2024.10.17wordの整理
機械学習モデルの性能を上げるには?
- モデルの性能を最適化する方法
機械学習では「ハイパーパラメータチューニング」という工程がとても重要です。これは、モデルの動きを決めるいくつかの設定値(例:学習率、木の深さ、バッチサイズなど)を調整して、性能を最大限に引き出す作業です。
代表的なチューニング手法:
手法名 | 特徴 |
---|---|
グリッドサーチ | あらかじめ決めた値の組み合わせをすべて試す |
ランダムサーチ | ランダムに値を選んで効率よく探索する |
ベイズ最適化 | 過去の結果をもとに、次に試すべき良さそうな値を選ぶ |
Optuna, Ray Tune | 最新の自動チューニングライブラリ(Python対応) |
AutoML(例:Google AutoML) | モデルの作成・チューニングを全部自動でやってくれる |
- MLflowによる実験管理
MLflowは、機械学習の**「実験ノート」**のような役割を果たします。
MLflowでできること:
試したハイパーパラメータの記録
評価指標(例:精度、損失)の記録
作成したモデルファイルの保存
Web上で実験の結果を比較・確認できる
これにより、再現性(=あとで同じ結果が出せること)を確保できます。
- モデル学習に使う3つのデータ
データ種別 | 目的 |
---|---|
Trainデータ(訓練) | モデルを学習させるためのデータ |
Validationデータ(検証) | 学習途中での性能確認・ハイパーパラメータ調整に使う |
Testデータ(テスト) | 最後に、未知のデータへの性能(汎化能力)を評価 |
- 損失(Loss)の見方
Train Loss:訓練データに対する誤差
Validation Loss:検証データに対する誤差
理想のパターンは:
両方とも減少している
TrainとValidationのLossが近い
Validation Lossが途中から増えていない(→過学習していない)
勾配降下法(Gradient Descent)とは?
勾配(こうばい)とは
日常的には:坂の傾き(例:「急な坂道」)
数学では:直線の傾き(方向係数)。x軸とつくる角度の変化の割合。
物理では:ある量(例:温度・速度)の変化の速さ → 勾配ベクトル
機械学習での勾配の役割:
ある関数の最小値を見つけたいとき、今いる場所からどっちに進めばいいかを「勾配(傾き)」が教えてくれます。
勾配降下法の流れ:
最初に適当な場所からスタート
その地点での勾配(傾き)を計算
勾配の逆方向に少しだけ移動(←これを「学習率」で決める)
それを何回も繰り返して、誤差が小さくなるようにする
勾配降下法で使う専門用語:
用語 | 意味 |
---|---|
勾配 (Gradient) | 関数の傾き。どっちに進めば最小値に近づくかを示すベクトル。 |
学習率 (Learning Rate) | 一回の更新でどのくらい動くか(ステップの大きさ) |
損失関数 (Loss Function) | モデルの間違いの度合いを示す関数 |
最適化 (Optimization) | 損失を最小にするパラメータを探すこと |
効率的な実験管理のためにやるべきこと
コードとデータのバージョン管理(Gitなど)
設定ファイル(YAMLなど)で条件を管理
Dockerや仮想環境で環境を固定する
MLflowなどで実験ログを自動記録
これにより、再現性とチーム内の共有がとてもやりやすくなります。