はじめに
2020/9 時点の情報です。
まずはPower BI Premiumについて理解します。
私自身が案内する際も、共有したいユーザが500人以上の場合はPremiumがオススメ(Proライセンスが1000円ちょっとのため)というような案内をしていますが、共有の規模以外にも色々と機能面でのメリットがあります。
価格参考
Power BI Premiumの契約形態
Power BI Premiumと呼ばれるライセンスにはいくつかのSKUがあります。
契約期間についても、Pシリーズは月単位、EMシリーズは年間単位などの差異があるようです。
サブスクリプションとライセンス
- P SKU (P1 から P5) - 埋め込みおよびエンタープライズ機能、月間契約または年間契約が必要、1 か月単位での課金。オンプレミスの Power BI Report Server をインストールするライセンスも含まれている。
- EM SKU (EM1 から EM3) - "組織的な" 埋め込み、年間契約が必要、1 か月単位での課金。 EM1 および EM2 SKU は、ボリューム ライセンス プランを通してのみ利用できます。 直接購入することはできません。
また、従量課金となるPower BI Embedded による購入はA SKUとなります。
それぞれのライセンスで利用できる性能は以下の通り
容量ノード | 合計 v コア数 | バックエンド v コア数 | RAM (GB) | フロントエンド v コア数 | DirectQuery/ライブ接続 (秒あたり) | モデル更新並列処理 |
---|---|---|---|---|---|---|
EM1/A1 | 1 | 0.5 | 3 | 0.5 | 3.75 | 1 |
EM2/A2 | 2 | 1 | 5 | 1 | 7.5 | 2 |
EM3/A3 | 4 | 2 | 10 | 2 | 15 | 3 |
P1/A4 | 8 | 4 | 25 | 4 | 30 | 6 |
P2/A5 | 16 | 8 | 50 | 8 | 60 | 12 |
P3/A6 | 32 | 16 | 100 | 16 | 120 | 24 |
P4/A7 1 | 64 | 32 | 200 | 32 | 240 | 48 |
P5/A8 1 | 128 | 64 | 400 | 64 | 480 | 96 |
これらのうちA2より上位のSKUは占有のインフラでPower BIのワークロードを実行することができ、一部の機能は占有のインフラでのみ提供されています。
仮想コアが 4 個未満の EM1、EM2、A1、および A2 の SKU は、専用インフラストラクチャ上では実行されません。
Premium機能差
Power BI Premiumの機能の概要は以下の通りです。
Power BI Premium とは
Premium 容量でワークロードを構成する
分類 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
専用の容量 | ||
大規模なデータセット | 10GBのモデルをアップロード可能 | https://docs.microsoft.com/ja-jp/power-bi/connect-data/refresh-data#datasets-in-import-mode |
データセットのスケジュール更新回数 | 1 日に最大 48 回までスケジュール更新可能(通常は8回/日) | https://docs.microsoft.com/ja-jp/power-bi/connect-data/refresh-data#data-refresh |
ページ分割されたレポート | 旧SSRS形式のレポートを発行可能 | |
Power BI Report Server | Power BI Report Serverのライセンス | |
無制限のコンテンツの共有 | Proライセンスを持たないユーザへの共有 ※Power BI EmbeddedのAシリーズでは不可 |
|
Power BI Premium での Analysis Services | Analysis Service同等のXMLAエンドポイントを利用可能。 Visual Studio、SSMSによる開発など |
https://docs.microsoft.com/ja-jp/power-bi/admin/service-premium-connect-tools |
データフローの一部の機能 | 後述 | |
AI機能 | 後述 |
データフローの一部の機能について
特にデータフローの機能に関しては、以下のような差異があります。
データフローの機能 | Power BI Pro | Power BI Premium |
---|---|---|
スケジュールされた更新 | 8 回/日 | 48 |
合計ストレージ | 10 GB/ユーザー | 100 TB/ノード |
Power Query Online でのデータフローの作成 | + | + |
Power BI 内でのデータフローの管理 | + | + |
Power BI Desktop でのデータフロー データ コネクタ | + | + |
Azure との統合 | + | + |
計算されたエンティティ (M によるストレージ内変換) | + | |
新しいコネクタ | + | + |
データフローの増分更新 | + | |
Power BI Premium 容量での実行/変換の並列実行 | + | |
データフローでリンクされたエンティティ | + | |
Common Data Model の標準化されたスキーマ/組み込みのサポート | + | + |
計算されたエンティティ (M によるストレージ内変換)
Power BI Premium での計算されたエンティティの使用
データフロー内での結合はこの機能を利用する必要があります。
データフローの増分更新
データセットでは最近Premiumライセンス不要で増分更新がサポートされていますが、データフローではPremium限定機能となっています。
Power BI Premium 容量での実行/変換の並列実行
以下を含むような性能面での機能と理解
データフローでリンクされたエンティティ
Power BI のデータフロー間でエンティティをリンクする
Power BI で DirectQuery とデータフローを使用する
上記の表には載っていませんでしたが、こちらも。
Power BI で DirectQuery とデータフローを使用する
AI機能について
また、Premiumライセンスでは以下のようなAI機能が利用できます。
※自動機械学習以外はPower BI DesktopであればPremium無しでの実行が可能です。
次の記事
以上がPremiumの機能差異とその機能についての整理となります。
次はこれらの機能をライセンス契約などをせず、従量課金でテストする方法を紹介します。