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エンジニアが持つべきビジネス思考①市場規模とは

Last updated at Posted at 2017-10-09

はじめに

  • エンジニアであまりビジネスサイドの話が出来る人がいないのがもったいないと感じる機会が多くなりました
  • エンジニアは基本的に頭がよく、地頭も良い人が多いと思いますので、よりビジネス思考を強めれば結果的に良いプロダクトの開発に繋がると私は考えています
  • そんな人々に、ビジネスを理解し、自分の仕事の領域を広げるきっかけを与えるのが目的です
  • 初回の今回はビジネスする上で基本の、市場規模を調べる・試算する方法についてお伝えします

市場規模とは

業界や商品など、特定分野における市場の大きさ

市場の大きさと言われてもよく分かりませんし、正確な値を出すのは大変難しく、
大抵は国家の各省庁や民間の調査団体から推定値が発表されています。

では、この市場の大きさとは何を表すのでしょうか。

簡単に言えば、

1年間での総売上金額

です。

市場規模はどう調べるのか

このように省庁や民間の調査団体がレポートを出している市場規模ですが、
自動車・鉄道・鋼材等の大きな市場は財務省や経産省がレポートを出しています。
(これらは基本無料で見る事が可能です)

ただ、民間の調査結果に関しては、有料な場合があります。

数万円くらいするので、会社で調べるには問題ないですが、個人的に少し気になる市場の市場規模を調べるにはハードルが高いです。

ただ、安心して下さい。
ざっくりですが、市場規模を自分で計算する事が可能です。
就職面接で出てきたフェルミ推定よりも遥かに簡単な方法で。

市場規模を自分で算出する方法

  • 1社の売上高とシェアから算出
  • 市場上位プレイヤーの売上高の総和とシェア
  • 顧客数 x 顧客単価 x 頻度

練習として、カーシェアリング業界の市場規模をざっくりと算出してみます。

国内のカーシェアリング企業は現状大きく4社あります。

  • Times Car Plus
  • careco
  • Orix Car Share
  • Earth Car

これらを元に算出してみましょう。

1社の売上高とシェアから算出

まずはTimes Car Plusの1年間の売上とシェアを出してみます。
このサービスは、パーク24という駐車場運営会社のサービスですので、
この会社の決算から売上を調べます。

2016年10月決算の決算説明書から見ると、Times Car plusの年間売上は約186億円です。

(因みに、17年10月の予測では235億と、126%成長予定と書かれていました。本当は17年の4半期毎の売上を見ながら達成可能かを見てみると面白いですが、時間の関係で割愛します)

では、シェアをどう調べるか。

とりあえず、カーシェアのビジネスモデルから、会員数を元にシェアを割り出して見ようと思います。

サービス 会員数 シェア
Times 72万人 74.15%
Careco 5.7万人 5.8%
Orix 17万人 17.5%
Earth Car 2.4万人 2.47%

先程、Times Car Plusの年間売上が186億円でしたので、シェアを元に市場規模を出してみます。

【業界総売上】 x 74.15% = 186億円
【業界総売上】 = 186億円 / 74.15%
業界総売上】=250.84億円

この算出方法によると、日本国内のカーシェアリングビジネスの市場規模は250億円程度であることが分かります。

(因みに、直接的なライバルになりそうなレンタカー業界は、おおよそ5-6000億円程度の市場規模ですので、カーシェアリングの伸びしろはかなり大きいと考えられます)

市場上位プレイヤーの売上高の総和とシェア

今回のカーシェアリング業界の場合は、上位プレイヤーが4社だったので、上記の算出方法と変わらないと思いますので割愛します。

顧客数 x 顧客単価 x 頻度

これも、正確に、顧客あたり利用単価が分かれば出せますが、おおよそ、売上 / 会員数で、顧客1人あたりの単価を出してみます。

Timesの場合

【顧客1人あたりの単価】 = 186億円 / 72万人 = 25833円

こんなに使われるかな・・・という感じがありましたが、1ヶ月単位で考えると2000円ちょっとで、全体で馴らしたら妥当な感じかなという印象です。

では、この顧客1人あたりの単価から、業界全体の会員をかけ合わせて、市場規模を出してみます。

【市場規模】 = 25,833円 x (72万 + 57.万 + 17万 + 2.4万) = 25,083,843,000円

約250億円という結果になりました。

最初に出した方法と同じ結果になりました。

結果

調べてみると、矢野研究所という所がカーシェアリング業界の市場規模を報告しているようでしたが、ちょうどメンテナンス中で見れませんでした。。

ただ、他のサイトの情報を見ると、2014年に154億円で、2020人は295億円という予測があるとの記載もありあました。

故に、2016年で大体250億円という市場規模は妥当な数値だと思います。

考察

今回は、Times Car plusが圧倒的なシェアで、次ぐ2位のOrixが頑張り、3,4位のcarecoとEarth Carが食らいつくような構図が見れました。

Times Car Plusは元々Timesという駐車場を運営しており、その空きスペースを使う事で、駐車場の売上を下げる事なく、カーシェアで一気にシェアを取ってるような状況でした。
TimesやOrixは車両台数の増加や、会員数の増加をめざし、Carecoは他社にはないラインナップで差別化したり、Earth Carはフランチャイズ展開もして、駐車スペースを持て余しているオーナを増やすなど、独自戦略で上位に勝負を掛けている姿が見れました。

このように、業界の市場規模やシェアが見えてくると、業界全体の課題や、各社がどのような戦略を取っているかが見えてきます。
自社に当てはめて考えてみると、まずは客観的に自社がどこに位置しており、どのような戦略を取るべきなのかが見えてくるかと思います。
面白いので是非自分の業界でもやってみると良いかと思います。

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