KDDI エンジニア&デザイナー Advent Calendar 2024
18日目の記事です。初アドベントカレンダーですが、どうぞよろしくお願いします。
今年は技術コミュニティ活動に参加を始めたり、自らコミュニティを立ち上げたり、プライベートでは子供が産まれたり、と非常に密度が濃い1年でした。今回は自身のエンジニア人生の中でも大きな転換期とも言えるコミュニティ活動について、自身の体験も含めて書こうと思います。
現在のコミュニティへの関わり方
社内ではクラウド関連のコミュニティがあり、今のところは毎月1回、さまざまなテーマで開催される勉強会やLT会に視聴者(現地参加含む)として参加しています。また、自ら会社本部内にコミュニティを立ち上げ、隔週1回、お昼の時間を利用して、AWSのアップデート情報や他社のAWS活用事例を紹介するラジオを実施しています。こちらは自身で資料作成から発表まで1人で実施しています。
社外では基本的に視聴者の立場ではありますが、AWSコミュニティであるJAWS-UG東京やNW-JAWSに参加しています。特にJAWS-UG東京では今年、ランチタイムLT会に登壇する機会を得ることができました。アーカイブもありますので是非ご覧ください。
Youは何しにコミュニティへ?
これまで、ベースの知識を習得しようと技術書を漁り、資格取得を目的に勉強していました。それ自体には全く後悔がなく、得られたものも多くありました。
一方で、ライフスタイルの変化に伴い、インプット一辺倒な時間の使い方が厳しくなりました。少なくとも、今までと同じように時間をかけて本を読んだり、プログラミングに取り組むことは難しくなりました。
そんな中で、自身の持っている知識や経験を外に共有していくことと、理想と現実のギャップを埋める技術の習得を目的としてコミュニティに関わる決意をしました。特に「理想と現実のギャップを埋める技術」は、書籍ではなかなか得られないため、外の世界から吸収する必要がありました。
技術コミュニティに関わるまでに誤解していたこと
コミュニティに関わってからまだ3ヶ月ほどですが、コミュニティに対して誤解していたことがありました。
誤解その1: コミュニティに参加するには、必要な知識を兼ね備えていなければならない
私の場合はAWSでしたが、世のコミュニティに参加するためにはまず知識を持っていることが必要であると思っていました。その誤解のもと、うっかりAWS認定を全冠してしまいました。
うっかりというのは冗談ですが、ベースの知識としてはそれくらいのものが求められていると感じていました。もちろん、知識があればあるほど話を理解しやすいため面白いと感じる側面はあると思います。ただ、コミュニティで必要なのは純粋にそのコミュニティで取り扱っているものが好きであること、この一点に尽きます。この気持ちさえ持っていれば知識の差は大きく問題にはならないです。(学ぶ気持ちも必要ですが!)
誤解:コミュニティに参加するには、必要な知識を兼ね備えていなければならない
今の考え:コミュニティ参加に必要なのは、コミュニティで取り扱っているものが好きであること(+学ぶ気持ちがあること)
誤解その2:コミュニティに参加する以上、登壇を全力でやらねばならない
これも大きな誤解でした。コミュニティといえば登壇する人など、話す人がいなければ、コミュニティは成り立ちません。毎週のようにどこかしらで登壇している超人もいます。
しかし、参加者0人ではコミュニティは成立しません。話す人と同じくらい参加者の存在は重要です。
参加者としてコミュニティを盛り上げるだけでなく、主催者としてもコミュニティがさらに活性化するような工夫をしていきたいと思います。
誤解:コミュニティに参加する以上、登壇を全力でやらねばならない
今の考え:聞く立場で参加すること自体もコミュニティには必要
とはいえ、「100 回の参加より 1 回の登壇」といった至言もあるほど、登壇することの価値も大きいので今後も機会があれば積極的に手を挙げたいと思います。
誤解その3:唯一無二の内容を発信しなければならない
AWSのように様々なビジネスシーンで使われている技術は、大抵のことは誰かが記事にしており大体のことは検索すれば解決してしまいます。アップデート情報を踏まえた「やってみた」系の記事もアップデート翌日には出てきます。そのため、「こういう記事書こうかなぁ」と似たような記事の有無を確認すると既に存在しており、ネタが被るからやめておこうと思うことが多々ありました。
しかし、先日社内コミュニティでネタは被ってもどんどん発信していくべき、といったお言葉がありました。理由としては、人によって発信内容が異なる(文章や細かいニュアンスなど)ため、それが刺さる相手も異なる可能性があるから、とのことでした。この言葉自体にものすごく感銘を受けました。ちょうどネタ被りでやめようとしていた内容があるので来月までに記事を書こうと思います。
誤解:コミュニティに参加する以上、唯一無二の内容を発信しなければならない
今の考え:ネタ被り上等。発信すれば誰かに刺さるかもしれない
コミュニティ活動で意識していること
誤解していたことがあった一方で、コミュニティに参加する上で意識していることがあります。
参加者の立場
オンラインのコミュニティ中は必ずコメントを残すようにしています。話す側からすると、反応があるのと無いのでは、楽しさややりがいが全く異なります。最初は躊躇いがちですが、感想レベルでも良いので一言あるとコミュニティのためになります。
また、事後のアンケートも必ず回答します。主催者への感謝の意も込めてフィードバックをしています。
主催者の立場
参加者が置いてけぼりにならないようにテーマの選定や話し方を工夫しています。特に今主催しているAWSコミュニティでは、どうしても技術的な話になりがちです。一方で、参加者全員が技術に明るいとも限らないので、なるべく理解しやすいように「そのアップデートで具体的に何が嬉しいのか」「その事例では何ができるのか」といった、ビジネス寄りの話ができるように心がけています。
ここで先ほど「学ぶ気持ちがあること」を括弧書きで書いた理由にもなるのですが、主催者としては初心者お断りにはしたくない、という気持ちがあります。あまりにも技術的な話をしすぎるとあっという間に参加者がいなくなると思っています。
もちろん、コミュニティの目的やターゲットによって大きく変わる箇所ではありますが、私のコミュニティの目的は「1 人でも多くの人にパブリッククラウド(AWS)をもっと身近に」と決めています。なので、学ぶ気持ちがあると主催者としては嬉しいですが、それ以上に、純粋に楽しんで欲しいという気持ちの方が大きいです。
コミュニティはいいぞ
元々は単純にAWSが好きで、参加・主催しているコミュニティでした。コミュニティに参加する中で、コミュニティは「好き」が集まる空間であると感じました。普段やっている業務や年代は違えど、志はきっと同じものであるはずです。コミュニティに参加することで、これまでと異なる景色が見えてくるはずです。
本記事がコミュニティに関わっている・関わりたい人に刺さると幸いです。