(調査中)Mockito-inlineを使用することで、プライベートメソッドのモック化

Mockito本体では通常、プライベートメソッドの直接モック化はサポートされていませんが、Mockito-inlineを使うと特定の条件で静的メソッドやファイナルメソッドのモックがシンプルに行えるようになります。ただし、プライベートメソッドを直接モックすることは、通常設計の観点からは避けるべきことが多いので、テスト対象の公開メソッド経由でのテストを優先することが推奨されます。

以下はMockito-inlineを用いてのアプローチに関する簡単な説明です。

1. Mockito-inline のセットアップ

Mockito-inlineを使うには、プロジェクトに依存関係を追加します。Gradleの場合は次のようになります：

gragleを使う場合

testImplementation 'org.mockito:mockito-inline:4.x.x'  // バージョンは最新を指定してください

mavenを使う場合

Mockito-inlineをMavenプロジェクトで使用するためには、依存関係をpom.xmlファイルに追加する必要があります。以下の設定を行えば、Mockito-inlineを使って静的メソッドやファイナルメソッドをモックできます。

Mavenの設定
pom.xmlファイルに以下のように依存関係を追加します。バージョンは最新のものを使用してください。

<dependencies>
    <!-- Mockito Core -->
    <dependency>
        <groupId>org.mockito</groupId>
        <artifactId>mockito-core</artifactId>
        <version>4.x.x</version> <!-- 最新のバージョンを指定してください -->
        <scope>test</scope>
    </dependency>

    <!-- Mockito Inline -->
    <dependency>
        <groupId>org.mockito</groupId>
        <artifactId>mockito-inline</artifactId>
        <version>4.x.x</version> <!-- 最新のバージョンを指定してください -->
        <scope>test</scope>
    </dependency>
</dependencies>

依存関係の説明
mockito-core は Mockito の基本的な機能を提供するライブラリです。
mockito-inline はインラインモッキングを可能にし、静的メソッドやファイナルメソッドのモックが可能になります。これを追加することで、Mockitoの通常の制約を超えて利用できる場面があります。
例

<dependencies>
    <dependency>
        <groupId>org.mockito</groupId>
        <artifactId>mockito-core</artifactId>
        <version>4.10.0</version>
        <scope>test</scope>
    </dependency>
    <dependency>
        <groupId>org.mockito</groupId>
        <artifactId>mockito-inline</artifactId>
        <version>4.10.0</version>
        <scope>test</scope>
    </dependency>
</dependencies>

2. プライベートメソッドをモックするための手順

Mockito-inlineでは、従来のMockito.spy()を使った方法と似たように、スパイインスタンスを作成し、公開されているメソッドを使ってプライベートメソッドの挙動を変更することが可能です。ただし、Mockito-inlineでは直接プライベートメソッドをモック化することはできないため、PowerMockitoほどの完全な制御は行えません。

例: スパイを使用して、間接的にプライベートメソッドの挙動を変更する

import org.junit.jupiter.api.Test;
import org.mockito.Mockito;

import static org.mockito.Mockito.spy;
import static org.mockito.Mockito.doReturn;

public class ExampleTest {

    @Test
    void testPrivateMethodWithSpy() throws Exception {
        Example example = spy(new Example());

        // 注意: プライベートメソッドを呼び出す公開メソッドを利用
        doReturn("Mocked Response").when(example).publicMethodCallingPrivateMethod();

        // テスト実行
        String result = example.publicMethodCallingPrivateMethod();
        System.out.println(result); // "Mocked Response"が出力されるはず
    }
}

class Example {
    public String publicMethodCallingPrivateMethod() {
        return privateMethod();
    }

    private String privateMethod() {
        return "Original Response";
    }
}

ポイント

Mockito-inlineでスパイを用いると、公開メソッドを通してプライベートメソッドの挙動をモックすることができます。
プライベートメソッドの直接モック化が難しい場合でも、公開メソッド経由でのテストが一般的な方法です。
プライベートメソッドのモック化が頻繁に必要な場合は、クラス設計を見直すことや、テストしやすい構造を考えることも重要です。