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ブラウザ間で3Dシーンを同期: localStorageとThree.jsの革新的活用

Last updated at Posted at 2023-12-06

Xでおもしろいアプリケーションを見つけたので紹介します。
https://github.com/bgstaal/multipleWindow3dScene
1.gif

Three.jsとlocalStorageを使って、複数のブラウザウィンドウ間で3Dシーンを同期することで実現しています。
どのようにコードが書かれているか、重要な部分を抜粋して紹介していきます。

3Dシーン
複数の3Dモデルや環境要素(例えば光源、カメラ配置、背景など)を組み合わせた、より包括的な立体的な表示環境のこと

基本的な処理の流れ

  1. ウィンドウの初期化:

    • 新しいウィンドウを作成し、既存のウィンドウと同期させます。
    • 同期は、localStorageに保存された状態情報を共有することで行われます。
  2. 3Dシーンの初期化とレンダリング:

    • 3Dシーンを設定し、レンダリングします。
    • ウィンドウのサイズが変更されると、シーンは自動的に更新されます。
  3. 状態の同期:

    • localStorageを介して、ウィンドウ間で3Dシーンの状態(例えば、カメラの位置やシーンのオブジェクトの配置)が同期されます。

実装の詳細

※「3Dシーンの初期化とレンダリング」の実装についてはThree.jsの知識がほとんどなので省きます。

ウィンドウの初期化

	// initiate current window (add metadata for custom data to store with each window instance)
	init (metaData)
	{
		this.#windows = JSON.parse(localStorage.getItem("windows")) || [];
		this.#count= localStorage.getItem("count") || 0;
		this.#count++;

		this.#id = this.#count;
		let shape = this.getWinShape();
		this.#winData = {id: this.#id, shape: shape, metaData: metaData};
		this.#windows.push(this.#winData);

		localStorage.setItem("count", this.#count);
		this.updateWindowsLocalStorage();
	}
  • ウィンドウリストの読み込み:

    • localStorageからwindowsキーの値を読み込み、JSON形式で解析します。
    • もしwindowsキーが存在しない場合は、空の配列を使用します。
  • ウィンドウカウントの更新:

    • localStorageからcountキーの値を読み込み、カウントを1増やします。
    • このカウントは、新しいウィンドウの一意のIDとして使用されます。
  • ウィンドウデータの設定:

    • 新しいウィンドウデータオブジェクトを作成し、その形状(shape)、ID、およびカスタムメタデータを設定します。
    • この新しいウィンドウデータを#windowsに追加します。
  • localStorageの更新:

    • countキーとwindowsキーの値をlocalStorageに保存します。

この関数によって、各ウィンドウは独自の識別子と状態を持ち、他のウィンドウとの同期が可能になります。

状態の同期

  • LocalStorageの変更を監視:
    • 他のウィンドウでlocalStorageが変更された場合に反応します。
    • localStorageのeventからwindowキーの変更を監視し、新しいウィンドウ情報に基づいて現在の#windowsを更新します。
    • #windowsの変更があった場合、設定されたコールバック関数を実行し、3Dシーンの状態を更新します。
		// event listener for when localStorage is changed from another window
		addEventListener("storage", (event) => 
		{
			if (event.key == "windows")
			{
				let newWindows = JSON.parse(event.newValue);
				let winChange = that.#didWindowsChange(that.#windows, newWindows);

				that.#windows = newWindows;

				if (winChange)
				{
					if (that.#winChangeCallback) that.#winChangeCallback();
				}
			}
		});
  • ウィンドウのクローズイベント処理:
    • 現在のウィンドウが閉じられる前に、そのウィンドウを#windowsから削除し、localStorageの情報を更新します。
		// event listener for when current window is about to ble closed
		window.addEventListener('beforeunload', function (e) 
		{
			let index = that.getWindowIndexFromId(that.#id);

			//remove this window from the list and update local storage
			that.#windows.splice(index, 1);
			that.updateWindowsLocalStorage();
		});

localStorageの値

以下はwindowsキーに保存されたJSONデータの例です。このデータには、各ウィンドウのID、形状(位置とサイズ)、およびカスタムメタデータが含まれます。

[
   {
      "id":20,
      "shape":{
         "x":18,
         "y":43,
         "w":1257,
         "h":675
      },
      "metaData":{
         "foo":"bar"
      }
   },
   {
      "id":21,
      "shape":{
         "x":477,
         "y":168,
         "w":1977,
         "h":1092
      },
      "metaData":{
         "foo":"bar"
      }
   },
   {
      "id":22,
      "shape":{
         "x":64,
         "y":246,
         "w":1819,
         "h":716
      },
      "metaData":{
         "foo":"bar"
      }
   }
]

最後に

あまりwindow間のことを考えてこなかったこともあり、localStorageがwindow間で共有されていることを初めて知りました。
他にもこの技術を使ってアプリケーションを作った方がXなどで投稿していたのでぜひ探してみてください!

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