朝会のお話の前に
弊社では、新規WEBサービスの開発を去年下旬から開始しており、アジャイル開発を試行錯誤しながら取り組んでまいりました。(書籍「アジャイルサムライ」を参考にしています)
私はPM(PdMかもしれない)を務めており、仕事を進める中で様々な問題が浮き彫りになりました
- ミーティングの雰囲気が暗い!(私の話に無反応・・・もちろん私の人格が原因の可能性もある)
- 重要なことが共有されていない!(些細なことが意外と重要だったりする)
- タスクの緊急度の認識がメンバーと私で違う!
- 仕様が定まらない!
- 実装してもらった機能そのものに、仕様とのギャップが!
- テストに抜け穴が・・・
とりあえず1と2についてどうにかしたいと悩んでいたとき、「朝会」と出会いました。
(3, 4, 5についても解決の糸口が見えつつあるので、別途シェアしたいと思います。6に関しては、自動化やメンバーの意識変革など現在Try中です。)
朝会と出会ったきっかけ
きっかけは開発チームのメンバーに誘われて、ノリで参加してみた「TokyoGirls.rb Meetup vol.2」です。
「エンジニア歴3年未満の自分が参加しても何言っているか訳わからないに決まっているから、行っても意味ないでしょ」と思ってこれまでエンジニアイベントにほとんど参加しませんでしたが、実際は素敵な方たちとつながることができ、内容もすごくためになりました。イベント終了後、一緒に参加していた開発メンバーと食事に行き、「月曜からこれやろう!」といった話ができ、嬉しさのあまり泣きそうになりました
まいどるさんのパートで、プロジェクトマネジメントについてお話をしてくださり、結構な修羅場をくぐられたようでした。( https://speakerdeck.com/maidol/20191221-tokyogirlsrb )
修羅場をくぐるための一つの方法として取り上げられていたのが「朝会」でした。私自身開発メンバーとは気軽に雑談できる関係性だったものの、ミーティングの雰囲気はまいどるさんがお話しされていた修羅場に近いものがあり、さっそく朝会を試してみることに。
実施している朝会の内容
試行錯誤しながら変えていっていますが、現在は以下内容に落ち着いています。
※元々変化の経緯を書いていましたが、「こうしたほうがいい!」という意見が出たらすぐ変えているため、経緯を書くととても見づらくなったので、現状の朝会のみ書いています。
背景
コロナウイルスの影響もあり、弊社も在宅勤務となりました。
そのため、朝会についてはビデオ通話(zoom)で行っています。やはりリモートだとどうしても業務的なやり取りに限定される傾向にあるので、とにかく非業務なコミュニケーションをとることを一番重視しました。
目的
- メンバーのモチベーション確認
- 問題の早期発見
- 心理的安全性の確保(よりコミュニケーションがとりやすくなる環境づくり)
- ちなみにGoogleのプロジェクト「アリストテレス」での検証結果では、生産性を上げるチームに必要なのは、「心理的安全性」https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48137
- 朝会により生産性が上がることも期待できるのは?
- 気持ちよく一日の仕事を始める
-
リモートで寂しい思いをしないようにする(追加)
- リモートワークで誰とも会話しない日があって寂しい・・・という声が
アジェンダ
- 直近嬉しかったこと、新しい発見の共有(Good&New)
- 一人1分以内(長さは自由ですが、話す時間は決めたほうが時間を意識して話す、良い訓練になります)
- 質疑応答
参加メンバー
- 新規事業に携わるエンジニア5名、デザイナー2名、セールスチーム3名、CS担当1名、合計11名
- 現在は新規事業に携わるメンバー全員を巻き込んで開催しています。
- 人数が増えましたのでグループ分けしようと考えていましたが、やはり全員で顔合わせていきたいので、話す人をローテーションするようにしています。
開催日
- 毎日
- 元々隔日でしたが、①リモートワークに切り替えたことで寂しくなった、②デイリースクラムで顔合わせしているスクラムチームが多いという理由で変更しました。
開催時間
- 午前10時から15分間
ファシリテーター
- 参加メンバー全員でローテーション
アンチパターン
- 非難する、尋問する
- 司会者のみが話す
朝会導入する際にやるべきこと
1. 朝会の目的を伝える
最近は業界関係なく、多くの会社がミーティングを減らす傾向にあり、無駄なミーティングをなくすことを推進している記事をよく見かけます。そんな時代の流れも相まって、「何の意味があるんですか?」と疑問(不満)を持つメンバーは必ずいます。(やる意味があるか検討し無駄な会議をなくすことはとてもいいことだとは思います)
ミーティング全般に言えることですが、必ず「何を目的としている」かは、主催者から口頭で直接伝えたほうがいいと思います。
2. 他のチームも取り組んでいることを説明する
1の補足でもありますが、他社の事例や取り組みを説明すると、「自分たちもやらなければ」、「あの会社がやっているなら」といった意識を持つので、メンバーが協力的になりやすいです。最低限、あらかじめネットで検索して他社の事例を探し、「他の会社もやっているんですか?」にはしっかり答えられるようにした方がいいと思います。
私たちのケース
前述の通り、私と一緒に「TokyoGirls.rb Meetup vol.2」に参加したメンバーがいたため、朝会を始めやすかったです。
企画者以外に協力的なメンバーが事前にいるととても進めやすいです。記事の紹介よりも他社の朝会に取り組んでいる方々の生の声をメンバーに聞いてもらったほうが、よりメンバーは協力的になってくれると思います。
3. みんなでどんどん良くしていきたいことを伝える
これが本当に大事だと考えています。
ファシリテーターをローテーションするのもまさにこれが理由で、全員が朝会の運営に携わっていることを意識してもらう必要があります。
理由は、以下2つです。
1.どんどん改善していくサイクルを作れる
「こうしたほうがよくなるんじゃないか?」という課題感は、企画者一人より参加メンバーの方が持っているものです。メンバー全員が朝会をよくするという意識を持つことで、メンバー一人一人が課題→解決策を出すところまで考えてもらえるので、改善のスピードが上がります。
私たちの改善提案の例
-
@s_yasunagaが、ファシリテーターの際、「各メンバーがここ24時間以内に嬉しかったこと、新しい発見を共有しましょう!」と提案してくれました。アメリカの教育学者ピーター・クライン氏が考案したグッドアンドニューという手法です。
https://note.com/smartcamp_design/n/n6b51611f7173 - 時間も日によってばらばらで30分近くやることもあったのですが、@yosaprogが、「他の会社だと大体15分以内なので、15分以内におさまるように工夫しましょう!」と提案してくれました。
ちなみに、メンバーの提案に触発され、私自身改めて朝会をぐぐったり、他社のエンジニアの人に聞いたりしました。(始める前にやれ!という指摘はごもっとも)
2.雰囲気がよくなる
全員が当事者意識を持つことで、「やらされている感」がなくなります。すると、メンバー一人一人が「もっとよくしよう!」という意識を持つので、朝会の雰囲気がより、「気持ちよく一日の仕事を始める」という目的を達成できます。
朝会をやってみた結果
1. チーム意識が芽生えた
もちろんこれ私が勝手に思っているだけではなく、KPTの場でメンバーから上がりました!
また、朝会導入した後あたりから、メンバー間でタスクの巻き取りを自発的に呼びかける動きも見られました!
2. ミーティングの雰囲気が明るくなった
以前より全体的にミーティングの雰囲気がよくなりました!一人一人がファシリテーションをやることも影響していると思います。
とはいえ、これはもっと盛り上がれる。
3. 気軽に質問、共有できる場になった
ちょっとした疑問や些細なことを共有できる場になりました。私自身、エンジニアやデザイナーに、ビジネスの決め事や今後のスケジュール感など気軽に話せるようになったので、よりオープンな雰囲気になったと思います。
ちなみに今のところ朝会におけるデメリットは、作業時間が減るくらいしかありません
まとめ
私たちのチームのやり方を共有させていただきましたが、朝会のやり方は自由です。とはいえ、以下内容は何にしたって外せないと考えています。
- チームが何を一番重視するか考え、それを実現するために柔軟に朝会を変えていく!
- メンバー全員でチームをよくする意識を持ち、朝会についてメンバー全員でどんどん議論してみる!
アジャイルの背景にある考え方にも通じますね。
以上です!朝会が変わったら随時更新していきます!