はじめに
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数式入力を頻繁に行わないなら[挿入]タブ > [記号と特殊文字] > [数式]で数式を挿入し、[数式]タブから適宜必要なフォーマットを挿入・編集すればよい。
数式を入力する機会が多くなると、上記のGUI操作は煩雑となる。 -
パワポで簡単に(キーボード入力で)数式を記述する際の入力方法として、LaTeX記法とMS系独自の記法がある。
- LaTeX記法を使う場合は数式オートコレクションによる事前の設定が必要となる。
(WordだとLaTeXに切り替えるボタンが標準でついているが、PowerPointだとそれがないのでひと手間かかる。) - ワードやパワポ独自の記法はLaTeX記法とは少し異なるので使うなら覚える必要がある。
- LaTeX記法を使う場合は数式オートコレクションによる事前の設定が必要となる。
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それらの入力例および気づいた注意点をメモする。
動作環境
- Windows10 64bit
- PowerPoint® for Microsoft 365 MSO (バージョン 2207)
数式入力
注意点
- パワポにおける数式挿入のショートカットはテキストカーソルを表示させた状態で
Alt
+;
。覚えておくと便利。 - パワポコードをそのまま貼り付けても表示されない。どこにスペースを入力するかが重要になる。
- 貼り付けるなら数式入力欄にプレーンテキストとして貼り付け。
- \コマンドの後ろにスペースを入力(
\matrix
の直後とか)。 - 数式入力欄の最後にスペースを入力。
-
()
などはパワポの数式フォーマットとして自動認識されてしまうとうまくいかない(見た目だけではわかりにくい)
上付き・下付き文字
e^{x}
LaTeX
e^{x}
PowerPoint
e^(x)
x_{i}
LaTeX
x_{i}
PowerPoint
x_(i)
分数
\frac{1}{x}
LaTeX
\frac{1}{x}
PowerPoint
1/x
根
\sqrt[n]{x}
LaTeX
\sqrt[n]{x}
PowerPoint
\sqrt(n&x)
総和
\sum_{i=1}^N x_i
LaTeX
\sum_{i=1}^N x_i
PowerPoint
\sum_(i=1)^N x_i
行列①
M = \begin{pmatrix}
1 & 0 \\
0 & 1
\end{pmatrix}
LaTeX
M = \begin{pmatrix}
1 & 0 \\
0 & 1
\end{pmatrix}
PowerPoint
M = (\matrix(1&0@0&1))
行列②
M = \begin{pmatrix}
1 & \cdots & 0 \\
\vdots & \ddots & \vdots \\
0 & \cdots & 1
\end{pmatrix}
LaTeX
M = \begin{pmatrix}
1 & \cdots & 0 \\
\vdots & \ddots & \vdots \\
0 & \cdots & 1
\end{pmatrix}
PowerPoint
M = (\matrix(1&\cdots&0@\vdots&\ddots&\vdots@0&\cdots&1))
極限
\lim_{n \to \infty}\frac{1}{n}
LaTeX
\lim_{n \to \infty}\frac{1}{n}
PowerPoint
lim_(n\to\infty)1/n
微分・積分
\frac{dx}{dt} = v(t)
LaTeX
\frac{dx}{dt} = v(t)
PowerPoint
dx/dt = v(t)
\int_0^\infty f(x) \;dx
LaTeX
\int_0^\infty f(x) \;dx
PowerPoint
\int_0^\infty f(x) dx
おわりに
MS系独自の記法はやや直感的に書けるように感じるが、必ずしも万全ではなさそうなので、やはり複雑な数式の場合LaTeX記法に頼るほかなさそう。
参考文献