こんにちは。この度令和6年秋期データベーススペシャリスト試験(以下、DBS)を受験したので、今回は(記憶が新しいうちに)当日までの学習の記録を残したいと思います。合格発表後、合否に関わらず結果報告の別記事を作ろうかなと思っています!
【2024/12/27追記】
昨日結果発表があり、無事合格していたため素点などを5章に記載しました。
1. 受験の背景
私の所属する会社はデータ活用のシステム構築・運用支援を行なっており、データベースに関する知識とスキルが必須となっています。私は今年度新卒で入社し、新卒研修中に受けた2つの試験に合格できたため「部配属後の3ヶ月間の工数をDBS学習にあてていただける」という選択肢がありました。
まずは知識・スキルを高めたいという思いと、業務と並行して上位資格の勉強を続けるのは本当に大変という経験談も聞いていたため、この機会を活用してDBSの合格を目指すことにしました。
2. 勉強方法
2-1. 教材
①TACのデータベーススペシャリスト本科性プラスコース
こちらは会社の方で購入・手続きしていただきました。最初に進研ゼミみたいにボックスで教材一式が届き、なんだか懐かしい思いになりました。教材は様々にありましたが、主に使用したものは以下になります。
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講義動画(全16回+公開模試解説2回)
学習の最初のインプットに使用しました。特に後半は実際の午後試験問題を使った解法の解説になっており、実際にどう考えながら解き進めていけば良いかの道標になりました。 -
直近3年分の過去問題
実際に冊子になっている状態で演習ができるので、より本番に近い状態で細かな戦略を練ることができました。(午後試験はページ数が多く行ったり来たりするので、概念図のページは定規を指して開きやすくしておくなど。)解答用紙も本番に近い形状となっていた点が良かったです。 -
実力テストと公開模試
午後試験に明確な点数が出るので重要視しました。公式では配点が発表されないので、模試の配点を参考に過去問演習でも点数を独自設定して仮得点を算出していました。やはり数字で結果が出ることで「どこを優先して復習すべきか、本番で時間が足りない場合に捨てるか」など指針を立てやすくなりました。 -
リファレンスBOOK
過去問演習をメインで行なっていましたが、散在していた知識を整理するため8月後半ごろから活用していました。ある程度演習を重ねることで広がっていた各項目のヨコ方向の理解(例えばトランザクションの制御方法)を、リファレンスBOOKを読むことでタテにもつなげる(DB設計全体の中での位置付けを明確にする)ことができました。
②データベーススペシャリストドットコム(+応用情報ドットコム)
午前試験は主にこれらを使用しました。まずは年度ごとに直近8年分演習を行い、直前に不安な部分を分野別に復習しました。午前Ⅰは最後の詰めとして応用情報ドットコムも使って分野別演習を行いました。午前試験はこれらで十分対応可能だなと思います。
③『情報処理教科書 データベーススペシャリスト 2024年度版』
過去問が22年分ダウンロードできるという一点のみで購入しました。実は②の存在を知ったのが購入後だったので要らなかったかなと後悔しかけましたが、午後試験のしっかりとした解説が載っていたので活用できました。解説に加え解答用紙もついていたので、概念設計の問題は助かりました。ただ記述問題は小問ごとに適当なサイズの枠があるだけなので使いづらかったです。(あと結局直近8年分しか解きませんでした...)
2-2. 学習スケジュール
全体の学習期間は8~10月の2ヶ月ちょいでした。スケジュール感は以下のようになります。インプットの時間は最小限に抑え、ほとんどの時間は演習に費やしていました。各ステップについて以下に詳細を記載します。
2-2-1. インプット+実力テスト
教材としては①を使っていました。講義動画は7月から順次配信され8月以前も見ていたこともあり残り分を消化する形でサクサク進めました。新卒研修時に基本情報試験を受けたこともあり、午前試験に必要な基本的知識はあったことも助かった点です。午後試験の解き方に注力してインプットを進めることができました。ほぼ演習経験のない状態でしたが、提出期限もあったので次に実力テストを実施しました。難易度も過去問よりは低いので、過去問演習への橋渡しとしてちょうど良かったと思います。
2-2-2. 過去問演習+公開模試
本番前日まで問題を分配して8年分全ての過去問演習を行いました。やはり最初はとにかく午後試験の時間が足りないので時間制限なしで解いていましたが、会社の先輩の助言も受け本番と同じ時間枠での演習(以下、全日程)も取り入れました。以下のようにレベル分けして徐々に速度と精度を上げられるよう設計しました。(どのレベルに何年度を使うかは正直適当です...)
時間制限 | 午後Ⅰ選択 | 対象年度 | |
---|---|---|---|
レベル1 | なし | 1問ずつ | R5 |
レベル2 | あり | 1問ずつ | H28 |
レベル3 | あり | 2問連続 | H29, H30, R2 |
レベル4 | あり | 2問連続(全日程) | R1, R3, R4, 公開模試 |
基本的に1日あたり午後問題2問程度で分配し、週1ぐらいで午前問題の日を作りレベル1~3は消化していました。(以下、一例)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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R5午前 | R5午後Ⅰ問1,2 | R5午後Ⅰ問3,午後Ⅱ問1 | R5午後Ⅱ問2 | (予備) |
レベル4(全日程)は公開模試を合わせ4回分を実施でき、体力や休憩時間の使い方、配分をシミュレーションすることができました。ちなみに全日程は2週に1回ぐらいのペースで配分し、社内業務がない日を狙って行いました。また、ここで選択しなかった午後問題は別日に単問で消化しました。
直しは丁寧に行い、設問としての考え方に加え、解いているときにどのようなアクションが足りていなかったか、どのように改善したら良いかなども見直しました。(大学受験以来にたくさんノートを取りました...)
2-2-3. 知識整理+弱点復習
過去問演習も半分ほど進んだ段階で、①のリファレンスBOOKを読み知識整理を始めました。前述の通り分野ごとのイメージはある程度深まっていたため、データベース設計という全体像に沿って横断的に体系化することができました。例えば「データ中心アプローチ」など概念的な用語の区別が曖昧だったので、このタイミングで知識面に安心感を持つことができ良かったです。
また午前試験の過去問は概ね終わっていたため、演習を怠って直前で得点が落ちないように分野別演習を行いました。特に午前Ⅰは意外と不安が大きかったため、ネットワークやセキュリティなど必須分野を中心に行いました。
3. 学習期間の所感
2ヶ月ほどの学習期間を終え、まずは工数として学習時間を設けることができ本当にありがたかったなと思いました。10月の2週間は案件作業も並行していましたが、就業後の学習との両立は精神的・体力的に大変でした。今回の機会を活用する選択をしたことは正解だったなと感じます。
また、学習全体も比較的計画通りに進めることができました。過去問も22年分ありましたが直近8年分をしっかりやりこむことを優先できたことは良かったかなと思います。(逆に8年分は必須だとも感じました。)弱点復習でも午前Ⅰの内容はどれだけやっても知らないことが出てくるので焦ることもありましたが、一呼吸おいて「これ以上は深追いしない」と判断できました。非常に内容の多い試験勉強でしたが、無理に詰め込まず「やるべきことのスコープを絞れた」ことが結果的に良かったなと思います。
先輩の助言で取り入れた全日程の演習も効果的でした。腰は重いですが長時間の勝負に慣れることは当日に「いつも通り」の気持ちで臨むためには必須だと思います。(他の1時間程度で終わる試験がめちゃめちゃ楽に感じる追加効果もあります。)
4. 試験を終えての所感
上述の通り無理をせず、万全の状態で当日を迎えることができました。試験自体は、自己採点まで午前Ⅰが最も不安の残る状態でした。午前Ⅱは安定しており午後試験も「いけるかも?」という感触だったので、午前Ⅰで落ちていたらどうしよう...という不安がありましたが、夜に自己採点をした結果ひとまず午前試験は大丈夫そうで安心しました。午後試験はクセのない典型的な出題で、ベストを尽くせたので後はなるようになれという思いです。
一方で午前ⅠではDNSに関する問題が2問ほどあり、弱点復習の時に「本番までに調べておこう」と思い結局調べきれていなかったので、とても悔しい思いをしました。また、休憩時間はⅠ、Ⅱ間で30分あるとなっていましたが、実際は問題配布などで10分ほどしか立ち歩けなかったので、意外と次々と進んでいく印象でした。後は結構集合時刻に遅れる人が多いなと...笑
これだけ書いていて落ちていたら恥ずかしい限りですが、勉強方法だったり経験談は誰かのお役に立つかもしれないので共有させていただきました。
5. 試験結果
点数は以下のようでした。午後試験は手応え以上の点数で正直びっくりしましたが、しっかり勉強の成果をぶつけられたのでよかったです。今年の中では大きなイベントの一つだったので、安心感と達成感を持って2024年を締めくくれそうです...!
大学受験以来、久しぶりにハードな試験だったので「もうしばらくはいいかな...」と思いつつ、ネットワーク周りの技術は身につけたいと思っているのでネスペはそのうち挑戦したいです。
今回は以上となります。長文ご覧いただきありがとうございました!