#完成形
なぜこのようなトチ狂ったキーボードと配列になったのか、順を追って説明する。
文字キーと,.;/みの移動させた場合
#従来のキーボードの問題点
愛用していたNIZというキーボードだがキーボード界隈を覗くと従来のキーボードにもあてはまる以下の問題があることがわかった。
・キーが不必要に横にずれている
・左右分離ではない
・キーの配列が合理的ではない
・親指を活用できていない
これらの問題点を踏まえてコード入力に最適なキーボードを考えたい。
#レイアウト
###カラムスタッガードか格子配列をすすめる
従来のキーボードに見られるこの横ずれはロウスタッガードとよばれ、タイプライターの名残だ。
そのため人間工学的だから使われているわけではない。
人間の指は斜めに曲がらないので、斜め方向の移動はやりづらく、ご入力の原因になる。
なので個人的に各指の長さに合わせ縦方向にずらした、カラムスタッガードか、キーの密度が最も高い格子配列をすすめる。
カラムスタッガードか、格子配列で親指を活かせるキットが私が確認した時点でergodashしかなかったためそれを買った。
ErgoDash
#キー配置
###コード入力に最適なキー配置
デファクトスタンダードとなっているqwerty配列だが、タイプライター時代に考案されたもので、問題点も多い。
そこで英語入力に最適化することを目指したdvorak配列、
英語入力を考えつつ、qwerty配列からの移行コストを下げた、colemak配列、
ローマ字入力に最適化しつつ、エンジニアに配慮されたEucalyn配列、
など数多の配列が存在するが、コード入力に最適化することを考えた配列があっただろうか。(既出ならごめんなさい)
そこでコード入力に最適化されたキー配置を考えようと思い立った。
###100万字のコード解析
コードにはどのキーが多く使われているのか、私が学習しているgolangのコードを解析してみた。
解析はすべての文字で検証した場合と、多くの場合で保管機能を使いながらコード入力を行うと思うので、単語の先頭の文字のみを検証した場2通りで行った。
検証に使ったgolangのコードとpythonの頻度解析のコードはここ。
結果は以下の通りだ。
[(' ', 106773), ('e', 78523), ('t', 61675), ('\t', 57331), ('r', 53907), ('n', 45941), ('i', 41184), ('s', 40403), ('o', 38814), ('a', 38544), ('\n', 38387), ('l', 26621), ('c', 23970), ('.', 21813), ('u', 21413), ('d', 19440), ('f', 19348), ('p', 18613), ('(', 16213), (')', 16211), ('g', 15618), ('m', 14333), ('"', 13913), (',', 13274), ('/', 13273), ('h', 12101), ('=', 10778), (':', 9037), ('b', 8261), ('v', 7924), ('}', 7465), ('{', 7464), ('y', 6658), ('x', 6345), ('S', 6191), ('w', 4890), ('T', 4566), ('C', 4421), ('k', 4378), ('0', 3868), ('R', 3768), ('E', 3460), ('I', 3305), ('1', 3286), ('-', 3175), ('P', 3169), ('N', 2956), ('A', 2911), ('O', 2794), ('_', 2537), ('B', 2446), ('*', 2419), ('[', 2323), (']', 2321), ('D', 2236), ('F', 2188), ('M', 2115), ('L', 2094), ('U', 1959), ('H', 1695), ('!', 1619), ('V', 1606), ('G', 1497), ('q', 1448), ('6', 1421), ('j', 1381), ('2', 1319), ('`', 1302), ('&', 1286), ('4', 1280), ('%', 1090), ('z', 1063), ('W', 1000), (';', 907), ('+', 781), ('3', 751), ("'", 651), ('8', 602), ('K', 596), ('|', 513), ('9', 502), ('<', 488), ('J', 468), ('>', 430), ('5', 410), ('7', 302), ('\\', 280), ('X', 242), ('Q', 218), ('$', 155), ('Z', 154), ('#', 145), ('Y', 95), ('^', 57), ('?', 32), ('@', 30), ('~', 16), ('•', 5), ('→', 5), ('╺', 4)]
[('(', 16213), (')', 16211), (',', 13261), ('t', 10013), ('=', 9559), ('s', 9378), ('i', 9349), ('f', 9295),
("'", 9001), (':', 8964), ('r', 7834), ('}', 7465), ('{', 7464), ('c', 7088), ('`', 6771), ('e', 6687), ('a', 6500), ('n', 5590), ('/', 5182), ('b', 4590), ('.', 4328), ('p', 4297), ('d', 3810), ('m', 3755), ('v', 3610), ('o', 3559), ('g', 3324), ('l', 2526), ('*', 2419), ('[', 2323), (']', 2321), ('w', 2315), ('h', 2125), ('u', 1680), ('!', 1619), ('&', 1286), ('0', 1091), ('%', 1090), ('_', 1019), ('j', 1013), (';', 907), ('-', 794), ('1', 662), ('k', 548), ('<', 488), ('>', 430), ('x', 413), ('+', 394), ('z', 338), ('q', 307), ('|', 269), ('2', 239), ('4', 171), ('$', 155), ('#', 145), ('3', 145), ('i', 124), ('5', 110), ('\\', 102), ('6', 63), ('8', 63), ('7', 63), ('^', 56), ('?', 32), ('@', 30), ('9', 29), ('~', 15), ('•', 5), ('→', 5), ('╺', 4),
('�👋', 3), ('⦿', 2), ('⇨', 1), ('⊳', 1), ('↔', 1), ('≡', 1)]
[("''", 8442), ('re', 5880), ('``', 5473), ('//', 4871), ('er', 3971), ('st', 3245), ('th', 3034), ('if', 2679), ('in', 2479), ('co', 2472), ('fu', 2453), ('de', 1862), ('ni', 1796), ('to', 1551), ('is', 1520), ('se',
1451), ('ma', 1443), ('fo', 1399), ('ca', 1351), ('pa', 1271), ('fi', 1078), ('go', 1075), ('te', 1031), ('ge', 1016), ('an', 1002), ('lo', 972), ('tr', 959), ('bu', 936), ('no', 931), ('ne', 914), ('ap', 898), ('pr',
861), ('n.', 844), ('op', 819), ('ex', 802), ('fr', 771), ('va', 770), ('by', 728), ('ty', 717), ('==', 713), ('ht', 713), ('me', 696), ('li', 689), ('bo', 670), ('v0', 662), ('ho', 661), ('en', 656), ('fa', 648), ('be', 648), ('of', 643), ('wi', 630), ('ar', 628), ('on', 601), ('v1', 593), ('na', 560), ('ru', 552), ('gi', 547), ('us', 543), ('ad', 528), ('le', 518), ('it', 503), ('.s', 502), ('t.', 492), ('bl', 482), ('mo', 481), ('..', 473), ('as', 470), ('ro', 464), ('ra', 450), ('pp', 450), ('di', 445), ('wh', 430), ('wa', 430), ('ch', 428), ('ti', 428), ('su', 427), ('fm', 421), ('c1', 414), ('al', 411), ('un', 408), ('c0', 403), ('cl', 397), ('sy', 389), ('s.', 361), ('ta', 360), ('im', 347), ('os', 341), ('s1', 341), ('s0', 340), ('ha', 333), ('ev', 324), ('si', 322), ('so', 319), ('up', 318), ('da', 317), ('ve', 314), ('db', 313), ('jo', 312), ('c.', 311), ('po', 310)]
[('err', 3955), ('ret', 2766), ('fun', 2400), ('str', 2392), ('the', 2304), ('nil', 1796), ('con', 1431), ('for', 1274), ('app', 824), ('cas', 810), ('tes', 768), ('fil', 760), ('int', 755), ('log', 727), ('typ', 688), ('ref', 688), ('htt', 658), ('gen', 649), ('bui', 636), ('hos', 596), ('des', 583), ('sta', 582), ('def', 578), ('pro', 551), ('nam', 543), ('byt', 543), ('not', 528), ('tru', 522), ('opt', 513), ('and', 510), ('res', 505), ('fra', 483), ('req', 462), ('use', 462), ('git', 446), ('ser', 446), ('.se', 445), ('run', 445), ('...', 437), ('com', 427), ('ppu', 425), ('fmt', 421), ('add', 421), ('blt', 406), ('n.e', 404), ('new', 398), ('fal', 398), ('boo', 386), ('val', 386), ('var', 383), ('tim', 383), ('len', 373), ('pat', 371), ('exp', 370), ('arg', 364), ('ran', 361), ('get', 359), ('rep', 356), ('tha', 351), ('wit', 346), ('thi', 340), ('ins', 328), ('imp', 320), ('lin', 303), ('map', 297), ('mes', 293), ('par', 289), ('met', 287), ('job', 287), ('out', 286), ('nex', 285), ('pac', 284), ('dat', 277), ('els', 276), ('mak', 275), ('eve', 272), ('os.', 262), ('can', 258), ('swi', 254), ('set', 248), ('ctx', 246), ('t.f', 242), ('mod', 239), ('rea', 235), ('syn', 235), ('sho', 234), ('jso', 228), ('whe', 224), ('key', 219), ('dis', 217), ('fro', 217), ('tne', 216), ('rou', 212), ('ass', 212), ('tar', 206), ('ver', 206), ('per', 206), ('cre', 202), ('fla', 198), ('env', 198)]
###考察
・space、tab、改行などインデントを整えるキーが多かった。
・英文と比較して、rが上位に入ってきた。
・func、if、forなど多くの文法で使われる、fも上位に来た。
・下手な文字より、記号のほうが多く使われている。
###出来上がったキー配置
####以下をコーディング配列(go_1)と名付けます。
・私は日本語は薙刀式という入力方式を使うのでローマ字入力を考えずに配置。
・親指キーは連続打ちできるため、er、if、inなど頻出を配置。
・ショートカットは別でキーを用意するため、ショートカットでよく使うキーも無視。
・同じ指で連続してうたないように配置。
文字キーと,.;/みの移動させた場合
####以下をコーディング配列(go_2)と名付けます。
・文字キーのみのものはあまり自信がないためよければご意見をください。
#スイッチ
###最も早く快適に打てるキースイッチは銀軸
ここでは長時間入力するのに適した、なで打ちというアクチュエーションギリギリを打つ打ち方をする前提で話を進める。
なで打ちと聞くと多くの人は黒軸を想像するかと思うが、私からは銀軸を勧めたい。
あくまで私の場合だが、半分押し込めば反応する黒軸より、すぐ反応する銀軸のほうが加減がしやすく、打ちやすかった。
銀軸で文字入力していて、誤爆も聞いていたより少なく感じる。
#キーキャップ
###設計思想が素晴らしい薙刀式キーキャップ
指の曲線とキーボードに置かれる指の向きを考えて、設計された薙刀式キーキャップの設計思想に共感し、それを選択。
良ければ大岡さんのブログの方もご覧ください。
商品ページ
###小指の付け根で押す
小指の付け根で押すように高いSAプロファイルのキーキャップもつける。
#まとめ
ここまでたどり着くのにかなりの時間を使ってしまったが、とても楽しかった。
今回初めてpythonで文字解析をしてみたが、想像以上に簡単で驚いた。
今回はgolangでやってみたが、各言語ごとにやってみて傾向を調べても面白いと思う。
apexというゲームでこのキーボードを使ってみたが、やりづらかった。
普通のキーボードに戻した途端にキルリーダーになれた。
慣れもあるだろうが、このキーボードだと小指が動かしづらかった。
ぽんと一瞬押せばいい文字入力と、押し続けなければいけないゲームでは違うのだなと思った。
いつか最強のゲーミングキーボードも作ってみたい。
ここまでご高覧賜りありがとうございました。