🚀 RAG(Retrieval-Augmented Generation)を用いたファインチューニングの方法
📌 はじめに
近年、LLM(大規模言語モデル)の活用が広がる中、**RAG(Retrieval-Augmented Generation)**を用いることで、より精度の高い情報検索と回答生成が可能になります。RAGは、単なるテキスト生成ではなく、外部データベースからの情報取得と組み合わせて回答を生成する手法です。
本記事では、RAGの概念を理解し、Pythonを使ってRAGをファインチューニングする方法を詳細に解説していきます。📖✨
🎯 RAGとは?
**RAG(Retrieval-Augmented Generation)**とは、検索(Retrieval)と生成(Generation)を組み合わせた手法であり、通常のLLMよりも文脈理解が強化されます。
📌 RAGの特徴:
- 🔍 外部知識の活用:事前学習データにない情報を取得して活用。
- 🧠 文脈理解の向上:関連情報を検索し、それに基づいた自然な回答を生成。
- 🚀 ファインチューニングの容易さ:特定のドメインに最適化が可能。
💡 RAGの動作フロー:
- 質問を受け取る(ユーザー入力)
- 検索エンジンで関連情報を取得(外部データソースへのクエリ)
- 取得した情報を元にLLMが回答を生成(Retrieval + Generation)
🛠️ 必要なライブラリのインストール
まずは、PythonでRAGを構築するための必要なライブラリをインストールしましょう。
pip install transformers datasets faiss-cpu torch sentence-transformers
📌 ライブラリの用途:
-
transformers
→ Hugging Faceの事前学習済みLLMを利用。 -
datasets
→ データセットの管理と読み込み。 -
faiss-cpu
→ 高速なベクトル検索を行うためのライブラリ。 -
torch
→ PyTorchを用いたモデルのファインチューニング。 -
sentence-transformers
→ 埋め込み(ベクトル化)を行うモデル。
🏗️ ステップ1: データの準備とベクトル化
RAGでは、検索用データセット(ナレッジベース)をベクトル化する必要があります。
from sentence_transformers import SentenceTransformer
import faiss
import numpy as np
# 埋め込みモデルのロード
embedding_model = SentenceTransformer('all-MiniLM-L6-v2')
# 検索対象のナレッジデータ
documents = [
"量子コンピュータは、従来のコンピュータとは異なる計算方法を持つ",
"人工知能(AI)はデータから学習し、人間のような判断を行う",
"ニューラルネットワークは機械学習の一種であり、多層構造を持つ"
]
# テキストをベクトル化
document_embeddings = embedding_model.encode(documents)
# ベクトルをFAISSのインデックスに追加
d = document_embeddings.shape[1] # 次元数
index = faiss.IndexFlatL2(d) # L2距離を用いた検索インデックス
index.add(np.array(document_embeddings))
🔹 このコードの動作:
-
SentenceTransformer
を使ってテキストを埋め込み(ベクトル化)。 -
FAISS
を用いて、高速な類似検索を行うためのインデックスを作成。
🔎 ステップ2: クエリ検索と関連情報の取得
次に、ユーザーの入力(クエリ)に対して、関連する文書を検索します。
# クエリ(ユーザーの質問)
query = "AIの仕組みについて教えて"
query_embedding = embedding_model.encode([query])
# FAISSで類似検索
distances, indices = index.search(np.array(query_embedding), k=1)
retrieved_doc = documents[indices[0][0]]
print("🔍 検索された関連情報:", retrieved_doc)
🔹 このコードの動作:
-
query
を埋め込みベクトルに変換。 -
FAISS
を用いて、最も関連性の高いドキュメントを検索。 -
retrieved_doc
には、検索結果の文書が格納される。
🤖 ステップ3: LLMを用いた回答生成
検索した情報を元に、LLMを使って回答を生成します。
from transformers import pipeline
# 事前学習済みのLLMをロード
generation_model = pipeline("text-generation", model="facebook/bart-large-cnn")
# 検索結果を元に回答を生成
input_text = f"質問: {query}\n参考情報: {retrieved_doc}\n回答:"
generated_answer = generation_model(input_text, max_length=100)[0]["generated_text"]
print("🤖 生成された回答:", generated_answer)
🔹 このコードの動作:
-
facebook/bart-large-cnn
モデルを利用し、RAGを実現。 - クエリと検索結果を組み合わせ、回答を生成。
-
max_length=100
により、適切な長さのテキストを出力。
🎯 ステップ4: RAGモデルのファインチューニング
独自のデータセットを用いて、RAGをファインチューニングする方法を紹介します。
from transformers import Trainer, TrainingArguments
from datasets import load_dataset
# 独自データセットのロード
dataset = load_dataset("json", data_files={"train": "data.json"})
# 学習用設定
training_args = TrainingArguments(
output_dir="./rag_model",
per_device_train_batch_size=2,
save_steps=10_000,
save_total_limit=2,
logging_dir="./logs",
)
trainer = Trainer(
model=generation_model,
args=training_args,
train_dataset=dataset["train"],
)
# モデルのファインチューニング
trainer.train()
🔹 このコードの動作:
- JSON形式のカスタムデータセットをロード。
-
Trainer
を使ってモデルのファインチューニングを実行。
🎉 まとめ
✅ RAGを活用した質問応答システムの構築!
✅ FAISSを用いた高速検索の実装!
✅ LLMをファインチューニングし、精度向上!
🔮 次のステップ:
- より高度な検索エンジン(Elasticsearch, Pinecone)を統合。
- AIエージェントと組み合わせたRAGの自律型システム。
📢 今後の発展に向けて、一緒に学びましょう!🚀