はじめに
この記事では、私がプログラマとしてゲーム業界を目指した理由と、そのために取り組んできたことについてお話しします。あくまで一例にすぎませんので、「ふーん、こんな人もいるんだな」くらいで読んでいただければと思います。
自己紹介
2026年卒でゲーム業界に入社することが決まった者です。北海道のゲーム育成学校に入学し、主にUnity・C#を使用していました。いままで制作したゲームは7本ほどで、そのうちの2本でゲーム業界に挑みました。
自分の特徴
小さい頃からモノづくりや機械をいじるのが大好きで、小学校の自由研究でも作文やレポートは一切せず、木材でピンボールを作ったり、レゴで金庫を作ったりしていました。車やトランスフォーマーのような機械が動くのを見るだけでも楽しく感じる、根っからの“機械好き”です。もちろんゲームも大好きで、幼稚園の頃からPS2・Wii・DSで遊び倒し、夜更かしが当たり前の幼少期を過ごしていました。
なぜゲーム業界に行ったか
高校3年生の頃、機械を触りたかったということで情報系の授業を受け、情報処理検定(Excelを使う検定)を受けて1級まで取りました。授業の後半、時間が余ったのでExcelのマクロやVBA(プログラミング)を使った簡単なゲーム制作に挑戦。これが、私が「ゲームを作るって面白い!」と感じ、本格的にゲーム制作を志すきっかけとなりました。
自分がゲーム業界入るまでに取り組んだこと
スタート
ゲーム作りをスタートさせるとなったときに、いろいろ方法はあると思います。
- 独学で学んでいく
- 学校で学んでいく
- 仲間を集めて学んでいく
色々あると思いますが自分はその中でも学校を選びました。
理由は単純で、独学でゲームを学んでいくには時間が掛かりすぎるのと、学校に入ったら仲間がいると思ったからです。ほかにもゲームを作る環境があること、企業さんとつながれる可能性があると考えたのでゲーム育成学校に入学しました。
学校の進み方
私が入学した学校はすべてゲーム作りというわけではありませんでした。
1年生
前半はゲーム作りよりも、主に基本情報技術者試験の勉強をしてIT全般やネットワーク・アルゴリズムなどの授業を受けていました。
後半にブロック崩しや2Dアクションのゲームを制作し、ゲーム作りの基本を学びました。
ここで重要なのは基本情報を受けていて非常に役に立ったことです。特にアルゴリズム(科目B)の問題で学んだ条件分岐・ループ・再帰処理といった基礎知識は、ゲーム制作の土台となりました。
※基本情報技術者試験ドットコム午前問題より抜粋https://www.fe-siken.com/fekakomon.php
後半では本格的にゲーム作りがスタートし、ブロック崩しや2Dアクションを制作いたしました。初めてゲーム制作する方に関しては既存のゲーム(ファミコンとかくらい)を制作するのをお勧めします。いきなりオリジナルゲームを作ろうとすると、仕様やアイデア出しに時間がかかり、挫折しやすいと思います。私自身も、UnityとC#を通して基礎をしっかり固めることができました。
2年生
2年生では前半チーム開発で後半就活になりました。私の学校では5月にチーム編成をして9月後半までチーム制作し、良い作品であれば学校代表作品として東京ゲームショウへ出展することになっています。
6月くらいに選考があり、それに向けて必死に制作した記憶があります。
私も選考に向け、必死にゲーム制作に取り組みました。そして、選考に通った7月以降、本当の地獄が始まります。
夏休み?そんなものはありません。
一般の人は毎日お休みフィーバーだと思いますが...
こんな感じになり、平日は学校に登校して21時まで作業していた記憶があります(最悪の場合朝まで先生と一緒に...)
さらに、途中からプログラマ兼ディレクターという役職になりました。ディレクターとしての業務は初めてで、企画寄りの仕事に戸惑うことも多かったですが、先生やチームの支えもあり、最後までやり遂げることができました。
つらいことも多かったですが、その分クオリティの高い作品を作り上げることができたと思います。代表作品の中でも特に完成度が高いと自負していますし、この経験を通じてたくさんの技術を身につけることができました。
東京ゲームショウへの出展が終わると、いよいよ就職活動がスタートします。
私の学校では
- どんなゲームを作るか決める
- (1)含めチャレンジする技術を決める
- 作品制作(コードレビュー+ブラッシュアップ)
- ポートフォリオ制作
- 企業応募
これを繰り返していきます。
提出作品は別ジャンルで3作品用意するのが理想です。企業は特定のジャンルのみを作ってることが少ないので、幅広く制作していた方が良い印象をもらえると思います。(「絶対にこのジャンルがいい」という本気度を出せるのであれば特定のジャンルに絞ってもいいと思う)
もっと細かく流れを説明すると企業説明会やインターンなどがあります。
企業説明会はその企業の経営理念やビジョンの他、社内の制度や雰囲気なども説明してくれる機会でもあるので積極的に参加しましょう。質問する時間が絶対にあるので事前にホームページをみて、気になる点やわからない部分をピックアップしておくといいと思います。
企業の応募はパイプラインのように5社くらい同時に応募するのがいいです。基本的に一社応募してから内定を頂くまで早くて3週間ほどかかるので、結果を待っていると一か月に一社とかになってしまいます。
また、何度も落ちるようであれば作品やポートフォリオ・ESの見直しなどを行った方がいいです。
企業さんに提出したゲームのお話
提出したのは、
- 3Dアクションゲーム
- リズムアクションゲーム
の2本です。
私は「作りたいゲーム」よりも、「挑戦したい技術」が先にあり、それに合わせてゲームを設計しました。プログラマとして技術を広げたかったためですが、これはあくまで一つのやり方です。企業さんによってはゲーム性や面白さを重視する場合もあるので、応募先に合わせて作品を選ぶことが重要です。
3Dアクションゲーム
東京ゲームショウに出展した作品です。UnityのHDRPを使用したことにより、チームの作りたいかっこいい作品につながったと思います。HDRPを使用していることによって、処理負荷などに苦戦した部分がありますが、プログラマそれぞれが処理負荷について考えてくれたおかげで重すぎるゲームにはなりませんでした。
リズムアクションゲーム
就活作品として技術面で挑戦した作品です。クラス設計に注視して、拡張性や柔軟性を考えました。技術面としては成長できた作品だとは思いますが、ゲーム性やクオリティがとてもひどいので、就活作品になるかとても怪しかったです(たぶん書類で落ちまくった理由だと思う)
その他のゲーム
他にも就活作品や個人で制作したゲームはありますがどれも未完成で終わってしまいました。スケジュール管理などができておらず、期間内に完成できないという状態になったので気をつけてください...
合格直前の話し
内定が出る直前、かなり焦っていました。
クラス内で他の3人が先に内定をもらい、自分は書類すら通らない状態。面接でも1社目は不合格。メンタル的にもきつかったです。
ですが、あきらめずに落ちた原因を分析し、改善した結果、2社目の面接で無事内定を頂けました。
まとめ
私のような例でも、ゲーム業界に入ることは可能です。
基礎をしっかり学び、地道に作品を作り、反省と改善を繰り返すことが何より大事だと思います。
これからゲーム業界を目指す方の、少しでも参考になれば嬉しいです。
おまけ:基本情報技術者試験はマジで役立ちます
ゲーム制作に関係ないと思いきや、メモリ管理やアルゴリズムは直結します。
ゲーム業界を目指すなら、取っておいて損はない試験だと思います。
てかとれるなら取りましょう。