こんにちは。
私は現在、東京工業大学の学士4年生です。東京工業大学では約9割の学部生が大学院に進学するので、周りの友達には就職活動をしている人はいませんでした。しかし、学部就職を検討せずに周りに合わせて大学院進学を選択するのは少し勿体ないと感じることがあります。東工大に限らず、院進がメインの大学に所属している方でも、学部就職も検討してみては?という提案を本記事ではしたいと思います。本記事の趣旨は「学部就職を推奨する」というものではなく、「学部就職という選択肢もある」というものですので、ご理解ください。また、研究者になることを検討している方は本記事のテーマの対象外なのでご了承ください。
目次
- 学部就活=学部就職ではない
- 学部就活することのメリットデメリット
- 院進することのメリットデメリット
- 本当に専門を活かしたいですか?
- 私の就活の話
- 終わりに
学部就活=学部就職ではない
大前提ですが、就活をしたからといって必ず就職しないといけない訳ではありません。就活をした結果、納得の行く内定が得られなかったり、やっぱり院進したいと思ったりしたら、就職しなければ良いだけの話です。したがって、自分の進路が決まっていないならば、とりあえずで就活を始めても良いと思います。実際に私も最初のうち(3年生の6月〜9月頃)は、殆ど院進するつもりで就活をしていました。就活をした結果、たとえ就職しなかったとしても、全てが無駄になることはありません。寧ろ、院生の時に周りよりも有利に就活を始められるでしょう。
以上の前提の上で、"学部就職"ではなく"学部就活"のメリット・デメリットを考えたいと思います。
学部就活することのメリットデメリット
私は実際に学部就活を経験しましたが、全てが良かったとは思っていません。ここでは、その経験の中で良かったこと、悪かったことを紹介したいと思います。
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メリット1:落ちても怖くない
これがメリットの大半を占めてると言っていいほど大きいです。具体的には、「最悪全落ちしても院進すればいい」とか「嫌になったら院進すればいい」といった感じで、院進を保険にできるということです。本来、大学院という研究の場を保険にするのは失礼な話ですが、そのように扱うこともできる以上、このメリットは大きいでしょう。 -
メリット2:本当に行きたい企業だけを受けられる
これはメリット1によって出来る余裕によるものですが、院進という保険がある以上、いわゆる「滑り止め」を受けずに本命の企業だけを受けることができます。浪人覚悟の受験生と同じです。実際、私は志望度が高く甲乙付けがたいと感じていた2社のみをエントリーしました。 -
メリット3:就職しないつもりでもESや面接の練習になる
もし何らかの理由があって学部就職しないという選択肢を選んだ場合でも、就活の経験は2年後に活かせるでしょう。ESを書く過程で自分の過去の人生を振り返ったり、面接を受ける中で社会に求められている能力を理解することで、大学院進学後の生活に目的意識をもって取り組めるようになると思います。
ここからはデメリットについて書いていこうと思います。
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デメリット1:大学院生と比べて専門性で劣る
当然ですが学部3,4生の段階では、研究を始めたばかり、もしくは研究室に配属すらしていないという状況です。したがって、大学院生と勝負するためには専門性以外の何かでアピールする必要があります。専門性を重視しているような企業を受ける際には、大学院生よりも内定獲得が難しいでしょう。 -
デメリット2:周りに就活仲間がいない
東工大のような大学で学部就活をしようと思うと、本当に仲間がいません。なので、自分自身で対策を進めていく必要がある場面が多いでしょう。キャリアセンターなどが支援をしてくれる可能性もありますが、やはり同じ状況に立つ仲間が少ないのは大変です。
院進することのメリットデメリット
ここでは、大学院進学後に修士として就職活動をすることのメリットとデメリットを述べたいと思います。私自身が大学院に進学していないので、経験に基づいた話ではありませんが、一般論や先輩方の話から挙げていきたいと思います。
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メリット1:学部生よりも専門性やスキルを向上させる時間がある
この点は、大学院生にとって大きなアドバンテージです。研究活動、その他のアルバイトやインターンを学部生よりも2年分多く経験できるチャンスがあります。大学院に進学するなら、こういった点で学部生に勝ることが重要でしょう。特に、専門性が活かされるような企業の選考においては、こういった経験が有利に働くでしょう。 -
メリット2:企業によっては単純に初任給が高い
一定数の企業において、学士よりも修士の方が初任給が数万円程度高いです。ただし、修士が初任給を貰うときの学士卒の給与は3年目の給与なので、初任給よりは当然高いでしょう。また、海外勤務だと学位によって割り当てられる仕事に差がある企業も一部あるようです。 -
メリット3:研究室推薦を得られる可能性が高い
これに関しては詳しい事情を知らないのですが、大学院生だと共同研究を行っている企業などから比較的容易に内定が頂けるそうです。学部生でも推薦を利用することが可能な場合もあるようですが、あまりメジャーではないでしょう。
ここからはデメリットについて書いていこうと思います。
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デメリット1:研究室によっては就職活動が制限される
一部の研究室では、あまりに忙しくて就活に注力できなかったり、教授から就活を阻まれることがあるそうです。あくまで研究室次第ですが、人生を大きく左右する就活に力を入れられないのは厳しいと思います。 -
デメリット2:幅広い業界に挑戦しにくくなる
物理的には学部生であれ大学院生であれ、好きな企業にエントリーすることが出来ます。しかし、心理的には「せっかく院に行ったなら専門性を活かさなきゃ」や「専門性以外でアピールできることがないや」といった考えから、専門外の業職種にエントリーするのを躊躇う人が少なくないようです。実際、面接で「うちのやってることとあなたの専門ってかなり離れていると思うけど、どうして?」と聞かれてもおかしくないですよね。(逆に私は、「何で東工大なのに院進しないの?」という質問に苦しみました。) -
デメリット3:企業によっては採用基準が高くなる
メリット1で述べたように、大学院生は学部生と比べて専門性やスキルの観点で有利なことが多いです。しかし、採用側からしても「修士なんだから学士より優秀だよね」といった感じでハードルが上げられている可能性があります。初任給を学士より高く設定している企業なら尚更、修士なりの能力を期待しているのでしょう。したがって、院進するからには2年前の自分と比べた時の成長があるといいですよね。
以上が、修士として就活することのメリットとデメリットです。
学士と修士、どちらの就活も共にメリットがありますね。全てのメリットを享受する方法はただ1つ、両方とも経験することです。ダブルチャンスです()
そして、日本では学士卒業後すぐに院進するのが定番ですが、学部就職後に大学院に進学するということも検討できるかもしれません。
本当に専門を活かしたいですか?
色々と書いてきましたが、この質問に対する回答によって、どちらの選択肢を取るかが決まるといっても過言ではありません。「専門性を活かさない職に就くなら何で理系にしたんだよ」という意見もあると思います。しかし、高校生の時から大学生活を経て、将来に対する価値観が変わる方が自然だと思います。私自身も、学部3年生の前半までは「絶対に自分の専門性を活かすんだ!」と意気込んでいましたが、インターンや業界研究していく中で気持ちが変わっていきました。最終的には、「理系の素養が活かせる仕事が良いな」程度の気持ちで、企業選びをするようになりました。その結果、より多くの業界や企業に興味を持つことが出来ました。
私の就活の話
具体的な業界や企業名を出すのは控えますが、私が辿った就活スケジュールや体験談を述べたいと思います。
私は、3年生の6月頃から学部就職を考え始めました。とはいっても、就職:院進=1:9くらいの感覚でした。きっかけは、スポンサー企業からの支援で成り立っているコードジムアカデミーという無料のプログラミングスクールにオンラインで入校したことでした。初めは、プログラミング苦手だから挑戦してみよう!くらいの気持ちだったのですが、いざ入校してみるとスポンサー企業の説明会や就活支援の話が舞い込んできました。正直、最初はあまり興味がなかったのですが、いざ話を聞いてみると、「この企業には意外にもこんな職種があるのか!」といった未知の情報に沢山触れられました。それを機に少しずつ就活に興味を持つようになりました。
そして、6月から就活を始めてみたわけですが、ある事実に驚くことになります。「サマーインターンの締め切りが結構過ぎてる!」という事実です。初っ端から悲しい気持ちになるのですが、締め切りが過ぎていない興味のあるインターンに1つ申し込んでみました。しかし、就活のやり方を何も知らず、誰にも頼ることなくエントリーした結果は落選。そこから少し萎えてワンデーのものを除けば、ほとんどインターンに行くことなく夏は終わりました。
しかし、これを機に対策が必要なことを自覚した私は、色々な情報を収集してESの書き方や面接対策を進めました。興味本位で適当に登録したエージェントサイトから電話がかかってきたり、迷惑メールで埋め尽くされたりして嫌になることもありましたが...
対策をした成果を出す機会が、サマーインターンの後に控えている冬インターンの選考です。この段階で志望業界はある程度固まっていたので、その業界の1社にエントリーしました。しかし、結果は落選。インターンって本当に通らないですね...
この時はかなり悔しかったですが、自分がどうダメだったのかを何となく分かるようになったのは収穫でした。(何で1社しか出さないかというと、謎に自信があったからです(??))
そんな感じであまり成功体験のないまま本選考の時期を迎えてしまいます。しかし、それまでの自分がどのように良くなかったのかは掴めていました。それは「熱意のなさ」です。やはり、心のどこかで「落ちても院進すればいいや」という気持ちがあって、それが面接官に伝わったのでしょう。そこで、このタイミングからは、一旦院進を検討せず本気で就活に臨んでみるようになりました。その結果、本選考では1社目の企業で内々定を頂けました。その会社と迷っていた企業の選考も受けていたのですが、内々定先の懇親会やオフィスツアーを経て満足していた頃に落ちました。やはり、熱意は伝わりますね...
自分語りはここまでにして締めたいと思います。
より詳しい話が聞きたい人はDMでもLINEでもしてください~
終わりに
この記事を読んで少しでも学部就活に興味を持った方がいたら、まずは色んな企業や業界について調べてみてください。思いもよらぬところでビビッと来る企業があるかもしれませんよ。
最後に良かったら、いいね・フォローして頂けると嬉しいです。
長文でしたが、ありがとうございました!