はじめに

Webアプリを開発する際、モーダルを使用してユーザーに追加情報を提供したり、フォーム入力を促したりすることがよくあります。

本記事では、Vue 3 の shallowRef や ref を使って 動的にコンポーネントを切り替えるモーダル の実装方法を紹介します。

「ボタンをクリックすると、指定したコンポーネントがモーダル内に表示される」という動作を実現していきます。

実装の概要

今回の実装では、以下の3つのコンポーネントを作成し、以下の流れでモーダルを動的に表示します。
MainComponent.vue（モーダルを開くボタンを持つコンポーネント）
SlideupModal.vue（モーダルコンポーネント）
ModalComponent.vue(モーダルで表示するコンポーネント)

流れ

ボタンをクリック → callModal メソッドを実行。
モーダルに表示するコンポーネントを指定 → childComponent にセット。
モーダルのタイトルや props を設定。
モーダルを開く。

1. モーダルを開く親コンポーネントを実装 (MainComponent.vue)

このコンポーネントには、モーダルを開くためのボタンがあり、クリックすると SlideupModal.vue に ModalComponent.vue を渡します。
実装例：

<template>
  <button
    @click=“callModal(‘modalComponent’, ‘モーダル‘, modalComponentProps)”
  >
    モーダルを開く
  </button>

  <SlideupModal
    :childComponent=“childComponent”
    :childProps=“childProps”
    :headingText=“headingText”
    :calledElement=“calledElement”
    ref=“slideupModal”
  />
</template>

<script setup>
import SlideupModal from ‘@/components/SlideupModal.vue’;
import ModalComponent from ‘@/components/ModalComponent.vue’;
import { shallowRef, ref, computed } from ‘vue’;

const modalInfo = computed(() => state.modalInfo);
const componentsOnModal = shallowRef({
  modalComponent: ModalComponent
});

const childComponent = shallowRef(null);
const childProps = ref({});
const headingText = ref(‘’);
const slideupModal = ref(null);
const calledElement = ref(null);

const callModal = (componentName, headingTitle, event) => {
  childComponent.value = componentsOnModal.value[componentName];
  childProps.value = { modalInfo: modalInfo.value };
  headingText.value = headingTitle;
  calledElement.value = event.currentTarget;
  slideupModal.value.openModal();
};
</script>

この実装のポイント：
・SlideupModal は下部にポップアップ表示されるモーダル(slide-up modal) コンポーネント。
・shallowRef を使い、モーダルで表示するコンポーネントを動的に変更。
・componentsOnModal にモーダルで表示するコンポーネントを定義。
　childComponent.value = componentsOnModal.value[componentName] → ロードするコンポーネントを指定する (ModalComponent)。
　childProps.value = { modalInfo: modalInfo.value } → modalInfo データを渡す
　headingText.value = headingTitle → モーダルのタイトルを設定。
・callModal メソッドでコンポーネント名(modalComponent)・タイトル(モーダル)・props(modalComponentProps) をセット。
・slideupModal.value.openModal() でモーダルを開く。

2. モーダルの基本コンポーネントを作成 (SlideupModal.vue)

まず、モーダルの共通コンポーネント SlideupModal.vue を作成します。
このコンポーネントは、childComponent という動的なコンポーネントを受け取り、モーダル内にレンダリングする仕組みになっています。
モーダル自体はシンプルにし、<component :is=“childComponent” /> を使って動的にコンポーネントを切り替えます。

<template>
  <div :class=“{ view: isView }” @click=“closeModal()“></div>
  <div :class=“{ view: isView }” ref=“modalContent”>
    <header>
      <h2>{{ headingText }}</h2>
      <button @click=“closeModal()“>×</button>
    </header>
    <div>
      <component :is=“childComponent” v-bind=“childProps || {}“></component>
    </div>
  </div>
</template>

<script setup>
import { ref } from ‘vue’;

const isView = ref(false);
const headingText = defineProps([‘headingText’]);
const childComponent = defineProps([‘childComponent’]);
const childProps = defineProps([‘childProps’]);

const openModal = () => {
  isView.value = true;
};

const closeModal = () => {
  isView.value = false;
};
</script>

この実装のポイント：
・isView モーダルの表示/非表示状態を制御する。
・:is=“childComponent” で動的にコンポーネントを切り替え。
・openModal() と closeModal() でモーダルの表示/非表示を制御。

3. モーダルで表示するコンポーネントを作成(ModalComponent.vue)

モーダル内で表示する ModalComponent.vue を作成します。

4. 動作確認

・ボタンをクリックすると ModalComponent.vue がモーダル内に表示される。
・背景や閉じるボタンを押すとモーダルが閉じる。
・他のコンポーネントにも応用可能。

5. まとめ

この方法を使うことで、複数の異なるコンポーネントを動的に切り替えてモーダル内に表示できます。

shallowRef を活用して 動的にコンポーネントを切り替え
v-bind を使って props を渡す
汎用的なモーダル を実装可能

モーダルの再利用性を高めたい方は、ぜひ試してみてください！