#イントロダクション
####QCDの目安
Q:quality 品質 目標 良品率99.99% 誤出荷率0.05%以下
C:cost 売上高物流費4%
D:delivery納期 納期遵守率99.5% リードタイム1日
####物流業界の競争
Amazon vs 楽天に代表されるように物流領域のラストワンマイル(最終消費者に物を受け渡す最後の領域)の競争が激化
(ラストワンマイルを自社の物流サービスに取り込んだため)
Amazon→AmazonPrime 楽天→楽便
受注時にピッキング指示、配送指示、トラックの手配、在庫の有無などの効率の良い方法を瞬時に特定。
→受注から配送までのシステム化
ジャストインタイム(JIT)が重要
ものをバラバラに送るのではなく、集めて送る必要もある
####人手不足による物量コスト高 昨今の流れ
ドライバー減→共同配送(昔は他社商品と同時に送ると自社の売上がバレるなどの理由から共同配送しなかったが、昨今は行われている。 菓子業界、家電業界)
帰り便→配達した帰りはトラックに空きがある→ネットの普及により、求車、求貨のマッチングシステムが簡単になり実現
物流のアウトソーシングも昔は多かったが、物流コストの高騰から自社物流に変更するところも増えている。
####調達物流 販売物流
調達物流:原材料や部品、仕入商品などを調達する物流 → 改革は遅れている(供給業者に依存しているため)
販売物流:受注、出荷、配送、売上の請求 →改革進んでいる
####指標管理
対売上高物流費(物流費/売上高)は簡単に計算できない
→ 物流費が曖昧(会計システムで不正確な値が入力されていることが多い)
#物流とは
物流だけの効率化は意味がなく、全体をモノとして俯瞰した見方が必要。
(生産と協力しないとトレーサビリティが上がらないなど)
###調達物流
####調達物流は忘れられがち
調達物流はサプライヤーが担っているので調達の物流コストがどのくらいかはわかりづらいのが現状。
→ 仕入品の単価と調達物流費を分けて見積もり、
価格交渉をすることが物流コストを下げる良法
(2016くらいから言われているみたいなので、古いかも?)
####WMSとMES
資材倉庫保管→WMS
工程内在庫保管→MES(製造実行システム)
###販売物流
####倉庫配置
センター倉庫(工場に近い)
→地域倉庫(地域の核となる倉庫)
→デポ倉庫(お客さんに近い倉庫)
###包装・流通加工
労働力が大きい梱包と流通加工
梱包材料なども材料在庫管理を行っている。
流通加工
ドリンクを3本にまとめる、おまけを添付するなど
材料は依頼元から支給されるのが普通(一過性の製造行為のため)
###トラック
自社トラック:融通が効く
契約トラック:契約だけ
傭車トラック:上の二つで足りない場合はトラックと人を発注。値段は高くなる。
####路線便 チャーター便
契約トラックには2種類存在する
路線便:決まった区間のみを運行しているトラック
チャーター便:1社専属での借り上げ。きめ細かい配送が可能。高い。
###静脈物流(返品物流、回収物流)
通常の物流を動脈物流、返品の逆走する物流を静脈物流と呼ぶことがある。
####返品物流
誤出荷の場合:返品されたものは一度回収して、品質検査のチェックを通し、返品入庫、在庫として計上。
(医薬品:一度でも出荷されれば廃棄。入庫しない。納入先で廃棄することもあり。)
品質問題の場合:品質検査の上、原因を特定。問題を生んだ原因や原材料を特定し、トレーサビリティを実施。(ロットごとにリコールなど)
####回収物流
リサイクルやリユースをする
リサイクルを専門的に扱うリサイクルセンターが存在する。
回収品の入荷数が予めわからないのが通常とは異なる。
#物流業務の機能
物流を効率化するためには、倉庫管理と輸送管理以外に全体を俯瞰した考え方が必要。
####倉庫
現品管理:決められたロケーションに確実にものがあること。
ロット管理:工場でロットナンバーを振る。
シリアルナンバー:機械などに振られる通し番号。
####輸送
輸送モード:輸送の手段(船、トラック、飛行機)
↓
輸送料金:最初、標準タリフ(標準の輸送料金)が提示され、単価交渉をし、自社向けタリフ(正式な輸配送料金)を決定する。
(毎年変わる)
↓
配車計画:どれくらいのトラックが必要か。
####発注計算・補充計算
基本はERPで行うが、たまに注文が必要
・定期定量
・不定期定量
発注点方式:在庫10個を切ったら30個発注。
ダブルピン法:箱パレットに入っている量がなくなったら、1杯分注文。
・定期不定量
・不定期不定量
Min-Max法:minとmaxを決めてminを切ったらmax量の在庫になるように注文
####物流パフォーマンス管理
企業活動として物流を効率化することは重要。
指標各種
対売上高物流費(対売上高配送費、対売上高倉庫費)
海外にも支店などある場合
対売上高配送費(アウトバウンド輸配送費:国外への輸出 インバウンド輸配送費:輸入)、売上高倉庫費
在庫
・在庫月数
・在庫回転率
調達物流費
輸配送
・積載効率
・運行効率
#発注管理 ERP
需要計画
・統計的需要予測:移動平均、指数平滑法など
・人的需要予測:人の経験と勘
・顧客内示:顧客が事前に教えてくれる
###発注計算の方法
####所要量計算
必要な数量。販売計画が100で在庫が30であれば総所要量は100,正味所要量は70となる。
バケット:所要量計算で使用する期間。
####基準在庫計算 統計的在庫理論
基準在庫を設定し、正味所要量を計算する。
基準在庫=サイクル在庫+安全在庫
サイクル在庫:正味の必要在庫
安全在庫:サービス率×標準偏差×√調達リードタイム
倉庫では統計理論は理解し難いため、簡易に
翌々月までの数を発注することが多い。
#トレーサビリティ
トレースバック:ロットから原因を探す。MESを探す。
トレースフォワード:どの範囲に影響があるのか探す。ERPから影響顧客を探す。
###物流トラッキング
荷物が今どこにあるのか?(地域デポ?物流センター?)
さまざまな企業と管理ナンバーを共有しなければいけないため難しい。
出荷から納入先への着荷までをコントロールするアリゲータもあり、こういった企業の情報を利用したり、
サードパーティを利用したりすることがある。
#SCM
製造、保管、出荷、配送など全体を連結した売上の最大化を目指すシステム。
→必要なものを、必要な時に、必要な場所に、必要な量だけ届ける
SCMの4つの業務機能領域
①サプライチェーンデザイン
製造や倉庫の拠点をどこに置くか、輸送モードをどうするか。
②計画機能
中長期計画。予算により、設備の導入、人員確保が決まる。
③QCDSを向上させる
④SCMの改善
KPIを決め、改善していく
####モノの流れを設計するフレームワーク デカップリングポイント
デカップリングポイント:注文を受けるポイント
見込み生産→注文を受ける前に見込みで生産するため、製品の在庫から判断し、必要な量を生産する。
受注生産→注文を受けて生産開始。
デカップリングポイントを上流にすると製品が届くのが遅くなるので、どこをデカップリングポイントにするのかは重要。
####販売在庫の層別配置
受注生産や見込生産まで踏み込まなくても、製品在庫の受注ポイントを変えることでSCMを作り替えることができる。
①下記の階層を定義
客のそばで即納を行うデポ
デポを統括し、デポに補充する配送センター
配送センターを統括し、配送センターへ補充を行う地域配送センター
供給の元となるグローバルセンター
②サービスレベルの定義
例:デポは数時間のリードタイム、DCからデポは毎日補充、RDCからDCは毎週、GCからRDCは月二回など
③在庫の層別
即納要求が高い、出荷頻度が高い場合は、デポ
顧客許容リードタイムが長ければGCなど
####S&OP PSI計画
S&OP:販売計画を起点に生産計画、調達計画、商品仕入計画、人員計画、能力計画を立案する業務。
PSI(仕販在計画):販売計画を起点に、在庫計画を行い、仕入計画を行う業務。
(生販在計画)販売計画を起点に在庫計画を行い、生産所所要量計画を立案する業務。
S&OPのプロセス5つ
①企画・開発新製品計画、終売計画の共有
↓
②需要計画:需要予測にキャンペーン計画や新製品、終売計画を組み込み、販売計画を立案する。
↓
③供給計画:数量の計画、向上稼働率の維持の可否、向上利益計画
↓
④生販在計画:在庫計画や販売計画に供給が追いつかない場合の計画。在庫計画や販売計画を調整し直す。
↓
⑤調整結果と財務の数字を社長やマネジメント人にわたし、承認をもらう。
#TMS
基本は配車と運行管理
配車計画
積みつけ計算:積載効率を最大化させる
車組:ルート別のトラックに割り付けをする
運行管理
###配車計画の機能
①出荷予定、出荷指示情報の取得
②出荷予定、出荷指示の登録 インポート
③輸配送所要量計算
荷の荷姿から容積換算や重量換算を行い、所要台数を計算
④車組み
トラックを方面別、納入先別で割り付ける。
台数が不足していれば傭車を発注する
⑤積み付け計算
荷姿マスターから荷の容積と重量を割り出し、自社のトラックに積み付け。
③の積載効率の概算よりも積載効率が高ければ、トラックの台数を減らせるため再度トラックの手配を行う。
※3次元シミュレーションや、積み上げ時の上下の強度などから要件定義が難しく、人に頼ることも多い。
⑥最適ルート計算
⑦輸配送計画の可視化
ガントチャートなどで輸配送の時間帯や積載効率を確認。→改善
⑧輸配送指示、オーダーの発行
配車計画が終了したら、輸送の指示をする。
###運行管理の機能
①デジタル、タコメーターからの運行実績情報の取得
②デジタル、タコメータの運行実績登録
③日報作成
事故、違反、特注事項
④運行実績の可視化
⑤データのダウンロード
#その他
####流通加工
製造→物流
・検品 アパレルでは検針(まち針があるか検品する)をすることが多い。
・キャンペーンに合わせたセット組
・冷凍保管商品の解凍
流通→物流
・値札の付け替え
・ラベル添付