興味
私は、レーティングに過度な期待を寄せている。レーティングがあれば、マッチングができるはずで、そうすれば適度な強さの相手と白熱した対戦ができるはずだから。
しかし、クイズという競技においてレーティングを作ることはとても難しい。
1対1対戦でなく、大会によって、ラウンドによっても1試合の人数がまちまち。しかも大会によってルールも問題傾向も違うから、有利な人が変わってくる。しかも試合数が少ないのでレーティングが安定するまでに膨大な時間がかかってしまう。
そんな中2022年1月9日に開催された「Megalomania Tokyo 2」はレーティングのテストに最適な大会だった。なぜならば、最大32試合同時進行という画期的なシステムを採用し1、1日で同一ルール、同一問題傾向の試合が254試合も実施されたからである2。
この記事では、そんな「Megalomania Tokyo 2」の結果に基づいて算出されたレーティングの概略を記載する。そしてこの記事から始まる連続記事では、計算方法を導き出した経緯や、今後どう更新していくべきかについて記載する予定である。
計算方法
レーティングはチェスのために開発されたレーティング計算方法「Eloレーティング」をもとにして計算を行った3。
各プレイヤーの初期レーティングを1500、K値を20として計算を行う。計算は、Grand FinalからW1に向かって、逆順におこなった後、その値を用いて再度W1からGrand Finalまで順方向の計算を行った(これを今後往復計算と表現する)。
逆順計算の理由
試合数が少なく、レーティング算出が困難となるのは、序盤で敗退した勝数の少ないプレイヤーである。逆順で計算を進めることにより、序盤の計算に差し掛かる時点で、勝数の多いプレイヤーが実力を反映したレーティングを既に有している状態となり、試合を適切に評価することができる。
往復計算の理由
4人参加・2人敗北の試合であるため、プレイヤーが2敗してトーナメントを完全に去る時、同時にトーナメントを去るプレイヤーがいることになる。逆順計算の時点では二人とも初期レーティング(1500)なので、この時の結果を適切に表現できていないと考えた。逆順計算で算出したレーティングをもとに再度順方向に計算を進めることで、実力を十分に反映したレーティングを作成し、各プレイヤーの最終試合を再度評価することができる。
レーティングとそれに基づくランキング
ということで、組み合わせ運がなくて早くに敗退してしまったプレイヤーを報いる目的で、1位から120位までのランキングとレーティングを掲載します。
手元にあるデータには実名を使っているプレイヤーが大半であり、またレーティング・ランキングの数字が独り歩きするのを妨げるため、プレイヤー名の代わりに最終試合とその順位を掲載する形とします。
注意点1:本レーティングは、いち参加者が勝手に計算したものです。本件に関して大会主催者への問い合わせはしないでください。
注意点2:レーティングは、計算の仮定の置き方や計算パラメーターを変更することで容易に数値が変わります。あくまでも一つの計算の結果だということを念頭に置き、数値の使用には最大限の注意を払ってください。また、過度なショックを受けないようにしてください。
なお、今後もより妥当なランキング・レーティングを求めるため検討を継続します。そうした意味でも今回の結果が完全無欠でなく、変更が生じうることをご理解いただきますよう、お願いいたします。