はじめに
scrum Inc Japanさんでやっていたスクラムガイド2020上映会に参加しました。
今回は2017年に書かれたスクラムガイドが今年アップデートされたということで
そのアップデートの理由や内容の説明についてのビデオ上映&トークセッションをされていました。
メモを取り切れていないところがあるので抜けているところも多々あると思いますが、
あとで自分も見返せるようにこちらにまとめていきます。
アップデート内容
こちらの公式のブログで解説資料が載っています。
上映会ではアップデート内容について何故そうなったのか対話式のビデオで理由や背景が説明されていきました。
- チーム全体でゴールを明確にしてその達成をコミットメントする
- よりシンプルでわかりやすく
- ただ役割を果たすのではなくて、ゴールの達成に責任を持つ。
- スクラムマスターの役割の記述の変更
- デイリースクラムの記述の変更
などなど...
ビデオの録画なども公開されたようなので気になる方はこちらも。
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時間内訳
- スクラムガイドアップデート内容についての解説ビデオ 1:00 頃~
- プロダクトビジョン・ゴールの役割について 33:00 頃~
- 役割から責任という概念の変更について 38:40 頃~
- ソフトウェア開発以外のスクラムについて 46:25 頃~
- 日本における新ガイド実践のポイント 54:20 頃~
- Q&Aセッション 1:01:30 頃~
気になった部分
参加して強調されていた部分や自分で気になった部分について書いていきます。
与えられた役割をこなすのではなくてゴールの達成のためにチーム全員で考え動く
今回開発チームから開発者という形に表現されるようになり、スクラムチーム一つにまとまりました。
この変更について、既存のチームを見ているとより良いプロダクトを作ろうとしていてもそれぞれの役割を果たす以上のことをしない傾向があったため、よりチーム全体で考え・進んでいって欲しいからとのことでした。
その機能が何を達成したい(解決したい)ために作るのか必要なものかを考えるところから始めるというのは他の書籍にもありましたが、HOWだけでなくもっとWhatの深堀りを習慣化するようにしたいなと思いました。
バックログを提示してもらうだけでなく開発者として何をするのが今何をするのが良いのか考えてこちらからも出していくのが大事ですね。
後ほど出ますがスクラムマスター(以降SM)の役割が「サーバントリーダー」から「チーム、組織に奉仕する真のリーダー」という記述に変わっていたり、チームのファシリテートのような具体的な作業の言及も削除されていました。
この変更については、実際に行うべきことや役割は変わらないけれどスプリントゴールに対する責任を持つことを明確にして能動的に動くことを期待されているということのようです。
Jeffさんが見てきたチームのSMの中には、レビューやプランニングの開催や調整、進行役などは行うがそのイベントで成果を出す・ゴールを達成するために導くことをしようとしない人もいるので、作業にこだわるのではなくよりプロダクトやゴールに責任を持つことが大事と仰られていました。
コミットメント(確約)の捉え方
資料にあるコミットメントは日本だと必ず達成するもの、完成義務のように捉えられますが、
ここでいうコミットメントはバックログに対して全力を尽くす、達成目標のようなものであるということでした。
確かに達成できないと仕事ができていない気持ちになりますが、そうではなくて何故できなかったのか理由を話すことで
その現状に対してチームで分析し、対応もできるのかなと思いました。
アンチパターンの紹介
このガイドを理解することでどのように成功するか、だけでなくてそれができないとどういった失敗を招いてしまうのか
わかりやすくカテゴリーごとに話されていて良いなと思いました。
(これはプレゼンテーションとして良いという意味合いになってしまったか。。)
例えば、スプリントプランニングのトピックに「このスプリントは何故価値があるのか」が追加されました。
これは価値をを知ることで作業の効率が全く変わるということと、
価値についてチームが合意できないせずに進む、つまり理由が分からずに作業を行う場合は作業の効率が下がるだけでなく
プロダクトオーナーが期待するものと違う結果をもたらすことになるということでした。
似たような話で有名な風刺絵で以下のようなものがありますがその通りだなと思いました。
プレゼンテーションではなくディスカッションにする
Q&AセッションでステークホルダーからWHYやWHATを引き出すためにはどうすれば良いかという質問に対して、
コミットメントが達成できているかの確認、報告だけでなくどうしていきたいかをレビューなどで相談していくのが良いとありました。
必ずしも悪いことじゃないと思いますが、これも形式化した品評会のようなものではなく、より良くしていくための機会にする必要があるのかなと思いました。
アジャイル開発の場合は一括請負ではなく準委任でやっている
これは永和マネジメントさんの一例であってこの限りではもちろんないと思いますが、このようにおっしゃっていました。
同じ場所で、同じ目線で同じチームとしてアジャイル開発していくために準委任でやっているということです。
指示系統の上下関係であったり、契約に結びついたやらなければいけないことなどが出てくるとスクラムが組みにくいそうです。
あまりそういった視点で考えたことがなかったのでなるほどなーと。
参考にさせていただいたツイート
上映会ではハッシュタグを使って視聴している人の意見がTwitter上に上がっていました。
その中でなるほどなーとかうまくまとめていただいてるものを共有させていただければと思っています。
(載せて欲しくないなどあれば削除いたします。)
スプリントの名前を番号でやってるけど、ひょっとしてスプリントって番号じゃない方がいいんじゃないか?という気がしてきた。
— HirokiNaito (@HorkiNaito) December 16, 2020
スプリントのゴールをタイトルにする感じ?
そうするとプロダクトビジョンやプロダクトゴールを把握しやすくなりそう。 #スクラムガイド2020上映会
真のリーダーとは
— Kosuke ENOMOTO @ 12/21 #xtechjaws11 (@coosuke) December 16, 2020
・上にも下にも働きかけて、スクラムチームの生産性を最大化することに貢献する
・会社や社会を良くするためには越境することも厭わない
・オープンマインド
・自己変革できる
・バランス感覚が取れる
・できなかったことを「できる」に変えられる#スクラムガイド2020上映会
最後に
全体を通して思ったのは資料にもありましたが、よりシンプルに解釈をしやすいように更新されたというように思います。
役割や意味は変わっていないけれど、形骸化してしまわないように具体的になりすぎている部分は削除され意味が誤解されそうなところは用語を変えてといった感じ。