はじめに
30 代で公務員から Web 系エンジニアに転職して 3 年目になりますが、タイトルのような自問自答をすることがあります。
『自分が考える最高のエンジニアライフプランについて紹介しよう』というテーマへの投稿ですが、今のところは最高のエンジニアライフと言うよりは、崖っぷちのエンジニアライフです。
年齢的に崖っぷち宣告を受けて 2 年半経ちますが、未だ崖っぷちという感覚は抜けません。
目次 : 3 つの自問自答
記事の内容は、職業の選択、会社の選択、スキルの選択についての以下の 3 つの自問自答を通して、これまで選んだ道の振り返り、これからのエンジニアライフプランについて考えます。
「エンジニア転職ブームにのっかって公務員からエンジニアに転職して、後悔はないの?」
→ 1. Web 系エンジニアという職業の選択
「エンジニアになってからは転職してないけど、転職は考えないの?」
→ 2. エンジニアとして身を置く環境の選択
「年相応になれるよう、限られた時間でどうスキル選択していくの?」
→ 3. 習得するスキルの選択
想定する読者
- 似たような境遇、思いの方 → 参考になれば幸いです
- 順風満帆なエンジニアライフを送っている方 → 酒のツマミになると嬉しいです
- あの頃の駆け出しエンジニアどこ行ったん?と思っている方 → 「ここにいるよ」
私について
- Web 系エンジニア 3 年目(今月誕生日で 38 才)
- 家族は妻と息子ふたり(7 才と 0 才)
- 元公務員(運輸行政 10 年)
エンジニアキャリア
- 2021.12- スマレジ入社️(SES 部署)
- 現場に入るまで研修
- 2022.3-2023.3 SES の現場 1 社目(テーブルオーダーシステムの機能改修)[1 年 1 ヶ月]
- スマレジ API まわりの機能改修(PHP, Objective-C のプロダクト)
- 機能改修の実装調査、基本設計、詳細設計の資料作成業務
- 2023.4- スマレジ関連アプリ開発業務を担当 [1 年 2 ヶ月]
- Flutter(Dart, Kotlin)でのアプリ開発を主に担当、React, Laravel の一部機能開発を担当
1. Web 系エンジニアという職業の選択
公務員のままの方が良かったな…、と思っているのか、Web 系エンジニアに転職して良かった!と思っているか、どっちなんだい、という問いです。
ちなみに私がなんで公務員からエンジニアに転職したのかですが、
エンジニアになりたい → 公務員から転職しよう!
という順序ではなく、
公務員から転職したい → エンジニアが良さそう!
という順で、エンジニア転職ブームありきの転職でした。
「正直、後悔はしました」
これまでに後悔の念を抱いたことはあります。
不安からくる後悔
公務員を辞めて、派遣社員をしながら毎日 IT の学習を継続していた時期、本当にエンジニアになれるのか?と不安になり、身につけるべき IT 知識の多さ、理解の難しさ、解決しないバグで思うように進まないとき、心の内から後悔が沸きました。
公務員のままでいたら、10 年蓄えた専門知識の上に積み上げていくだけでよかったのに!…片道切符の取り返しがつかない選択をしたんだ…と、後悔を感じてしまうことは何度かはありました。
「今は、後悔はないです」
ですが今は、後悔は沸いてこなくなりました。
選んで良かった理由、実感を得られたできごと としては以下のとおりです。
- Web 系エンジニアの仕事、IT って…面白!!…
- 自分が開発に携わった製品がお店で使われているのを目にできた
- エンジニア同士での交流が素敵
Web 系エンジニアの仕事、IT って…面白!!…
仕事では付いて行くのに必死ながらも Web アプリの開発業務は面白いと思えています。
公務員の仕事の過程で達成感やうまく行ったことで高揚感があるほどの瞬間は記憶に無いのですが、エンジニアになってからは自分にとって難しい実装ができたとき、詰まっていたエラーが解消したときなど、その度に嬉しさが込み上げます。
また、IT の学習については、興味が持てるからこそ心の負担なく継続できています。
仕事のためのキャッチアップを続けていかなければならない、エンジニアは一生勉強が必要、と言われることがありますが、それは公務員でも同じで、世の中の変化の早さに合わせて改訂されまくる法令に着いていくのは大変でした。同じキャッチアップをするなら興味を持てる IT を学べるほうが幸せです。
自分が開発に携わった製品がお店で使われているのを目にできた
自分が開発に携わった製品をお店で使っていただく、という体験を今のプロダクトで初めてできましたが、めっちゃ嬉しかったです!
実際にユーザーに利用してもらえることはモノづくりの醍醐味 だと思います。
一方、開発チームに届くユーザーの声は要望がほとんどであることも体験しました。要望を受けてユーザーの課題解決と向き合うこともやりがいには繋がっている と感じています。
「不便を解消したいという課題解決に貢献できるアプリ開発に携わりたい。その貢献を実感しながら仕事をしたい」
という思いを転職活動時の面接でも回答してきて、仕事を通して実現したいと考えています。
前職公務員で携わった業務では、社会への貢献を直接的に実感できなかったことが影響してこう思うに至ったのですが、今の業務では実現できていると思っています。
エンジニア同士での交流が素敵
イベントや Qiita での記事投稿を通して、所属組織以外の同じ職種の人とも、技術やエンジニアキャリアの考えなどを通して交流できるのはとても良い文化だと思っています。
エンジニア転職ブームありきで偶然行き着いた Web 系エンジニアですし、AI が進歩してどうなるの?という状況ではありますが、少なくとも今はこの仕事を選んで良かったと思っています。
2. エンジニアとして身を置く環境の選択
エンジニアとして 2 社目に転職する選択肢は考えてないのか、という問いです。ちなみにフリーランスは現時点では考えておらず、子どもも小さいため会社員が良いと思っています。
異業種からエンジニアに転職する方は 1 社目から転職する人がかなり多い印象です。周囲の方は、かなりの割合で転職しているため、考えることが多いです。
「今の会社でやっていこうと思っています」
私は今の会社でやっていこうと思っており、 2 社目に転職する選択肢は現状は考えていません。
今の会社でやっていこうと思っている理由 は以下の通りです。
- 携わるプロダクトが良い
- 年収などの待遇は納得
- カルチャーフィット
携わるプロダクトが良い
現在所属している会社はスマレジというレジ会社ですが、POS レジ関連のアプリ開発は、レジを必要とするすべてのお店のためのプロダクトで、世の中への貢献が見えやすいところが良いです。
自分にとってもお店での会計は身近であるため、自分事でユーザーの課題解決を考えやすく、自分にとっての仕事のやりがいにつながると考えています。
また、エンジニアを選んでよかった理由にも書いたのですが、例えば券売機のようなお店で利用いただけるアプリ開発に携わって製品がリリースされた際には、導入いただいたお店で利用されている様子をこの目で見ることができます。「この券売機を作ったんやで」と家族や友人に見てもらうことができます。
公務員の頃の私は社会への貢献を目に見える形で直接的に実感できなかったので、結果が目に見えることはモチベーションに直結する ため、重要視しています。
年収などの待遇は納得
異業種からのキャリアチェンジ組が 2 社目に転職する理由に、給与面など待遇を良くしたいというのがあると思いますが、私は現年収に理想からのギャップはあるものの、現在の実力に対する額としては納得しており、年収を理由とした転職は考えていません。
そして、一つの会社でキャリアアップをするにしても転職するにしても、エンジニアとしての市場価値を上げることで年収は上がる ことに変わりはないので、エンジニアとしての技術力を高めて市場価値を上げていきたいと思います。成長したのに納得のいく給料をもらえていないと感じることがあれば、そのときには転職して年収を上げる、という手段を改めて考えます。
カルチャーフィット
人間関係のように、会社のここは好ましいけどここは好きじゃないとかはありますけど、好ましいと思うことの方が多いかなと思います。
会社のカルチャーを感じることについて思い出したことを書いてみます。
- Slack で誰かと設計や実装の仕様のことなどについて話し合っているとき、その内容に詳しい方がメンションを付けてなくても助言をくれることがこれまで何度もあった。そういったやりとりをよく見る
- 会社を日本一のレジ会社にするんだという空気をフロアから感じる(エンジニア以外の職種の方々を含め)。自分のモチベーションにも良い影響を与えている
- 頑張ってる人にはチャンスをくれる
「求人情報は覗きます」
転職意向なし、というのは本心ですが、公務員を辞めたことに比べたら、エンジニアからエンジニアへ転職するハードルは低く感じるので、今後どうなるかは自分でもわかりません。
求人情報は覗いて、スキルシートの更新などは継続していこうと思っています。
求人を見て、どんな技術や役割が求められるのか、自分のスキルレベルではどのくらいの年収レンジなのか、というのは定期的に把握しておこうと思っています。
もし転職したら携わりたいプロダクト
もし転職したら(副業や SES でも)、どんなプロダクトに携わってみたい?という想像の話ですが、これまでの公務員としての 10 年のキャリアを活かせないか、という思いはあります。
公務員だったことが活かせたり、携わってきた運輸行政の仕事で培った専門的なドメイン知識を活かせないかと思ったりはします。
藤原和博さんの動画は私の好きな動画なのですが、ざっくり説明すると、一つの仕事を 10,000h 頑張ると、100 人に 1 人の希少性になれる。そのスキルを軸に別の仕事を10,000h 頑張ると 1/100 × 1/100 → 1 万分の 1 の人材になれる、というキャリア戦略です。
希少性のある 1 万分の 1、100 万分の 1 の人材を目指すとしたら、公務員での10年間の経験も一つの軸足として、余すことなく掛け合わせる必要がありますし、これまでのキャリアを無駄にしなくなります。
この考え方自体は頭の片隅には置いてエンジニアキャリアを選択していきたいです。
3. 習得するスキルの選択
20 代からエンジニアをしている人よりも時間は限られており、寄り道している時間がありません。遅れを取り戻すためにもどのようにスキルの取捨選択をしていこうか、という問いです。
「年相応にはなれる気がしないです...」
知識は増えて着実に成長はしているものの、理解しないといけないことも増えていき、日々実力不足を痛感しています。
年相応になることを目標としていましたが、あと 2 年で 40 才相応のエンジニアスキルを身につけるには…、はっきり言ってしまうと年相応にはなれる気がしません。仕事のできるエンジニア歴の長い同年代の方と一緒に仕事をする中で、あ、この方々のレベルに達するのは無理だ、と悟りました。
とは言え、自分を諦めたわけではありません。笑
自分のベストエフォートで成長しようとさえしていれば、歴の長い方のようにはいかなくともエンジニアとして活躍できる と思っています。年相応でないと必要とされないならそもそも採用されていないはず。
これまでのスキル選択
これまでのスキル選択は「やまてさん、Flutter やってみましょうか」と経験のない技術を使うことになっても YES マンでやってきました。任せてもらえることには挑戦して柔軟にキャッチアップしようとやってきたことで、Flutter(Dart, Kotlin) をメインで担当できて、React、Laravel も経験でき、できることの幅は広がりました。
35 才でのエンジニアキャリアスタートなのでエンジニアとしての老い先は短いため、これと決めて得意分野を尖らせたほうが良いのでは?と前は思っていましたが、携わるのがアプリ開発業務の範囲であれば、バックエンドでもフロントエンドでも、Webでもネイティブアプリでも問題ないと思うようになりました。
ただ、どれも自信を持てるほどではありません。
「まずは自信を持てる軸になるスキルをひとつ作ります」
先ほどの藤原和博さんのキャリア戦略のように、エンジニアスキル戦略としても、軸となるスキルをひとつ選んで、100 人に 1 人のスキルを獲得したいです。
これからエンジニアキャリアの軸にしたいスキル
エンジニアキャリアの技術的な軸としたいのは Flutter です。実務での経験年数は最も長い技術になり、社内のプロダクトでも利用されているケースが増えており、IT 業界としても注目されている技術の一つであるためです。
アプリ開発業務の範囲であれば Flutter 以外でも習得しようと思っていますが、「Flutter が得意です」と自信を持って言えるように、Flutter を任せてもらえるように、実務と自習でスキルアップしていきます。
年間の自習時間は 1,000h を目標
レベルが高い方が強い敵を倒せるゲームのように、スキルが高いほうが活躍でき、貢献できて仕事を楽めるはずです。
仕事を楽しむために、プライベートの時間で学習を継続します。
ちなみに直近のメインの学習方法としては、個人開発アプリを Flutter でつくろうと考えています。
あとは必読と言われる技術書を順に読んでいこうと思っています。今は『ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる!ドメイン駆動設計の基本』を読んでいます。
あとは Qiita でのアウトプットを続けていきます。
チームの中での役割
生涯プレイヤーでもありマネジメントスキルも備えたエンジニア
を理想とされている方が社内にはおられて、会社としても求めてられているエンジニア像です。
そのエンジニアキャリアを私も長期的な目標に掲げようと思っています。(この記事のシニアエンジニアの方は歴 16 年で、私の 16 年後は 54 歳ですが…)
エンジニアキャリアの目標としたときにはマネジメントスキルも無視できませんが、現在は Web 系エンジニアとして 3 年目で、プレイヤーとしてのレベルを上げるのが先… 課題は山積みですが、まずは 40 才までは少なくとも、開発業務をメインとするエンジニアとして自信の持てるスキルをひとつ以上作ることに力を注ぎたいと考えています。
まとめ
記事のまとめですが、記事に書いた中で以下をポイントにして、後悔しないエンジニアライフに近づけていこうと思います。
💡 不便を解消したいという課題解決に貢献できるアプリ開発に携わる
💡 アプリ利用を目にできるような、わかりやすく貢献を実感できる仕事をする
💡 身を置く環境は都度振り返って、どこに軸足を置くかを振り返る
💡 自習を継続して、自信を持てる軸になるスキルをまずはひとつ、早めにつくる
💡 生涯プレイヤーでもありマネジメントスキルも備えたエンジニアを目指す
おわりに
この記事では、30 代で公務員から Web 系エンジニアに転職して 3 年目の私が、これまでのキャリアと今後のエンジニアライフプランについて 3 つの自問自答を通じて振り返りました。
「君はブームにのっかって公務員からエンジニアに転職して後悔はないのか?」と問われたら、「後悔はありません」と今なら答えられます。
今後もエンジニアという職業の選択、現在の職場での働き方、そして技術力の向上について考え、後悔のないエンジニアライフを目指します。
今回の記事が、同じような境遇の方々にとって参考になれば幸いです。
ありがとうございました。