RaspbianをRaspberryPiにインストールする方法
- RaspberryPiとは何なのか
- 何ができるのか
- 使用するためにはどうすれば良いか
Raspberry Piって何?
("ラズベリー" がのっている "パイ" じゃないよ!!!)
『Raspberry Pi』(以下, ラズパイ)は, 手のひらサイズの超小型コンピュータである. 開発元はイギリスのラズベリーパイ財団で, 当初は英国の教育向けに開発された.
しかし, 近年では教育分野だけでなく電子工作ファンや職場, 家庭でネットワークに接続できる小型PCとしても注目を集めている. 人気の要因は一般人が個々のニーズにあったハードを自作する「メイカームーブメント(Maker Movement)」や「IoT(Internet of Things)」の盛り上がりである. ラズパイを使用することにより, 自分や世間が求めているガジェットを手軽に制作できるようになった.
ラズパイは通常のPCに比べて格段に安く入手することができ, ネットワークに接続できるだけでなく, USBや汎用入出力GPIO(General Purpose Input/Output), センサ等を搭載している.
つまり, ラズパイはIoTを実現するのにぴったりのデバイスで, 様々なセンサや画像, 音声情報を処理してサーバに蓄積したり, 状況に応じた反応を返したりと, アイデアを素早く形にすることができる.
さらに簡易的なファイルサーバやWebサーバとしても使用することができ, その機能は多岐に渡る.
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デスクトップPCとして使用できる
- Webブラウザ, オフィス文書の作成
- ゲーム, プログラミングなど
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サーバとして使用できる
- Webサーバ構築, ファイルサーバ構築
- メディアサーバ構築など
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電子工作に使用できる
- カメラやマイク等を接続できる
- LEDや赤外線など, 様々なセンサ機器を接続できる
ラズパイは普通のPCと同様にOSを必要とする. しかし, WindowsやmacOSとは異なり購入時点ではOSがインストールされておらず, 自分でセットアップしていく必要がある. また, ラズパイはマザーボードのみであり, モニタやキーボード, マウス等を搭載しないので, 追加で用意する必要がある.
ラズパイには通常, 『Raspbian(ラズビアン)』と呼ばれるDebian由来Linuxベースの専用OSをインストールして使用する.
ラズパイを使用するには
環境
- 今回は以下の環境でセットアップする.
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設定側PC
- PC:MacBook Pro
- OS:macOS Catalina ver. 10.15.6
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セットアップ対象
- デバイス:Raspberry Pi 3 model B
- OS:Raspbian GNU/Linux version: 8 jessie(Debian)
- 注意:『Raspberry Pi 3 model B+』以降ではDebian _jessie_は対応してないらしい
- http://www.neko.ne.jp/~freewing/raspberry_pi/raspberry_pi_old_version_raspbian_os_image/
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設定側PC
必要な機器
- 実際に使用する機器と参考URL
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Raspberry Pi 3 model B(本体)
- Amazon.jp
- SWITCH SCIENCE
- 秋月電子通商
- Raspberry Pi Shop by KSY
- model 3Bであればだいたい4000~5000円程度で購入できるが, 時期によっては1000円程度高くなっている場合もある
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Raspberry Pi 3 model B(本体)
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microSDカード(PCにおけるHDD/SSDに相当)
- 公式では8GB以上でクラス10が推奨されているが, その後の拡張を考えると16GB以上をお勧めする
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注意:ラズパイとmicroSDには相性があるため, 当たり外れに備えて数枚購入しておくと良い
- 1枚 500~600円程度で購入可能
- 相性等に関してはこちら
- 自分はTeamGroupの32GB microSDを使用した
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ACアダプタ(電力供給)
- 注意:ラズパイは消費電力が大きく, 2.5A以上の出力を要するため100円ショップや, タブレットデバイス等の付属品では電力不足になる可能性がある
- 5V/3.0A USB Micro-Bコネクタ
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HDMIケーブル, モニタ, マウス, キーボード
- 正直なんでも構わない
- 注意:TVをモニタとして使用する場合, 映像が不鮮明になったり解像度が極端に悪くなったりする可能性がある(ソースは自分)
インストール手順
機器の準備ができたら, OSをインストールする.
1. microSDをフォーマット
- 操作: Mac
2. NOOBSをMacにダウンロード
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操作: Mac
- NOOBS(Raspbianインストーラ)を以下のURLからインストール
- http://downloads.raspberrypi.org/NOOBS//images/NOOBS-2016-10-05/NOOBS_v2_0_0.zip
- ファイルサイズがzip形式でも1GBを超えるため, 有線接続でのダウンロードをお勧めする
- 無線でもできなくはないけど結構時間掛かった...
- ダウンロードしたNOOBSをSDカードの ルート(最上階)ディレクトリ にコピー
- NOOBS(Raspbianインストーラ)を以下のURLからインストール
3. ラズパイを起動
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操作:ラズパイ
- 以下の手順でSDカードをラズパイに挿入して起動
- SDカードをラズパイに挿入
- HDMI(モニタ), マウス, キーボードをラズパイに接続
- ACアダプタ USB Micro-Bコネクタを電源アダプタに挿入
- 注意:すべての周辺機器を接続した後に電源を入れないとデータが破損する可能性があるので要注意.
- 以下の手順でSDカードをラズパイに挿入して起動
4. Raspbianをインストール
インストール方法を3つ挙げる.
GUI(視覚的な操作)でのインストールも可能なため, CLI(コマンドライン操作)に慣れていなくても簡単にインストールできる.
【方法1】:NOOBSからイメージを書き込んでRaspbianをインストール
- 操作:ラズパイ
【方法2】:OSイメージから直接microSDに書き込んでインストール(※ 方法1でうまく行かない場合に試す)
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操作:Mac
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以下のURLから『balenaEtcher.app』をインストールしてmicroSDにイメージを書き込む(マウント)
- https://www.balena.io/etcher/
- 「macOS用のダウンロード」を押す
- balenaEtcher.appを起動
- ドラック&ドロップでイメージとディスクを選択し『Flash!』を押して書き込みを開始
- イメージの書き込みが終了したらmicroSDをラズパイに挿して起動
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【方法3】:ddコマンドでOSイメージをSDカードに書き込んでインストール
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操作:Mac
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MacのターミナルからOSイメージをマウント
- 注意:CLI操作なので入力間違いには特に注意すること!(打ち間違いはデータの破損に繋がる)
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以下の手順で書き込みを行う
- 予め, 他の項目と区別できるようにmicroSDカードを "RASPBERRYPI" などの分かりやすい名前でフォーマットしておく
- 以下のコマンドでボリューム(記憶領域)一覧を確認
$ diskutil list
- リストの中からフォーマットしたSDカードを探す
- 先ほどフォーマットしたボリューム『DOS_FAT_32 RASPBERRYPI』が表示される
- 『/dev/disk2』に対してddコマンドを実行
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$ sudo dd bs=1m if=2016-10-05-raspbian-jessie.img of=/dev/disk2
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if=xxxx-xx-...
:ダウンロードしたファイル名を指定 -
of=/dev/disk2
:SDカードが存在している項目を指定- 注意:
of
の指定を間違えるとデータが破損する(自分の環境に合わせて要変更) - 特に『/dev/disk1』にはMacintosh(設定PC自体のOS)が存在しているので, 間違えるとホストOSが吹っ飛びます.
- 注意:
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sudo
(super user do)コマンドを実行したことによりパスワードを求められる >> Password: (macのログインパスワードを入力)
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- 以下のように応答すればイメージ書き込みは完了
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- イメージの書き込みが終了したらmicroSDをラズパイに挿して起動
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- 参考URL
5. 起動を確認
以下のような画面がディスプレイ上に表示されれば, OSのインストールとラズパイのセットアップは完了.
引用・参考
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