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基板発注でJLCPCBを使ってみた

Last updated at Posted at 2024-06-14

初めに

産業技術高等専門学校品川キャンパス高専ロボコン研究部はJLCPCBのスポンサーを受けています。
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JLCPCB JAPAN公式X :

JLCPCB公式X :

自己紹介

こんにちは産業技術高等専門学校品川キャンパス高専ロボコン研究部です。普段は高専ロボコン大会に向けて活動しています。今回はJLCPCBを利用して基板発注をしたのでその紹介をしようと思います。

著者の環境

CADソフト : EAGLE ver9.6.2 education
この記事は2024/05/20に作成されたものです。現在と異なる箇所がある場合があります。

そもそも基板発注とは

弊部では主に基板を作る方法が三種類あります。

  1. ユニバーサル基板
  2. 切削基板
  3. 発注(外部作成)基板

以下に大まかな違いを表した表を用意しました。参考にしてください。

層数 シルク印刷 標準価格(一枚あたり)[円] 基板作成時間(基板本体の用意のみ) サイズ[mm]
ユニバーサル基板※1 1層~2層 不可 ¥60~¥4200 0時間 10×10~340×281
切削基板※2 1層~2層 不可 ¥319~¥1507 2時間~5時間 ~200×350
発注(外部作成)基板※3 1層~20層 ※¥63~¥378 2日~12日,※4 10×10~660×475

※1 ユニバーサル基板の値は秋月電子通商を参考にしています。
※2 切削基板の値はサンハヤト株式会社オンラインショップを参考にしています。
※3 発注(外部作成)基板の値はJLCPCBの値を参考にしています。(標準価格は5枚発注するときの一枚あたりの価格です。)
※4 送料,配送時間を含まず

以上のようにメリットとデメリットがそれぞれにあります。基板を作成したいときは使い分けましょう。

JLCPCBとは

基板発注をしてくれるサイトです。弊部ではJLCPCBのみを使用しています。
日本限定で新規登録者に$60クーポンを配布しているようです。ぜひご利用してみてください。

基板自体の精度もいいので大会出場時の基板はほとんどJLCPCBに作成してもらった基板を使用しています。最近はDHLを使えば5~7日ほどで届くようになってより利便性が向上したので弊部での使用頻度も上がりました。

発注の仕方

1.以下のサイトでアカウントを登録します。

2.アカウント登録が完了したら早速発注する準備をしましょう。
著者はEAGLEを使っているので(学校から[.ac.jp]などのメールアドレスが与えられている人は登録をすれば無料で使えます。)今回はEAGLEを使って発注する前提で手順を説明します。
EAGLEはそのままだとJLCPCBにファイルを渡しても発注することができません。なので変換用のCAMファイルを使います。

このリンクに飛び,自分のEAGLEのバージョンにあったCAMファイルを選択し,ダウンロードしてください。
CAMファイルの使い方は省略します。

3.データをアップロードする
CAMを使って.zip形式に変換が完了したら,以下のURLに飛んでガバーファイルを追加から先ほど作成した.zip形式のファイルを選択してください。

そうすると自動的に層数や,寸法などが入力されると思います。

4.仕様に合わせて設定する
ここでは主に使うところのみ説明します。説明しない値もあります。

名前 説明
ベース素材 FR4(ガラスエポキシ)が標準で選択されていると思います。これは仕様に合わせて変更してください。
PCB数量 基板の枚数です。枚数は5枚から発注することができます。
異なるデザイン 同じ基板にVカットなどで数種類の基板を載せることができます。
PCB厚さ 基板の厚みです。0.8mmと1.6mmがよく使用されます。
PCBカラー 基板の色を変更できます。基本的には無料ですが,色や層数,サイズによって有料になる場合があります。
発注番号の削除 基本的には基板にJLCPCBのエンジニアが選択した場所にシルク印刷されますが,"JLCJLCJLCJLC"と設計時に基板に記載し,<オプション:場所の指定>を選択することで任意の場所にシルク印刷することができます。

<ステンシル>
基板に手はんだで実装できないパーツや,表面実装のパーツがとても多い時に使います。ペーストはんだというハンダを使い,ステンシルに合わせて塗り,焼くことでパーツを実装することができます。基本的にリフローと呼ばれていますが,実装が非常に楽になります。また,一枚あたりの金額が1000円ととても安いのも特徴です。

5.発注する
ここまでできたらカートに入れましょう。安全な決済を選択して発注していきます。
まず,住所登録の画面が出てくると思います。住所登録は自分の住所に合わせて登録してください。
次に配送業者を選択する画面に移ります。最も安い条件だと"OCS NEP"で¥150くらいです。(一番安い条件だと基板5枚で送料含めて¥500を切ります)
最も早い配送業者だとDHLです。ただ,金額が上がってしまうので自分の財布と相談しましょう。
次は支払いのタイミングについての画面に移ります。一番上を選択すると支払いをファイルチェックの前に行います。下のを選択するとファイルチェックをした後に支払いをする方法です。支払いをファイルチェックの前に行った方が早いですが,心配な人はファイルチェックをした後に支払った方がいいでしょう。
最後に,支払いする方法の選択画面に移ります。支払い方法はそれぞれにあった方法を選択しましょう。クーポンなどを使うこともできます。
"支払う"を選択すると発注の手続きが完了します。あとは届くのを待ちましょう。

6.実際に発注した基板
今回は高専ロボコンの大会で使用するIM920slを使用した自作コントローラー用の回路を作成しました。

dspic.png

メインのマイコンにはdspic33ep512mua810を使用しています。ロボット操縦用に18個のボタンとジョイスティックを2つ載せておりこれらのデータをIM920slのデータモードで送信するためにUARTのデータに変換し送信しています。

power.png

電源はデバック時用のDCジャック、1セルのリチウムイオンバッテリー、9V電池の3つの電源から選べるようにしています。

リチウムイオンバッテリーはUSBtype-Cで充電できるようMicrochip technology製の単セル用リチウムイオン充電コントローラーMCP73831を搭載しています。

これらの入力はDCジャックが5V、リチウムイオン電池が約3.7V、9V電池が9Vとなっているため、3.3VレギュレータNJM2845DL1-33を使用してマイコンの駆動電源の3.3Vにしています。

switch.png

このコントローラーのスイッチにはチャタリング防止回路が組み込まれています。
この回路のようにキャパシタ、抵抗、シュミットトリガを使用することでチャタリングを防止しコントローラーのボタンの読み取りの誤動作を減らしています。
アナログスティックはx軸とy軸にそれぞれ可変抵抗が付いておりその出力の電圧からスティックのx軸方向とy軸方向のそれぞれの傾きを検出する仕組みになっています。
このアナログスティックの出力の電圧はアナログの電圧なのでマイコンで子の電圧を読むにはAD変換を行い、デジタルのデータに変換する必要がある。
メインマイコンとして使用しているdspic33ep512mu810には12bit逐次比較型A/Dコンバーターモジュールを搭載しておりマイコン内でアナログデータをデジタルデータに変換することが可能なため、この回路ではアナログスティックの出力をそのままマイコンに入力している。

im920sl.png

このコントローラーではインタープラン社製の920MHz無線通信モジュールのIM920slを使用してロボットとの通信を行っています。今回は無線機のデータモードを使用してUARTのデータを送信します。また、このモジュールが正常に動作しているかや送信動作を行えているかを確認する用のLEDを実装しています。

他にもAチームが使用する予定のメイン基板の作成も行いました。
IMG_3739.jpg

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