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自己紹介

rotelstift(卜部一恵)と言います。
現在精神障害者手帳2級を持ちながら、Web系のバックエンドプログラマとしてアルバイトをしています。
この記事は、『 ITと障害者 』を考える 〜 障害と向き合うITの力と工夫 〜 Advent Calendar 2024の21日目の記事です。
私が精神障害を持ちながらプログラマになった経緯や、プログラマになってからメンタルとどのように付き合いながら仕事をしてきたのかといった話をしたいと思います。

プログラマになったきっかけ

元々はプログラマになることを希望しながら、大学の情報系学部に進学しました。
そこでプログラミングの基礎を学び、順調にいけば学部卒でプログラマとして新卒就職していたと思います。しかし、大学に入ってから次第にメンタルの調子を悪くしていき、学業も振るわなくなり、精神科に行ったところ統合失調症との診断が下りました。
それからは薬を飲みながら大学に通いましたが、授業に出ても幻聴のためほとんど内容が理解できなかったりするなどして結果2年の留年をしました。それでもなんとか卒業にだけはこぎつけましたが、卒業後は実家に帰って療養生活をすることになります。

2年ほどの療養ののち、実家の近くで仕事を探して社会復帰を試みますが、なかなかうまくいかず1年前後での離職を繰り返します。その過程でもう健常者として働くのは無理だと悟り障害者手帳を取りましたが、障害者枠でも長期間勤務はできませんでした。
何度目かの離職の後、就労移行支援センターに通うことを決心しました。そこでまだ働けるほどの回復をしていないことを悟り、2年ほどかけて週5日半日ほどの外出ができるところまで体調を回復させました。

それから、友人の紹介でスクリプトを書ける人に依頼したいという仕事を受け、ここで人生初のプログラムを書く仕事を体験します。
そしてその仕事がきっかけで、あるWEB系のベンチャー企業でアルバイトができることになりました。
そこでは、障害者手帳を持っていることや勤務は医師と相談の上1日6時間の時短で週4勤務にさせてほしいことなどを伝えましたが快く容れていただき、プログラマとしての仕事を始めることができました。
それから一度の転職を経て、今もアルバイトのプログラマとして1日6時間週4.5日の仕事をしています。

プログラマになってからの困難

プログラマとして働き始めてからの1番の困難は、決められた日に確実に出勤することでした。就労移行センターに週5で通うことができていても、やはり仕事とは違う面があります。月に2、3日は体調を崩して休んでしまうことが度々ありました。

また、病気とは直接関係はしないのですが、私には人の顔と名前を覚えるのが苦手という傾向があるのですが、これは Slack ベースのテキストコミュニケーションが主だったため、大変助かっている面があります。

仕事をする上でのメンタルとの付き合い方

まず大事なのは、メンタルが悪いときのサインを見過ごさないことです。
私の場合、頭に自分を攻撃する考え(幻聴)が聞こえるときは、あまり無理をしないようにしています。また、風邪などで体力が落ちているときはメンタルもつられて悪くなるので、そういうときも無理はしないように気をつけています。

また、本当に基礎の基礎ですが、処方されているお薬はちゃんと飲みましょう。
薬の効き具合に関して医師に相談して自分に合う薬を探すフェーズだと飲めないこともあるかもしれませんが、飲む薬が落ち着いたフェーズに入ったなら、ちゃんと毎日薬は飲んだほうがいいです。

また、自分について把握するのも大事です。
特に自分が体調を崩してしまう状況について把握をするのが大事です。そうした状況が分かったら、上司にちゃんと伝えておきましょう。上司としてもこちらのパフォーマンスが落ちないようにしたいはずなので、そうした情報があるとそれなりに打つ手ができるはずだからです。

統合失調症の自分がプログラミングを仕事として選んで良かったこと

仕事の相棒であるコンピュータは怒らないし機嫌を損ねないことです。もちろんエラーは出してくるし、よく分からない理由でうまく動かなくなり再起動をかけることでなぜか直ることもあるのですが、それがコンピュータに感情があってそれを損ねたのが原因であることは決してないからです。
よく、メンタルが安定している人を頼るといいと言われることがありますが、そういう意味で言うとコンピュータは最強にメンタルが安定している存在と言えます。
そして相棒のコンピュータには気を遣わなくて済むので、そこで節約した対人スキルを一緒に仕事をしているチームの仲間に全振りすることができます。

また、テキストベースのコミュニケーションが主なのもありがたいです。
自分は普通に喋っていると、結構噛んでしまったり誤解を招く失礼な言い方をしてしまうということがそれなりにあるのですが、テキストベースのコミュニケーションだと実際に考えたことをキーボードで打ち出しそれを投稿するまでにワンステップあるので、もっといい言い方はないかと考える時間があります。それにとても助けられています。

最後に

一度職場を変わっていますが、プログラミングの仕事は始めてから5年が経とうとしています。
昔と比べると体調が良くなっているという要因もあるとは思いますが、それでもひとつの仕事をこんなに長く続けられることができているのは、本当に嬉しいことです。
これからも、この仕事を続けられるといいと思っています。

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