さて、前回はネットワークってなんだって観点から、
TCP/IPという各メーカー共通の規格を使ってやり取りしよう。
それでTCPとIPの2つを解説するにあたり、まずはIPアドレスに少し触れました。
ここでIPアドレスの対になる概念をお話します。
それが「サブネットマスク」です。
例えばIPアドレスを振ってくださいというときに
IP:192.168.10.9
SM:255.255.255.0
などという表記をみたことがあるでしょうか。
この例ではSMと略されたものがサブネットマスクです。
んじゃこれ一体なんなの、といいますと、
「ネットワークの大きさを示す数値」だと思ってください。
わたしが今までにみた一番秀逸な説明方法が、電話番号に例えたものです。
みなさん自宅に電話ありますか?(もうない人いますよね)
東京と大阪は、03と06から始まります。
わたしの住む京都市は075から始まります。
場所によっては4桁となりますね。
電話番号の総桁数は10桁固定です。
地域を示す番号が先頭から3桁の場合、のこり7桁で加入者の番号を賄う必要があります。
東京や大阪では加入者が多いので7桁でまかないきれません。
そのため先頭の地域番号を2桁にしました。
そうすると加入者には8桁のアドレス空間から番号を振ることができます。
住む人が少ない地域はどうでしょう。
そんなにたくさん空間が要りません。
そのため先頭4桁を地域番号としました。
これと同じことをIPアドレスにも行います。
上記の例では人間にわかりやすいように10進数でアドレスを示してありますが
コンピュータの内部では2進数で扱われます。
(10進数)
IP:192.168.10.9
SM:255.255.255.0
これを2進数に変換すると、
(2進数)
IP:11000000.10101000.00001010.00001001
SM:11111111.11111111.11111111.00000000
こうなります。
SM行に注目してください。
第3オクテットまですべて「1」ですね。
これで、「先頭24ビット(8x3)はネットワーク番号ですよ」という意味になります。
これを、このように書いて表現することがあります。
IP/SM:192.168.10.9/24
サブネットマスク自体は上記が理解できていればとりあえず業務は遂行できると思うのですが、もうひとつだけ書いておきたいと思います(また話が長くなる・・・)
あなたはとある部署のネットワーク管理者で管理区分は
192.168.10.0/24です。
ある日このネットワークを2つに等しく分割してくれと言われました。
どうすればいいでしょうか。
CIDR(サイダー)と呼ばれる手法を使います。
24ビットマスクのネットワークを2つに分割ということですから、マスクを一つ増やせばいいわけです。
サブネットマスクを25ビットとします。
(2進数)
SM:11111111.11111111.11111111.10000000
^^^
↑ココが増えた!
これを10進数にすると、
(10進数)
SM:255.255.255.128
となります。
CIDR表記でいうと
IP/SM:192.168.10.9/25
です。
このようにアドレッシングにはまず
◯クラスフルアドレッシング(クラスA、B、C)
があり、それを柔軟に活用するために
◯クラスレスアドレッシング(CIDR)
というものもあるということを覚えておきましょう。