Chrome(Chromium)系ブラウザをポータブル利用する問題点
ブラウザをポータブルアプリとしてUSBメモリにインストールできると、どこのPCでも同じブラウジング環境が簡単に再現できて履歴はPCではなくUSBメモリに残せたりと大変便利なのですが…
残念ながらChrome(Chromium)は前回起動時と異なるPCで起動すると設定を初期化し拡張機能、テーマ等を全て消去します(ブックマークは残る模様)
これはChrome(Chromium)が意図して行う動作でバグではないのでポリシーを変えない限り直らないしそれを抑制する設定もありません。
また、Chromiumをベースとしている各種Chromium系ブラウザも特別に対応しない限りこの仕様を引き継ぐことになります。
これではポータブル利用に適さないので(この動作をされても問題がない使い方ならこっちをお勧めします)、独自に対応して上記の動作を抑制しているブラウザを紹介します。
なおFirefoxは2020年3月現在そのような動作はしないようなのでFirefox派の人には関係ありません。
ポータブル利用に対応したChromium系ブラウザ
Opera
Opera Portableとして公式にポータブル対応しています。独自エンジン時代からOpera@USBとしてポータブル対応していた影響でしょうか?
PortableAppsにもあるので、PortableAppsの他のアプリも一緒に使う場合はこっちにすると一元化できて便利
(PortableAppsにはChromeやChromium系ブラウザのPortable版もありますが、特に上記の問題に対応しているわけではないようなので入れてもこの記事の趣旨的には意味がありません)
いずれも自動的に更新をチェックしてくれます。
現在は中国企業の共同事業体の資本傘下にあるので、そういうのが気になる人でなければ公式に対応を謳っていることもあり最もおすすめです。
公式にはポータブル対応していませんが、OperaGXもOperaと同様の動作をするようです。PortableAppsにポータブル版があります。
OperaGXを起動したままでも快適にPCゲームが動作するというゲーミング対応(?)を謳うだけにOperaに比べて非常に軽いなと感じてます。
Vivaldiは非対応
Operaから派生したChromium系ブラウザとしてVivaldiがありますが、スタンドアロンインストールというインストール方法があり、ポータブル(USBインストール)を作成するためにも使用できます(It can also be used to create a portable (USB install) of Vivaldi that you could store on an external disk)とヘルプには記載されていますが、実際にはChromiumと同じく別のPCで起動すると消去されるようです。
パスワードと拡張機能は各コンピューターのユーザープロファイルに固有のキーで暗号化されているため、転送できません。(Since passwords and extensions are encrypted with a key which is unique to the user profile on each computer, they cannot be transferred.)とのことのようです。
Brave
公式にはポータブル対応を謳ってはいませんし、特にポータブル利用対応に興味があるわけでもないようですが、コミュニティに上記のChromiumの動作を抑制するためのいくつかのコマンドラインオプションを追加するコードが提供されていて本体に適用されているようです。
そのためデフォルトではポータブル利用には適さないものの(未確認)、いくつかのコマンドラインオプションをつけて起動することでポータブル利用が可能になっているようです。
上記オプションを自動で適用する「非公式」のポータブル版があるのでBraveをポータブル利用したい場合はこちらがおすすめです。ただし自動更新は非対応で自分で更新確認と手動でダウンロード・インストール(上書きインストールすると更新できる)をする必要があるようです。
ungoogled-chromium
Googleのサービスに依存しないChromiumブラウザだそうです、Braveの上記パッチを取り込んでいるようです。
ビルド済みのバイナリが提供されていますが、公式ではなく提供したい個人によって提供されているというスタンスで無保証のようです。
Brave同様に「非公式」のポータブル版がありますので、こちらを使うのが無難だと思います。
ChromiumというかBlink/V8エンジン以外は徹底的にGoogleを排除する方針らしくGoogleサービス関係サイトへのアクセス自体を根本的にブロックするので拡張機能のインストールすらままなりません(ungoogled chromiumにextensionを追加する方法)。Chromiumは使いたいがGoogleのサービスは一切使わない方には適してるんじゃないでしょうか。逆に言えばGoogleのサービスをちょっとでも使ってる人には向いていません。
セキュリティリスクは承知しておこう
Chrome(Chromium)がああいうことをするのはセキュリティのためです
(どうせブラウザはネットに繋ぐものなのだから都度ログイン・同期すればいいじゃないと思ってる部分もあるかも)
当然ながら何も対策せずにポータブルアプリが入ってるUSBメモリを紛失すれば拾った人に不正利用されかねません。
そのことを理解して利用しましょう。