはお伝えしたい情報ですよね。
曖昧な情報も明確にすることで人によって解釈がずれないようにすることもできそうです。
こういった情報を漏れないように指摘してくれるパートナーがすぐ横にいてくれるのは頼もしい限りです。
2. 情報の過不足をチェック
▼プロンプト
これからドラえもんを知らない人に対して以下の説明をしようとしています。
ドラえもんがどのような定義、役割、実体になっているのかを具体的に理解してもらえるような説明になっているか、
レビューし指摘してください。
また追加で情報を補足できるようにヒントがあれば教えて下さい。
「ドラえもんは21世紀の未来からきたネコ型ロボットです。
タヌキのような見た目をしていますが耳はなく、青い見た目をしています。」
▼ChatGPTによるフィードバック
あなたの説明はドラえもんについての基本的な情報を含んでいますが、いくつかの点で補足や改善ができます。
役割や機能の説明:
ドラえもんの役割や持っている機能についても少し説明すると良いでしょう。
彼は未来から来たロボットであり、多様な未来の道具を持っています。
これらの道具を使って、主人公ののび太や彼の友達たちを助けたり、日常生活での問題を解決したりします。
例えば、「ポケットからさまざまな未来の道具を取り出すことができ、時間旅行や空間移動、
さまざまな便利な機能を持っています」という具体例を追加することで、ドラえもんの実体や役割がより明確になります。
特徴や性格の追加:
ドラえもんの特徴や性格についても少し触れると良いでしょう。
彼はのんびり屋でお菓子が大好きというキャラクター設定があります。
例えば、「のんびりとした性格で、どら焼きが大好物です。
また、少々抜けている一面もあり、コミカルなシーンも多く登場します」といった情報を追加すると、
読者がドラえもんのキャラクターをより深く理解できます。
外見の詳細:
見た目についてもう少し詳しく述べると良いでしょう。
例えば、「手のひらサイズの体に、丸く大きな目、そして特徴的な赤いボタンがついたポケットを持っています。
その体は青い色をしており、白い部分もいくつかあります」といった具体的な描写を追加することで、
ドラえもんの外見がより具体的にイメージできます。
追加情報のヒントとしては、ドラえもんが持っている代表的な道具やその機能、
彼が登場する漫画やアニメの特徴、また彼の関係するキャラクターたちについての情報などが挙げられます。
情報の非対称性を埋めるための具体的な観点を指摘してくれていますね。
取り巻く環境についても説明することで、あらゆる文脈を埋めることもできそうです。
ドメイン知識を共有する際にも活用できそうです。
今後について
いかがでしたか?
各組織内でプロンプトのフォーマットを決めて運用してみたりすると、情報の粒度を揃えたコミュニケーションを浸透していけたり、生産性向上に寄与できそうですね。
今後は、インプットする情報が社内の生成AI利用ガイドラインに則っているかは注意する必要がありますが、 プロダクトの企画に関するドキュメントの内容が論理的になっているかのレビューをしてもらうことで、誰が見ても解釈がずれないプロダクトマネジメント関連のドキュメントを作成するなど、もっと生成AIの活用の幅を広げられるのではないかと思っております。
習慣かつアウトプットを担保して業務に実装できてはおりませんが、今後は生成AIと共存して日々の業務レベルをさらに高めていきたい所存です。
もちろん生成AIにすべてを作ってもらって単純に工数削減をすることもできますが、今回は生成AIを使って自らのスキルを高められる路線で考えてみました。
皆さんもおもしろい活用方法があったら是非教えてください。
最後に
弊社では生成AIのさらなる活用を通して会社を発展させていくことを考えております。
HRBrainの社外取締役にOpenAI Japan代表執行役員社長 長﨑 忠雄氏が就任。
是非、弊社に興味をお持ちいただけましたら一度カジュアルにお話しましょう!!
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