概要
この記事では、MacでRuby、Railsを使用してアプリ開発をする度に必要となる環境構築の流れについて説明します。
なお、「Homebrew」と「rbenv」のインストールについては、アプリ開発をする度に必要となる作業ではないため本記事での説明は省略し、すでに「Homebrew」と「rbenv」のインストールが完了していることを前提に環境構築の流れを説明します。
Ruby, Railsのバージョン
今回構築する環境は、以下のバージョンです。
- Ruby 2.6.6
- Rails 6.0.3.6
Rubyの環境構築
「rbenv(アールビー・エンブ)」とは
複数のバージョンのRubyを管理することができ、簡単に切り替えることができるツールです。
例えば、1台のPCで複数のRailsアプリを作成する場合、アプリごとに使用するRubyのバージョンが異なることがあります。そういった場合に、rbenvを使用することでRubyのバージョンを簡単に切り替えることができます。
1. 現在インストールされているRubyの一覧を確認する
まず、現在インストールされているRubyのバージョンを確認するために、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ rbenv versions
このコマンドを実行した際に、適用したいRubyのバージョン(今回であれば2.6.6)が表示された場合は、すでにインストールされているため、「4. Rubyのバージョンを適用する」に進んでください。
2. インストールできるRubyのバージョンを確認する
現在インストールできるRubyのバージョンを確認するために、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ rbenv install --list
3. Rubyをインストールする
今回はバージョン2.6.6のRubyをMacにインストールしたいので、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ rbenv install 2.6.6
インストールが完了したら、正常にインストールされているか確認するために、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ rbenv versions
今回インストールした2.6.6が表示されていれば、正常にインストールが完了しています。
4. Rubyのバージョンを適用する
ここまでのコマンドはどのディレクトリで実行しても問題ありませんでしたが、ここから紹介するコマンドは実際に作業するディレクトリ上でコマンドを実行する必要がありますので、どのディレクトリにいるか確認しながら作業を進めてください。
ターミナルでRubyのバージョンを適用したいディレクトリに移動し、現在そのディレクトリに適用されているRubyのバージョンを確認するために、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ ruby -v
このコマンドを実行した際に、「ruby 2.6.6」と表示された場合は、すでにそのディレクトリにバージョン2.6.6のRubyが適用されているので、「Railsの環境構築」に進んでください。
このコマンドを実行した際に、「ruby 2.6.6」と表示されなかった場合は、バージョン2.6.6のRubyを適用するために、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ rbenv local 2.6.6
※なお、rbenv local x.x.x
の代わりにrbenv global x.x.x
のコマンドを実行すると、全てのディレクトリでバージョン2.6.6のRubyがデフォルト値として適用されるように設定することができます。
このコマンドを実行した後に、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ rbenv rehash
バージョン2.6.6のRubyが適用されていることを確認するために、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ ruby -v
このコマンドを実行した際に、「ruby 2.6.6」と表示されれば、Rubyのバージョンを適用することができています。
Railsの環境構築
1. 現在インストールされているRailsのバージョンを確認する
現在インストールされている(適用できる)Railsのバージョンを確認するために、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ gem list rails
このコマンドを実行した際に、バージョン6.0.3.6のRailsが表示された場合は、すでにバージョン6.0.3.6のRailsがインストールされているので、「Railsアプリケーションの作成」に進んでください。
2. Railsをインストールする
今回はバージョン6.0.3.6のRailsをMacにインストールしたいので、以下のコマンドを実行します。
$ gem install rails -v 6.0.3.6
Railsアプリケーションの作成
1. Railsアプリケーションを新規作成する
Railsでアプリケーションを新規作成する際は、rails new アプリケーション名
のコマンドを使用します。
なお、アプリケーションを作成する際に、Railsのバージョンや使用するデータベースを指定することができます。
今回は、カレントディレクトリ上に、バージョン6.0.3.6のRails、データベースにMySQLを使用したアプリを作成することを例に、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ rails _6.0.3.6_ new . -d mysql
※「.」はカレント(現在の)ディレクトリという意味です。
現在のディレクトリに適用されているRailsのバージョンを確認するために以下のコマンドを実行します。
$ rails -v
このコマンドを実行した際に、「rails 6.0.3.6」と表示されれば、バージョン6.0.3.6のRailsでアプリを作成できていることを確認することができます。
2. データベースを作成する
アプリケーションのデータベースを作成するために、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ rails db:create
3. ローカルでRailsサーバを立てる
Railsサーバを立ててローカルでアクセスするために、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ rails s
Railsサーバの起動後、Google Chromeなどのブラウザを開いてURL欄に「localhost:3000」と入力してアクセスすると、Railsサーバが起動していることを確認することができます。
なお、ターミナル上で「control + c」と入力すると、Railsサーバを止めることができます。
以上で、Ruby, Railsの環境構築は終了です。