LoginSignup
3
0

More than 1 year has passed since last update.

Kubernetes on Amazon EC2 環境構築編 ~新人がやってみた(1)~

Last updated at Posted at 2022-01-06

このシリーズは、入社1年目の新人がEC2上にKubernetes環境構築を色々試行錯誤して、上手くいった手順をまとめたものです。

はじめに

本シリーズは、EC2上にKubernetesクラスターを構築する環境構築編(本記事)と
KubernetesクラスターにPodやServiceなど5つのリソースを作成するリソース作成編、
最後に、KubernetesクラスターにElasticSearchとKibanaを導入する運用監視編の三部構成になっています。

この記事ではEC2上にKubernetesクラスターを構築するまでの手順を書いてます。
リソース作成編や運用監視編の記事は、以下になります。

※この記事は手順に焦点を当てているので、Kubernetesに関する用語の詳細な説明は省略しています。

目次

全体的な作業の流れ
0.本記事で構築する環境について
1.Kubernetes on Amazon EC2環境構築に必要な事前準備
2.Kubernetes on Amazon EC2環境構築

全体的な作業の流れ

この記事で行う作業の全体的な流れは、以下のようになってます。

  1. EC2を3台起動させます。(Master1台、Worker2台)
  2. 全ノードにDocker、kubelet、kubeadm、kubectlをインストールします。
  3. Masterノードでkubeadmを初期化して、Masterノードの設定をします。
  4. Workerノードをクラスターに追加します。

0. 本記事で構築する環境について

本記事では、新人が勉強の目的で構築した手順を紹介するため、シンプルな構築になっています。
Masterノード1台、Workerノード2台で全3台構成のKubernetes環境を構築します。
コンテナランタイムはDockerを使用します。
kubernetes on aws3.png

使用したものは以下になります。

  • docker-CE 19.03.6-ce
  • Kubernetes v1.20.1
  • Flannel v0.13.0-rc2

1. Kubernetes on Amazon EC2環境構築に必要な事前準備

事前準備では、EC2インスタンスとセキュリティグループを作成します。

※EC2を作成する前に、VPCとパブリックサブネットを作成しておきます。

1. EC2インスタンスを作成します。
本記事ではAMIにAmazon Linux2を選択しています。
インスタンスタイプはt2.medium以上の性能を選択してください。
※Kubernetesを導入するのに、メモリ2GB以上、2CPU以上が必要なためです。
https://kubernetes.io/ja/docs/setup/production-environment/tools/kubeadm/install-kubeadm/

2. MasterノードとWorkerノードで開くポートが異なるため、セキュリティグループを2つ作成します。
Masterノードにアタッチするセキュリティグループは以下のように設定してください。

ポート番号 用途 アクセス許可元
6443/TCP Kubernetes API VPCのCIDR
2379,2380/TCP etcd server client API VPCのCIDR
10250/TCP kubelet API VPCのCIDR
10251/TCP kube-scheduler VPCのCIDR
10252/TCP kube-controller-manager VPCのCIDR

3. Workerノードにアタッチするセキュリティグループは以下のように設定してください。

ポート番号 用途 アクセス許可元
10250/TCP kubelet API VPCのCIDR
30001-30003/TCP Node Port Service 自PCのIPアドレス

2. Kubernetes on Amazon EC2環境構築

本章では、大まかに以下の流れで環境構築をしていきます。
1. 必要なモジュールをインストール(Dockerやkubeletなど)
2. kubeadmを使用して、Masterノードを構築
3. kubeadmを使用して、Workerノードを構築し、クラスターに追加

事前準備で作成したEC2インスタンスに接続します。
以下のように、接続するインスタンスを選択し、「接続」を押下することでEC2インスタンスに接続できます。
本記事ではEC2への接続に、AWS Systems Managerを使用しています。
図4.png

2-1. (全ノード)Dockerのインストール

まず、全ノードにDockerをインストールします。
(1)デフォルトでインストールされているパッケージをアップデートします。

$ sudo yum update -y

(2)amazon-linux-extrasコマンドを使用して、Dockerをインストールします。

$ sudo amazon-linux-extras install -y docker

(3)インストールが終わったらDockerを起動し、EC2インスタンスを再起動しても、Dockerが自動で起動するように設定します。

$ sudo systemctl start docker && sudo systemctl enable docker

2-2. (全ノード)kubelet、kubeadm、kubectlのインストール

Kubernetes環境を構築するのに必要なモジュールをインストールします。
(1)kubelet、kubeadm、kubectlをインストールするためにレポジトリを作成します。

$ sudo vi /etc/yum.repos.d/kubernetes.repo
/etc/yum.repos.d/kubernetes.repo
[kubernetes]
name=kubernetes
baseurl=https://packages.cloud.google.com/yum/repos/kubernetes-el7-x86_64
enabled=1
gpgcheck=1
repo_gpgcheck=1
gpgkey=https://packages.cloud.google.com/yum/doc/yum-key.gpg https://packages.cloud.google.com/yum/doc/rpm-package-key.gpg
exclude=kube*

(2)kubelet, kubeadm, kubectlをインストールします。

$ sudo yum install -y kubelet kubeadm kubectl --disableexcludes=kubernetes

※SELinuxが有効の場合、SELinuxを無効化してから上記コマンドを叩いてください。

$ setenforce 0

(3)kubeletを起動させ、EC2インスタンスを再起動しても自動で起動するようにします。

$ sudo systemctl enable kubelet && sudo systemctl start kubelet

2-3. (Masterノード)kubeadm

kubeadmを初期化して、Masterノードの設定を行います。
この手順は、Masterノードのみで行ってください。

(1)kubeadmを初期化します。
実行結果の最後に、以下のような文が表示されるので、kubeadm join ~の一文をコピーしておきます。
(後で、Workerノードをクラスターに追加するときに使用します。)

$ sudo kubeadm init --pod-network-cidr=10.244.0.0/16
  (省略)
  Then you can join any number of worker nodes by running the following on each as root:
  kubeadm join MaserノードのプライベートIPアドレス:6443 --token トークン番号 --discovery-token-ca-cert-hash sha256:XXXXXXXXXX

(2)非rootユーザがkubectlコマンドを実行できるように、以下のコマンドを叩きます。

$ mkdir -p $HOME/.kube
$ sudo cp -i /etc/kubernetes/admin.conf $HOME/.kube/config
$ sudo chown $(id -u):$(id -g) $HOME/.kube/config

(3)flannelをデプロイします。
※falnnelとは、Kubernetesクラスターのネットワークモデルを構築するプラグインの1つです。

$ kubectl apply -f https://raw.githubusercontent.com/coreos/flannel/master/Documentation/kube-flannel.yml

(4)STATUSがReadyになっていることを確認してください。

$ kubectl get nodes
  NAME      STATUS   ROLES                   AGE    VERSION
  master    Ready    control-plane,master    5m     v1.20.1

2-4. (Workerノード)クラスターにWorkerノードを追加

kubeadmを使用して、WorkerノードをKubernetesクラスターに追加します。
この手順は、クラスターに追加する全Workerノードで行ってください。

(1)kubeadmの初期化の(1)でコピーしておいたkubeadm join ~の一文をペーストし、root権限で実行します。

$ sudo kubeadm join MasterノードのプライベートIPアドレス:6443 --token トークン番号 --discovery-token-ca-cert-hash sha256:XXXXXXXXXX

(2)Workerノードがクラスターに追加されたことを確認します。

$ kubectl get nodes
NAME      STATUS   ROLES                    AGE   VERSION
master    Ready    control-plane,master     14m   v1.20.1
worker1   Ready    <none>                   11m   v1.20.1
worker2   Ready    <none>                   11m   v1.20.1

これで、Kubernetesクラスターの構築が完了です。
次は、構築したKubernetesクラスター上にpodやserviceを作成していきます。
Kubernetes on Amazon EC2 リソース作成編(今後公開予定)

あとがき

なぜEC2上にKubernetes環境を構築したのかというと、新人研修後にAWS、コンテナ技術などを勉強していると、先輩に「AWS上にKubernetes環境を構築したら、AWSとKubernetesの勉強が一緒にできるね」とアドバイスを頂き、やってみたという流れです。

AWSもKubernetesも分からなかった当時の私には、EC2の作成やクラスターの構築方法が分からず困りました。
その中でも特に苦労したのは、EC2のセキュリティグループの設定でした。
セキュリティグループで設定しなければいけないポートがどこなのかが分からず、大変でした。


※商標類について:
- Amazon Web Services、“Powered by Amazon Web Services”ロゴ、[およびかかる資料で使用されるその他のAWS商標]は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
- DockerおよびDockerロゴは、Docker Inc. の米国およびその他の国における登録商標もしくは商標です。
- KubernetesおよびKubernetesロゴは、The Linux Foundationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
- その他記載されている会社名、製品名はそれぞれ各社の商標および登録商標です。

3
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
0