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認定スクラムマスター研修で、「良いスプリント」と「悪いスプリント」の両方を体験してきた。

Last updated at Posted at 2024-07-29

はじめに

株式会社アトラクタさん主催の認定スクラムマスター研修にオンラインで参加してきました。参加理由は以下の通りです。

  • 私の所属する開発チームではスクラムを導入している
  • スクラムガイドやアジャイルソフトウェア開発宣言は読んだし、スクラムにもだいぶ慣れたけど、どうせなら改めて理論を学んでおきたいと思い立った
  • 何か資格を取ろうかなという気分になった
  • 受講費用は会社が出してくれる(22万円はデカい)

その中で行ったスクラムのシミュレーションにて、いい感じに「良いスプリント」と「悪いスプリント」の両方を体験できたので記事にしてみました。スクラムとは何ぞ?とか、色々他にも学んだことはありますが、今回は上記内容について語ります。

研修概要

1日目(13:00-18:00):チーム分け/スクラムの概要説明等。
2日目(09:00-16:00):実際にスプリントを2回行う。 ←ここでの学びについて語ります。
3日目(09:00-12:00):座学中心。

実際に回したスプリントについて

1日目に割り振られたチーム(自分入れて6名。私はスクラムマスター&開発の役割でした)で、「スマホアプリの開発」を行いました。各スプリントは以下の構成となっており、プランニングからレトロまでを行い、コーディングは行わずにペーパープロトタイピングを行います。

  • プロダクトビジョン決め(10分)※初回のみ
  • バックログリファインメント(10分)
  • スプリントプランニング(5分)
  • スプリント(20分)
  • レトロ(10分)
  • スプリントレビュー(各チーム発表)

私のチームでは「ゴミ捨てがいい感じにできる」アプリを開発しました。単純に面白そうだという意見がチーム内で多かったのと、スクラムのお題としてやりやすそうだったのが、テーマ選定の理由です。

スプリント1 〜順調な滑り出し〜

スプリント1では、ターゲットと機能を以下に絞りました。

  • 東京都杉並区在住者限定
  • ゴミの日(分別ごと)がわかる
  • ゴミの分別の詳細(XXは燃えるゴミ、とか)がわかる

他のチームがアプリの画面上にいろいろなボタンや表示項目を載せているのに対して、私のチームは杉並区のホームページから引っ張ってきたゴミの分類のPDFをスクショして貼り付けただけ。
にも関わらず食いつきは上々で、スプリントレビューでは多くのフィードバックを得ることができました。(ちなみにレビュー中に知ったのですが、そもそも杉並区はゴミ分別のアプリを実はリリースしていて、しかもかなり使い勝手がいいらしい。にも関わらずフィードバックを多く得られたのは「対象が限定的でイメージがしやすかった」のが大きいと思ってます)

これに気分を良くした私のチームは、次のスプリントで暴挙に出ます。
「一気に全国展開だ!」

スプリント2 〜大きな落とし穴〜

スプリント1で多くのフィードバック、そして手応えを得た私のチームは、以下の機能を追加しました。

  • ターゲットを全国に広げる
  • 自分の住所を郵便番号入力によって登録できる
  • 郵便番号は位置情報から自動補完することもできる

機能のイメージがメンバー内で大凡揃っていたこともあり、実装自体は非常にスムーズに進み、作りながらプロダクトオーナーも「この機能いいなぁ、ほんとに欲しい!」と言っていたり、他のメンバーも「これ、あったら私も欲しいわ。みんなでこの研修終わったら作りません?」といった事を(私も含めて)言っていました。

これなら次のスプリントレビューもいい感じだ!と思い、早い者勝ちで発表できるスプリントレビューでは、いの一番に(もはやフライング気味で)挙手して発表したところ・・

全然フィードバックの声が上がらない。

スプリント1ではMeet、Slack共にいろいろな意見が上がっていたのに、急にフィードバックの声が上がらなくなりました。それに対して講師の方がなぜだかわかる?と言われ、チームメンバーは皆オロオロ。そこで正解発表が行われました。答えは・・・

広げすぎ。

今回、ステークホルダーとしてフィードバックをくれた他のチームの方々や講師陣は、スプリント1の時点では機能が限定的だったのでメリットや使い勝手のイメージがしやすかったのですが、一気に全国展開という形を取ったことでイメージがしづらくなった→フィードバックができなくなった、とのこと。なるほど。

学んだこと

この一連の中で私が一番学んだことは、
「ステークホルダーがイメージをし易いように機能の範囲を広げていくことが大事」
というのは勿論ですが、それよりも
「フィードバックの得られないスプリントほど辛いものはない」
ということでした。何かしら機能・価値のイメージが届いて、それに対して合っている・間違っているという意見があれば、それを元に次のスプリントを進められますが、フィードバックを得られない=自分たちの機能に価値があるのかを立証できない、ということになります。
その立証のためにも、日頃からステークホルダーと連携し、スプリントレビューに参加してもらう事自体が非常に重要である、という事を改めて認識できました。

学びを受けて、今後開発に活かしておこうと考えたこと

とりあえず、以下をすぐに実践したいなと考えました。全ては「フィードバックを多く得る」事を目的としています。

  • スプリントの単位を一週間単位にする(現在は二週間単位)
  • スプリントレビューに、ステークホルダーを呼ぶ
  • PBIを、機能ではなく価値の単位で起票する
  • 機能のフィードバックを、営業・コンサルにも貰いに行く
  • 上記の対応を、PO、ステークホルダーに理解してもらう

試験、どうだった?

試験についても軽く書いておこうと思います。研修の3日目は昼の12時までだったので、お昼ご飯を食べてからすぐオンラインで受験しました。

  • 試験時間は60分
  • 50問中、37問以上正解で合格
  • 選択式(4つの中から1つ正解を選ぶ)
  • 持ち込み可能

持ち込み可能ということで、スクラムガイドとアジャイルソフトウェア開発宣言を片手に、一部「これどっちだっけ・・・?」という問題についてはGoogle検索すれば、そこまで悩むことなく30分ほどで合格できました。最後の問題を解き終えた瞬間に合否が出ます(英語表示だったので、一瞬合格したのかよくわかりませんでした 笑)。
得点は2問間違いの96点で、間違えた問題もしっかり復習しておきました。

おわりに

認定スクラムマスター研修を受けてみた感想ですが、スクラムの理論を学ぶ場としては、非常に有意義な時間を過ごせたと思います。実際には実務で理論通りに行かないことも多いですが、それを知っているのと知らないのとでは大きな差がでるとも思いました。
理論は学んで終わりでは意味がないので、今後、実務に活かして行きたいと思います。

おまけ

過去には高校生の野球部マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら・・・みたいな本が流行ったり、昨今ではやたらと異世界転生モノが流行ったりしてるので、スクラムマスターが異世界転生して、スクラム使って無双する・・・みたいな物語があったら流行るんじゃないかなーと思いました。誰か書いてくれないかな(他力本願)。

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