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なんで"準"委任契約なの?

Last updated at Posted at 2022-10-12

結論

システム開発は「法律行為」ではないから。

詳細

委任契約とは「当事者の一方が 法律行為 をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」である(民法643条)

例えば「誰かを訴訟するときにその作業を弁護士に委託すること」は、法律行為を委託しているので「委任契約」。

でも「システム開発をSIベンダに委託すること」は、法律行為以外のことを委託しているので「"準"委任契約」。

それだけのお話でした。

おまけ

請負契約と準委任契約

システム開発を業務委託するときの契約形態は大きく2つ、「請負契約」と「準委任契約」がある。
(「"準"委任契約」はあるのに「委任契約」がないことに疑問を覚えてこの記事を書いた。)

請負契約とは

当事者の一方(請負人)がある仕事を完成し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対して報酬を与える契約。

簡単に言えば、仕事のやり方は問わないけどちゃんと委託したものを完成させて納品してね、という契約。

例)

  • オーダーシステムの場合
    • ユーザ企業(注文者)とSIベンダ(請負人)の間の請負契約
  • プログラミングの再委託の場合
    • SIベンダ(注文者)と協力会社(請負人)の間の請負契約
  • 注文住宅の場合
    • 家を買う人(注文者)と、建築会社(請負人)の間の請負契約

準委任契約とは

当事者の一方(委任者)が、法律行為以外のことを相手方(受任者)に委託し、相手方がこれを承諾することによってその効力を生じる契約。

簡単に言えば、仕事はこちらの言う通りに行ってね、その結果仕事が完成しなくてもしょうがないよね、という契約。

請負契約は仕事の完成に対して報酬が生じるのに対し、準委任契約は2種類の報酬型がある。

  • 履行割合型
    • 作業を行った時間に対して報酬が発生する。(SES契約など)
  • 成果報酬型
    • 成果物に対して報酬が発生する。
    • 請負契約と似ているが、こちらは仕事の完成を義務付けられるわけではなく、善管注意義務を果たしていれば(サボっていなければ)責任は問われない。
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