今回は、繰り返し処理の設定方法についてご紹介します。
シナリオ作成の一助になればと思います。
条件設定について
ノード[繰り返しグループ]を配置してプロパティを開くと下図のようなプロパティ画面が表示されます。
繰り返し条件の設定方法は5種類あります。
No | 設定名称 | 説明 |
---|---|---|
1 | 条件式 | 条件式を使って繰り返しの条件判定を行う場合 |
2 | 回数 | 回数を指定して繰り返したい場合 |
3 | 範囲 | 指定された数値の範囲で繰り返したい場合 |
4 | データ数 | ExcelまたはCSVファイルを使ってデータ数分繰り返したい場合 |
5 | データ数(DB 連携) | データベースを使ってデータ数分繰り返しを行う場合 (データベースはMicrosoft Office Access 推奨) |
1.条件式
プロパティにある[条件式設定]ボタンを押下して、条件式を入力して繰り返し内容を設定する方法です。
複合条件を入力したい場合は、左側の論理演算子をAND、OR、NOTで変更することで複雑な条件式が設定可能です。
中央にある比較演算子では、「等しい」や「<>」などに条件を変更していただくことで細かく設定できます。
条件式の左右にあるコンボボックスには、直接値を入力あるいは変数を指定します。
今回は、無限ループの設定方法について、下記に説明します。
WinActorにおいては、繰り返し終了の条件が複雑な場合、シナリオの可読性の観点などから、
無限ループ+終了条件を定義した分岐を使ってシナリオを作成することが良くあります。
無限ループの設定方法
まず、プロパティにある[条件式設定]ボタンを押下して、条件式を以下の通りに設定して、画面下の[更新]ボタンを押下します。
無限ループの条件設定は以下の通りです
論理演算子 : 条件 (初期値のまま)
値1 : 値⇒ (直接値入力の状態で値は空欄にしておく)
比較演算子 : 等しい (数式比較の「=」の比較演算子は使わない)
値2 : 値⇒ (直接値入力の状態で値は空欄にしておく)
これで無限ループは完成しますが、条件によってはこのループを抜ける必要があります。
そこで、ノード[繰り返しグループ]の中にノード[分岐グループ]を配置して、分岐グループの条件式を設定します。(設定方法はノード[繰り返しグループ]の[条件式設定]と一緒です。)
最後に、ノード[繰り返し終了]をノード[分岐グループ]内に適切に配置していただければ完成です。
この設定で、適切なタイミングで無限ループを抜けるシナリオを作成することが可能です。
2.回数
回数のラジオボタンを選択して、コンボボックス内に変数値もしくは値を入力や選択をすることで繰返し条件を設定する方法です。
繰り返したい回数=処理数でよい場合には、こちらを選択します。
3.範囲
範囲のラジオボタンを選択して、2つのコンボボックス内に変数値もしくは値を入力や選択をすることで繰返し条件を設定する方法です。
処理したいデータの開始位置・終了位置を指定したい場合には、こちらを選択します。
4.データ数
データ数のラジオボタンを選択して、データファイル名のコンボボックスに変数値もしくは値を入力や選択をすることで繰返し条件を設定する方法です。
データファイル名には、ExcelやCSVのファイルパスを入力します。
テーブル形式のデータを行数分処理をする場合に適しています。
ExcelやCSVのデータ形式の条件としては以下の通りです。
- ブック内のシートは1つ
- A1セルからデータを作成する必要がある
- 1行目にデータの項目名を記載
- WinActorの変数一覧にも1行目のデータの項目名を追加
- 2行目以降にデータを入力しておく
5.データ数(DB連携)
データ数(DB連携) のラジオボタンを選択して、データソース名・ユーザ名・パスワード・テーブル名のコンボボックスに変数値もしくは値を入力や選択をすることで繰返し条件を設定する方法です。
ここでのデータベースはMicrosoft Office Accessが推奨されています。
おそらく他のデータベースでも設定が出来れば接続できるものと思われますが、動作の保証は出来ないものと思われますので、できれば推奨されているAccessで接続していただくのがいいかもしれません。
また、データベースを直接接続するので、関連する部署に相談・許可を取った上で使用いただくのが良いかもしれません。
回数の取得方法について
回数の取得方法は、データの状態によって変わりますので一概に分類は出来ませんが、よく使用するExcel、テキストデータ、ファイル数の3種類についてです。
1.Excelデータの行数
Excelのデータは作り手によって作成方法が違うので、必ずA1セルから開始されるものはありません。
だいたいの場合は、ライブラリ[Excel操作(最終行取得 その4)]で行数を取得して、ノード[四則演算]で調整する場合が多いです。
表次第では、ライブラリ[Excel操作(最終行取得 その1)]~[Excel操作(最終行取得 その3)]を活用する場合もありますので、プロパティの機能概要を確認した上で活用してください。
2.テキストデータの行数
CSVファイルやテキストファイルの行数を取得する場合は、ライブラリ[テキストファイル行数取得]を使用します。データによっては、ノード[四則演算]で調整する必要がありますので、必ずデータの中身を確認してください。
3.ファイル数
フォルダ内のファイルを繰り返し処理する場合は、ライブラリ[ファイル一覧(ファイル数)取得]を使用します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これらの繰り返し条件と取得回数を組合わせて設定することで、活用の幅が広がります。
上記情報を参考に、楽しいWinActor開発に着手いただければと思います!😉
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