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ロンバーグ積分とリチャドソン補外

Last updated at Posted at 2019-05-15
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応用数学研究~数値積分(6章)

ロンバーグ積分とリチャドソン補外


誤差評価

今回はロンバーグ積分とニュートンコーツ法を利用して、プログラムを組み誤差を評価する


ロンバーグ積分とリチャドソン補外

今まで考えてきた、Newton-Cotes法とは違う考え方を使います。
定積分 $ \int_{a}^{b} f(x) dx $ を $n = 2^i$ 分割し、Newton-Cotes法の台形則で求めた値を$t^{0}_{i}$と表す。

T^{0}_{i} = h_{i} \sum^{2^i-1}_{m=1}f(x_m)+h_{i}\frac{f(a)+f(b)}{2}\\\
h_{i} = \frac{b-a}{2^{i}} 

すると、 $ T^0_0,T^0_1, \cdots $ となり、理論的には $ i \rightarrow \infty $ とすれれば厳密な値に収束しますが、実際は累積誤差が生じるためそのような結果にはなりません。


ロンバーグ積分のアルゴリズム

T^{j}_{i}=\frac{4^jT^{j-1}_i-T^{j-1}_{i-1}}{4^j-1}\\
n = 2^{i}

によって外装を行い$T^{n}_{n}$を求める
リチャドソン補外を用いて補外をしている。


補間法と補外法に関して

補間は二点間の間の点を埋めるようなものであるが、補外は二点間の領域外の点を埋めることである。


リチャードソン補外の概論

非常に申し訳ないが、いろいろな本でロンバーグ積分に関して調べたが、ほとんど資料が見つからず、概説しか話すことができない。

具体的には、台形公式に関して考えてみる。刻み幅をhとし、誤差は非常に大雑把に言って$h^2$になるはずである。(教科書の台形則の誤差参照)
つまり、刻み幅が$h_1,h_2$のに種類を取ったとすると、誤差は共通な定数Cを用いて、以下のように書ける。(ここが、厳密な証明でない)

e_{h_1} = Ch^{2}_1\\
e_{h_1} = Ch^{2}_1

と書ける。


言い換えると積分の近似値を$S(h)$で表すと、真値$S$を用いて

S(h_1) = S + Ch^2_1\\
S(h_2) = S + Ch^2_2

と表すことができる。
この式からSを求めようとすると、上式を変形すると

h^2_2S(h_1) = Sh^2_2 + Ch^2_1h^2_2\\
h^2_1S(h_2) = Sh^2_1 + Ch^2_1h^2_2\\
(上の式から下式を引いて、一つにまとめる)\\
h^2_2S(h_1) - h^2_1S(h_2) = Sh^2_2 - Sh^2_1\\
S = \frac{h^2_2 S(h_1) -h^2_1 S(h_2)}{h^2_2 -h^2_1}

とすると、真値が定まる。


この議論は誤差が$h^2$に対し1次式で表せると考え、$h \rightarrow 0$での積分の値を求めるわけである。

まあ、誤差を$Ch^2$と仮定しているのが厳密には正しくないので、真値は求まらない。

ここで、Nevilleのアルゴリズムを使う。

申し訳ないが、Nevilleのアルゴリズムついて調べようとしたら、詳しく乗っている文献が見つからず今回は、補外法に関しての説明はここまでにしていただく。


プログラムと誤差評価

以下の表は真値から近似値を引いた絶対誤差を表している。
$$
\int _{0}^{1} \frac{1}{1+x^2}dx = \frac{\pi}{4}
$$
となっており、今回は$\frac{\pi}{4}$との絶対誤差を表している。

4種類の方法と真値からの絶対誤差に関して、以下のように表にした。


分割数 Retangle Trapezoidal Simpuson Romberg
$2^0$ +2.85e-01 +3.54e-02 +2.06e-03 +7.85e-01
$2^1$ +1.02e-01 +1.04e-02 +6.01e-06 +3.54e-02
$2^2$ +3.65e-02 +2.60e-03 +3.78e-08 +2.06e-03
$2^3$ +1.29e-02 +6.51e-04 +5.91e-10 +1.31e-04
$2^4$ +4.58e-03 +1.63e-04 +9.24e-12 +1.72e-06
$2^5$ +1.62e-03 +4.07e-05 +1.44e-13 +2.92e-09
$2^6$ +5.74e-04 +1.02e-05 +2.33e-15 +1.21e-11
$2^7$ +2.03e-04 +2.54e-06 +4.44e-16 +1.75e-14
$2^8$ +7.18e-05 +6.36e-07 +2.22e-16 +1.11e-16
$2^9$ +2.54e-05 +1.59e-07 +3.33e-16 +7.77e-16
$2^{10}$ +8.97e-06 +3.97e-08 +8.88e-16 +1.11e-16
$2^{11}$ +3.17e-06 +9.93e-09 +1.78e-15 +1.44e-15
$2^{12}$ +1.12e-06 +2.48e-09 +2.11e-15 +2.55e-15
$2^{13}$ +3.97e-07 +6.21e-10 +1.11e-16 +2.78e-15

下のグラフは上記の表をグラフ化したものである。

reference


次の表はどの分割数で誤差が最小になったのかを考慮する。

Retangle Trapezoidal Simpuson Romberg
$2^{13}$ $2^{13}$ $2^{8}$ $2^{8}$

誤差評価でe−15~e−16はIEEE754の64bitの浮動小数点では仮数部が52bitのため桁数に直すとっだいたい、15から16桁くらいである。そのため丸め誤差が生じるため、simppusonとRombergは、たかだか$2^8$の分割数で収束したと考えられる。


最後に、$f(x) = \sqrt{1-x^2}$より$ \Pi $を求める。
実際の誤差のグラフは下記のようになる。


参考文献

1.数理解析研究所講究録第889巻1994年26-36 加速法とその漸化式表現 東京大学工学部物理工学科 降旗大介
2.わかばテクノロジー-Romberg積分
3.Richardsonの補外-D. Laurie, “The SIAM 100-Digit Callenge”, SIAM
4.プログラマーの為の数学勉強会-中村晃一
5.外挿法
6.WolframMathWorld-Neville's Algorithm
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