いきなりではございますが、WinActorユーザーの皆様!
日々のシナリオ開発で、「もっと効率的に開発を進めたい」と考えることがあるかと思います。
意図した動作のシナリオが作れるようになると、
仕事においてはスピードが必要とされる場面も多いと思います。
こちらの記事では、RPA技術者検定の試験対策を通じて学んだ
日々の業務にも取り入れられる シナリオ作成効率化の工夫とヒント をご紹介いたします。
※「WinActor®」は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
※「RPA技術者検定®」は、株式会社NTTデータの登録商標です。
※「RPA技術者検定」って何?という方は こちらのリンク をご確認ください。
(まとめ)シナリオ作成効率化の工夫とヒント
RPA技術者検定において効率よく問題を解くためには、
問題文を正確に読み取り、手戻りや修正を少なくし、試験時間内にシナリオの作成と動作検証を行うことが
必要になるかと思います。
これは日々のシナリオ開発でも同様ではないでしょうか。
その為の具体的な工夫とヒントを以下にまとめました。
No | 項目 | 内容詳細 |
---|---|---|
1 | WinActorの設定 | 最初に自分の操作しやすい設定にしておく |
2 | 問題文の把握 | 問題文全体をよく読み資材を確認する |
3 | シナリオの保存 | 新規作成したシナリオを問題文で指示されている通りに保存しておく |
4 | 変数の設定 | 繰り返し使用する値は変数一覧の初期値にあらかじめ設定しておく (例)ファイルパス、固定値 など |
5 | グループ化 | 設問毎にグループ化していく |
6 | 検索機能の活用 | ライブラリパレットの検索窓・[更新]ボタンを利用する |
7 | ノードのコピー&ペースト | 既に使用したノードはフローチャート表示エリアからコピーして使う |
8 | ショートカットキー | 各種ショートカットを利用して時間節約 |
9 | メモ帳の活用 | Windows標準のメモ帳のアプリを活用 |
10 | 動作確認&保存 | 作成途中につど動作確認をしてシナリオをこまめに保存しておく |
11 | 完了後の再確認 | シナリオ作成が完了しても必ず実行して実行結果を確認 |
各項目の解説
ここから、上記項目を実際のシナリオ作成に当てはめて、詳細を解説していきます。
1.WinActorの設定
自分の操作しやすい設定にしておくことで、操作の時間短縮となります。
(1)オプションの設定を変更する。
- 「変数を自動生成する」のチェックボックスを解除
- 不要な変数生成や似たような変数名が原因の設定ミスを防ぐことができます。
- 「ターゲット選択時にWinActorの画面を消す」のチェックボックスを選択
- ウィンドウ識別名の取得など、操作対象画面を選択しやすくなります。
(2)自分が操作しやすい画面レイアウトにする。
パレットエリア、シナリオ編集エリア、プロパティエリアは配置を変更することが可能です。
最初に自分に合った配置にしておくと作業しやすくなるかと思います。
(3)WinActor自体は画面最大化しない。
ノードのプロパティにて、操作対象ウィンドウ画面を選択しやすくするために、敢えて最大化しないことも効率よく作成するポイントです。
2.問題文の把握
実際のシナリオ作成では、要件定義にあたる部分です。
課題は何か、それを解決するための条件や最適解は何か……
洗い出しが不十分だと、手戻りや不完全なシナリオの原因となりますので、重要な工程といえます。
- 優先順位、時間配分を検討
- その問題に取り組める残り時間を確認し、
限られた時間で必ず作成すべき場所を特定して設計します。 - フローを頭の中でイメージ
- 要件全体を把握してからシナリオ作成をすることで、手戻りの回避につながります。
- 問題文に指示されている使用する機能、成果物、結果を確認
- 要件が「汎用的な動きをさせたい」「○○以上の値の場合は条件分岐」など、使用するデータやツールによっては処理を指定する必要があります。
そのため、使用するデータやツールを十分検討してから作らないと、手戻りが頻発します。
また指定された条件通りに作成しないと、処理結果が異なってくる場合もあります。
3.シナリオの保存
試験終了間際でのシナリオ保存忘れを防止するため、
新規でシナリオ作成する場合には、最初にシナリオ保存をすることが大切です。
WinActorでは自動保存してくれないので、まずは作業前、そして作業中もマメに保存することを習慣化してください。
また、指定された場所(共有フォルダ、WinActor専用フォルダ など)があるのであれば、必ず運用ルール通りに保存するようにしてください。
4.変数の設定
ファイルパスなど繰り返し使用する固定値は、変数一覧にあらかじめ追加しておきましょう。
入力の手間を省く、入力間違いを防ぐ、修正漏れを防ぐ意味で、このひと手間が大切になります。
ノードのプロパティにて、 [値⇒ ] の入力欄に直に書き込むと、修正する場合にすべてのノードのプロパティを開く必要が出てくるのでおススメできません。
5.グループ化
処理単位ごとにグループ化しておくと、保守管理の観点からも分かりやすくなります。
また、作成中に作成完了した処理を閉じておくと、次の作成フローに集中できますし、何よりフロー図全体が見やすくなります。
6.検索機能の活用
ライブラリパレットにある検索窓・[ライブラリ更新]ボタンを利用することで、ライブラリ検索の時間を短縮することが可能です。
ライブラリパレットにて、ライブラリのツリー・ビューを開きっぱなしにしておくと、次に配置したいライブラリが見つけづらい場合があります。
[ライブラリ更新]ボタンを押下すると開いた状態の枝部分を一括で折りたたむことが出来ます。
また、検索窓にてライブラリ名を一部分だけ入れて[検索]ボタンを押下すると、選択したいライブラリを絞り込みすることが出来ます。
7.ノードのコピー&ペーストの活用
時間短縮のために、コピー&ペーストを活用しましょう。
例えば毎回ライブラリパレットから配置するのは時間がかかる場合があります。既に使用したノードがフローチャート表示エリアにある場合はコピーして使うと探す手間が省けます。
8.ショートカットキーの活用
WinActorやWindows標準のショートカットを活用すると時短になります。
<例>
[Alt]+[Tab] 画面の切り替え
[Windows]+[E] エクスプローラーの画面を開く
9.メモ帳の活用
ブラウザのUI要素のXPathの文字列を一括取得してから一時保存してコピー&ペーストでプロパティに貼り付けしたり、メール定型文の保存など、活用方法は色々あります。
10.動作確認&保存
WinActorの部分実行、ブレイクポイント、待機ボックス、ステップ実行を活用して、こまめに動作確認をしてください。
また、動作確認で問題なければ、シナリオファイルを保存しましょう。
上記でも説明しましたが、WinActorでは自動保存してくれないので、こまめな保存を習慣化してください。
11.完了後の再確認
処理途中のシナリオに間違いを見つけて修正しても、通しで動かすと修正前と違う結果が返ってくることがあります。
完成したら、必ず動作検証は実施するようにしてください。
まとめ
以上、WinActorの効率的なシナリオ作成の一助になれば幸いです。
こちらのページはつど内容を更新してまいります。
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<参考動画>
▼ 2022/2/14開催 RPACommunity WinActor Talk
▼ 2023/7/21開催 RPACommunity WinActor Talk
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