Product Requirements Docs(PRD)とは?
以下の2点についてまとめていくこと
- What is the feature trying to achieve?
- ある機能を開発するときに達成しようとしていることはなにか
- Details of how the feature should work.
- どうやってその機能を実装するか、機能させるか
実装するかどうかの判断を行うときも、Product Requirements Docsを書きながら検証を進めることは網羅的に考えることができておすすめです。推薦システムを考えていく時などにも利用することができます。
PRDのセクション
- Vision
- 機能を開発して成し遂げたい体験
- Background research
- 機能を実装する前に調査したこと
- ユーザヒアリング / データ / ジャーニーマップなど
- Goals & Non-goals
- 開発で成し遂げたいスコープ
- ゴールとしないことを明示的に書くことも理解を深めやすい
- Metrics
- 機能を評価する上での指標
- Global Metrics(プロダクト全体の健全度を表す指標)とLocal Metrics(ある機能の満足度・評価するための指標)がある
- 良い例: Global MetricsとLocal Metrics双方用意し、Local MetricsとGlobal Metricsの繋がりの説明ができる
- 良くない例: Local Metricsを複数個用意して、その中で良かった指標の数を数える
- High-Level use cases
- 機能を使った上で、最終的にユーザが成し遂げたいユースケースを書く
- ここを明確にすることで、Global MetricsとLocal Metricsの繋がりを調べることができる
- Detailed design
- 開発の初期でデザインを行い仕様が固まってから開発するほうがよい
- プロトタイピングも良いが、よりプロダクションに近いデザインのほうがよい
- Launch plan
- 初期リリースする際は、ユーザが機能のことを知らない、どのように知ってもらうか
- 適用範囲を制限したり、社内テストをするなど、リスクを減らし、リーンに検証を進めるプラン
- Risks
- 機能がうまく行かない時の原因をリストアップ
- トレード・オフのポイントがあれば列挙する
- 自分の仮説を反証してたくさん出すほど、プロダクトの成功率は上がる
- Privacy
- データ/機能がプライバシーの観点で問題がないか
- Legal
- データ/機能が法律の観点で問題がないか
ケーススタディ - Netflix
問題
Netflixを例に、「ソーシャル機能」「評価機能」「ブックマーク機能」のどれかを選んで、PRDを書いてみましょう。
(ヒント: どれもレコメンデーションシステムに関係のある機能になるので、レコメンデーションシステムにどのような影響があるのかという観点でも考察してみましょう)
参考1: 2013年頃のNetflix
2013年には、Netflix内で友達を作ったり、Facebookの友達にお気に入りの映画を共有できていました。
また、評価は5段階で行い、評判が分かるようなUIになっていました。

参考2: 現在のNetflix
現在では、「マイリストへの追加」「リンクのシェア」「thumbs up」の3つの機能があります。
参考3: NetflixのレコメンデーションについてのHelp
以下は、NetflixのRating&Recommendationsという項目にある回答になります。vote(thumbs up or thumbs down)は推薦としても利用しますが、閲覧履歴によってもコンテンツの推薦を行っている。

参考4: Netflix利用者によるソーシャル機能に関する調査と要望
Shuchita GodboleさんによるNetflixに関するレポートが非常に良い考察だったので、少し抜粋しました。




上記のグラフの結論を整理すると以下のようになります。
- 新しい映画を見るときは、友達と家族からおすすめされて見ることが最も多い
- 推薦は、探しやすいわけではなく、質についても満足していない人の割合が多い
- 全体的な満足度は高い